キョウ達
それはもはや体が耐えきれる大きさではなくなっていたようでそれが立とうとしているのだろうボキボキと体中の骨を鳴らしながら立ち上がろうとした。
だがやはり耐えきれなかったようで尻餅をついた。
そしてそれはまるで赤ん坊のように鳴き声とも悲鳴とも聞けない声で鳴いた。
それの鳴き声は悍ましく大きくとても耳を塞がず聞くことはできないものだった。
だがファウは自身の耳を塞ぐのではなく赤ん坊の耳を塞いだ。
それが鳴き止むとファウは放心状態になってしまった。
「ど、どうしましたかファウ?」
キョウがファウに近づき肩をポンっと軽く叩くとバタッと倒れてしまった。
赤ん坊は奇跡的に怪我はなかったがファウは目を開けたまま動かなくなってしまっていた。
「何をした!!!」
そいつはキョウの反応が分かっているのかニコリと笑い目をギョロギョロと動かした。
「何をした!!っでしたか」
「お教えしましょお教えしましょ」
仮面を付け黒色の魔術師の格好をした男がそう言って空からそれの肩辺りに降りてきた。
「だ、誰!」
「私は試作百十四番にタイプ魔術師でございます」
「ちなみにこのグズは試作二千九十六番タイプキメラでございます」
「その方が倒れたのはコイツの唯一の能力マンドラゴラの鳴き声の所為でございます」
「まあコイツは欠陥品ですがね」
「欠陥品?」
「はい」




