3人の旅
「そろそろフェニックスの話はやめにしないか?」
「旅の途中での話の種を残しておくためにさ」
「そうですね」
「そうですね」
イフリートとジンは互いに同じタイミングそう言った。
「なぁなぁ」
「みんな」
「実はさ…」
「ずっとやりたくてやりたくて仕方がないことがあったんだ」
「しちゃダメか?」
「いいんじゃないの」
「いいと思います」
「私もいいと思いますよ」
「じゃ、じゃあ」
絶望神の加護。
死神の加護。
風神の加護。
火神の加護。
「<神獣召喚>」
魔法陣が複数現れ複数の魔法陣が光った。
光った後魔法陣があった場所には何人かが居た。
まずセイの目に映ったのはボサボサ頭で顔の見えない暗い雰囲気を纏った女性だった。
次に目に映ったのは人骨だった。
ほんとただの人骨。
次に目に入ったのは馬だった。
特に変哲のない馬、ただかなりいい馬ということだけは分かった。
最後に目に映ったのは浮いた青色の火の玉だった。
「ねぇイフリート」
「何でしょうか」
「これってお前の親せ…」
「違います」
「断じて親戚などではありません」
「っていうか今回一段と人の形をしたのが少ないな」
「は、はじめましてけ、ケールで、す」
「よ、よろしくおね、がいします」
女性はおどおどとしながらも挨拶をしてきた。
「ガチガチガチガチガチガチガチ」
「ガチガチガチ」
「ガチガチガチガチガチガチ」
「ごめんなんか言ってるのかもしれないけど全然わかんない」
骸骨は少し悲しそうに肩を落とした。
「ブルルルルル」
「ブルルル」
「ブルルルルルルルルル」
「ごめん君も何言ってるかわかんない」
馬は悲しそうに頭を下に降ろし小さくブルルと言っていた。
「……………」
「そうだよね口ないもんね」




