3人の旅
「フェニックスってさ幻獣じゃないの?」
「幻獣が精霊を統括してるの?」
「フェニックス様は幻獣ではありません」
「いや元幻獣ではありますが今は精霊です」
「どゆこと?」
「幻獣のフェニックスは基本的には死んでも生き返りますが」
「あの方は一番最初にこの世に生まれたフェニックスで何度も何度も生き死にを繰り返した結果だんだん強くなる力を再生した体が耐えられなくなったんです」
「ですが再生は止まりませんでした生き返ってはすぐ死にすぐ生き帰ってはすぐ死ぬを繰り返しその状態でも力は強くなる一方だったそうです」
「そんな日々を繰り返していたある時フェニックス様のもとに下位の精霊達が遊びに来たそうです」
「そしてその精霊達が何を考えたのかフェニックス様に宿ったんです」
「下位の精霊達はフェニックス様の有り余る力を受け宿った瞬間に上位精霊になったそうです」
「ですが上位精霊になったのも一瞬、どんどん流れてくる力で魂は耐えられず消滅」
「残ったのは大量の精霊を形作っていたもの、それをフェニックス様の魂は吸収されたのです」
「吸収したのと同時にフェニックス様の魂は幻獣ではなく精霊のものとなったのです」
「精霊になったフェニックス様の魂は肉体から解き放たれ上位精霊となりました」
「上位精霊とは言っても神格を持たないだけでフェニックス様は神獣と大差ない実力をお持ちなんですよ」
「神格か」
「でもそんなに実力があるなら誰が神格をくれてもおかしくないと思うんだけどな」
「もちろんです」
「実際、さまざまな神様から神獣にならないかというお誘いがあったそうですがフェニックス様には興味がなかったようで全てお断りしたそうです」
「興味がない?」
「神獣になれるんだぞ?」
「今の仕事が気に入ってると言っておりましたよ」
イフリートはそう満面の笑みで答えた。
その後はジンも加えてフェニックスの話をティオとセイは聞いた。




