次の目的地
次の日。
「オレク今から出かけるんだけどお前にはこれを目に付けてほしい」
「目に?」
「何故?」
「お楽しみってやつだ」
「まあ!」
「分かりましたわ」
オレクは海斗の言うことに従い海斗の持っている布を取ると自身の目に押し当て後ろで縛った。
「あっオレク耳栓もしてもらえる?」
「良いわよ」
「この手に置いて」
オレクはそう言って両手を差し出して来た。
海斗はその手の平に耳栓を渡すと耳に装着した。
「よし行くぞ」
ガーアとヨウがオレクの両腕を掴み連れて行った。
「いや〜」
「上手くいったな」
「そうですね」
「あとは出航するのに間に合えば良いですね」
「ああ、そうだな」
あれから結構歩きましたけどまだなのかしら?
ん?
木の階段の上を歩いてる?
ん?
外よ?
階段を登り終わると地面が揺れていることにオレクは気が付き驚いた。
「な、何ですの?」
「何で揺れてますの?」
「教えてくださいセイ様!」
オレクがそういうとセイはオレクの目隠しを取った。
オレクは光景に驚き耳栓を取り投げ捨て周りを見渡した。
「う、嘘よ」
「嘘ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
オレクが見たのは港から離れていく光景だった。
そしてそれだけならオレクは発狂をしなかっただろう。
オレクが発狂した理由はあまりにも船が庶民的、つまり普通だったことにだった。




