椿とアイシー
「つ、椿様!!!」
「ど、どうして此処に?」
「忘れ物をしたのよ」
「それよりあなた達は一体此処でアイシーになにをしていたの!!」
「そ、それは」
女達は口をもごもごとさせながら椿と目を合わせない。
「こっちを向いてはっきりと私に教えなさい!!」
「ヒッ」と女達のリーダーであろう女の口から出て4人は小刻みに少し震えていた。
「え、え〜と」
「わ、私達は」
「アイシーさんに」
「い、嫌がらせをしていました」
「なんで!そんなことをしたの!」
「だ、だって皆んな椿様と話したいのにアイシーさんみたいなのとずっと喋って私達とはほとんど喋ってくれないものですから」
「つ、つい」
「言ってやりたいと思ってしまって」
椿は誰にも聞こえないほど小さな声で何かを言った。
そして次に声を出した時には大きな声でそれを言った。
「アイシーをみたいなのとか言うな!!!」
「ヒッごめんなさい」
4人の女子は脇の階段を使い椿が入ってきた扉へと向かい扉まで着くと「ほ、本当にごめんなさい」っと言って走って逃げて行った。
椿は女子の走る音が聞こえなくなるとアイシーに近づいて行き話しかけた。
「大丈夫?」
「何かされなかった?」
「大丈夫だよ」
「ありがとう」
「いつもこんなことされてたの?」
「ん〜」
「たまにかな」
「本当にごめんねごめんね」




