武神祭
ミカヅチが何回か剣を振るいベルが吹き飛ばされていると、壁の近くで吹き飛ばされると壁に叩きつけられた。
「う〜〜ん」
「ま、いっか」
ミカヅチはベルが来る前に刀を鞘に戻しスキルを使った。
<修羅の腕><斬撃強化><感覚強化><縮地>
ミカヅチは感覚強化を使いベルがこちらに来るまで目を瞑り感覚を研ぎ澄ませた。
ミカヅチの研ぎ澄まされた感覚ではベルが来る気配を感覚の全てで捉えミカヅチからはベルが来るのがゆっくりとすら感じた。
ベルがミカヅチの目と鼻の先まで近づいて来たところでミカヅチの暗い瞳の中に一筋の光が見えた。
「一閃」
ミカヅチは消えそこには剣を振り下ろす直前で固まったベルが立っていた。
ベルが剣を持つ反対方向にミカヅチは刀を鞘に入れる直前の状態で現れた。
そしてカチッと刀をしまった。
「見事だ」
「名前はなんだったったか」
少し、本当に少しだけ考え言葉を発した。
「そう!ミカヅチ、ミカヅチ殿」
「尊敬いたします剣を極めしご老人」
「いや刀だ」
ベルは腕をダランとぶら下げると剣は綺麗な切り口で斬られ刀身の半分ほどが地に落ちた。
そしてプシューーーーーゥゥゥゥっと体の右斜めから血が吹き出し倒れた。
大会が始まって此処までの静寂が大会を包んだのは初めてだろう。
 




