旅
「ある〜じ〜!」
「はなしつけてきたよ!」
ヨウとシキが戻ってきた。
「いまからいったほうがいいって!」
「テンガ!」
「お前の作ったマジックポーチに入れていこうぜ!」
「無理だ!」
「え?なんで?」
「武器とか防具とかアクセサリーとかで満杯だから」
「みんなで運ぼうか」
「は〜い〜」
「おう」
「かしこまりました」
「かしこまりまし、た。」
そしてセイ達は少し遠い南門まで物を運びそれを三周ぐらい繰り返しすべて馬車に運んだ。
馬車のおじさんはとても明るい気さくな感じの人でヨウが信用するだけの人ということが見た目で分かるほどだった。
「じゃあヨウちゃんと家族の方出発します!
そういうと馬車はガタガタと揺れながら動き始めた。
「あの〜」
「本当に良かったんですか他にお客さんいないし相場より安く乗せてもらっちゃって?」
「いいんですよ」
「それだけヨウちゃんにはお世話になったからね」
「そうですか...」
「ありがとうございます! 」
それから場所は大きく揺れたり小さく揺れたりを繰り返しセイが初めて降り立った森を4時間程かけて抜けると平原が顔を出し火が落ち始めていた。
「みなさん!」
「もう少し森から離れたらキャンプをしますよ」
セイ達がは〜いと返事をした。
離れた場所まで着くとみんなで役割を分担しテントを張り料理を作る。
「いただきます!」
「セイ様それは?」
「うん?」
「これは...」
「ごめん俺も良くわかんないや」
「い〜ただ〜きま〜す!」
「あるじがやるならわたしもする!」
「いただきます」
「いただきます」
「いただきま、す」
みんなが一斉に塩漬けした肉とチーズと馬車のおじさんの奥さん特製のタレそしてレタスを挟んだサンドイッチを頬張る。
「う、うめぇぇぇぇ!!」
「パン柔らけぇぇぇ!」
「そうでしょそうでしょ」
「実はねうちの奥さんが最近良妻の称号を授かりましてね家事の効率が2倍で作った料理の味にも補正が少しかかるというものでして」
「へぇー!」
「それまた羨ましいですね」
「ほんと私にはもったいないぐらいい妻なんですよ」
「そういえば勇者様が現れるんじゃないかって巷じゃ噂になってますよ」
「本来勇者様が現れる兆しとして強い力を持った者や賢い者に加護が渡り加護持ちが増えるのですが特に何も特徴のない人も加護が貰えるかもしれないというある意味とても魅力的なんですけど勇者様が現れるということは魔王かそれに準ずる危険が迫っているということでもあるので素直に喜べないんですよね」
「確かにそうですね」
それから2時間程みんなで談笑をしながら過ごした。




