キョウ達
「ねぇねぇキョウ」
「何ですか?」
「なんだかこの子の機嫌が良くなってきた気がする」
キョウが少し覗くと確かに表情が明るくなっているような気がしたがファウが言ったからなのかは分からないが表情の明るさは消えた。
人が少ない道にて。
突如、仮面を付けた黒い衣装を身に纏った男がキョウ達の前に空から降りてきた。
男はまるで体の力が入っていないかのようにダランと頭と腕を下げ猫背だった。
「うわ!」
「びっくりした」
「いきなり何?」
「見づげた」
男はそういうと片手をナイフのように硬く鋭そうに変化させ自身の胸に勢いよく突き刺した。
そして自身の心臓を握り潰し絶命した。
「じ、自殺した?」
「なんで?」
「ど、どういうことでしょう?」
キョウ達が困惑している中、赤ん坊は一生懸命急かすように服を引っ張り移動させようとしてきた。
だが赤ん坊の行為は虚しく異変が起こってしまった。
死体はボコボコと歪に膨れ上がり痙攣を始め仰向けになると胸に空いた穴から大量の血が溢れ出し溢れ出した血は死体を中心に血がまるで決まっていたかのように動き魔法陣が描かれた。
魔法陣が完成すると止まったかに思われた死体の膨れ上がりが再び始まり仰向けの状態でキョウ達よりも大きくなっていた。
 




