武神祭
少しすると氷の狼にヒビが入り割れた。
中からは丸焦げのアイシーがいた。
丸焦げのアイシーは所々ヒビが入り拳を大きく掲げ胸に叩きつけた。
すると丸焦げの皮膚は全て砕け美しい傷一つない肌が現れた。
アイシーは服が魔法で木っ端微塵となったはずだがアイシーの身にはとても薄く白い肌に吸い付くような生地を身に付けていた。
だが先程のアイシーとは違い目に生気はなく心なしか体の所々が成長していた。
今よりもずっと昔。
とある村の近くに周りの山よりもずば抜けて大きく聳え立つ山があった。
その山は沢山の果実や山菜、動物が生息しており村の人達はその恵みを山の天辺にいる山神様のおかげとしていた。
だがある日、山菜や果実を採りに行った村人が山の異変に気づいた。
幾つかの山菜や果実が少し凍っていたのだ。
それがまず最初の異変だった。
次に起きた異変は白い毛の狼の魔物の目撃が多くなった。
村人はあの山に今まで魔物なんて一度も見かけたことがなく狼の魔物に恐怖し狼の魔物を討伐してくれるように冒険者を雇った。
無事魔物は討伐され村人達は安堵したがすぐに大きな異変が起こった。
ある日、一夜にして山が全て凍ったのだ。
村人は以前の魔物騒ぎよりもさらに大きな恐怖を抱いた。
そしてこう思ったのだあの魔物は山神様の眷属だったのではないのか?っと。
村人達はすぐにでも山神様のお怒りを鎮めようと会議を行った。




