3人の旅
セイ達はゴーレム退治の報酬をもらって家に帰った。
「ふぅぅぅ」
「疲れた〜〜〜」
「今日簡単な料理でいい?」
「もちろん!」
ティオが料理を作っている最中にセイは明日のことについて話し出した。
「じゃあ明日道具を揃えて暴風草原に向かおうかと思うんだけどどうかな?」
「いいと思うわよ」
「いいと思います」
その後セイとイフリートはティオの作った料理を食べ眠りについた。
そして次の日セイ達は食料を買い岩石砂漠でも必要そうな物を買いそのあとは特に何か目立ったことは起こらずその日は終わった。
「よし!じゃあ行くか」
セイ達は家を出て門へと向かった。
「あれ?」
「ティオどうしたんだ?」
「また外に行くのか」
「そんな大荷物で」
「旅に出るの私」
「そうか」
「行くのか」
「そうかそうか」
「気をつけるんだぞ」
「はい!」
門番はゆっくりと門を開けその後は何も言わなかった。
ティオが崖から落ちて行ったのを見届けた門番は昔のことを思い出していた。
当時俺がまだこの仕事に就いてまもない頃ある男が赤子を連れて村に入ってきた。
その男は子供の頃仲良くしていたやつだった。
当時その男は理由はわからないが親と共にここから離れて行っやつだった。
赤子はリザードマンと人のハーフだった。
この村には特に混血を嫌う的なことはなかったがもともと混血が産まれるということがなかったからかもしれない。
だが誰も差別を2人にしなかった。
ティオが3歳になった時周りの子達はティオが自分達と色々と違うことで喋りたかったが喋りかけにくかったらしい。
そのせいでティオは孤立していた。
孤立していたがティオはそこまで寂しそうではなかった。
ティオはとても父親が大好きで仕事以外はずっと引っ付いていたことを覚えている。
ティオが6歳の頃、父親が事故で亡くなった。
ティオの父親はこの村には来てから仕事を探しており俺はティオの父親に俺と同じ門番の仕事を勧めた。
その結果ティオの父親は俺と同じ門番になった。
ティオの父親が見回りの任を得て崖下を見回っている時ゴーレムと遭遇しゴーレムの投擲によって亡くなった。
そしてティオは本当の孤独になった。
ティオに父親が亡くなったことを伝えたときはとにかく辛かった。
まだ親に甘える年頃なのにそんな子に親の死を伝えるのはやはり辛い。
それからティオはまともに人と話さなかった。
ティオがまともに話し始めてくれたのは父親が亡くなってから3年後ぐらいだった。
当時はとても嬉しかったがある時わかった。
あまりにも大人びていると。
それからティオはその調子だった。
あの日までは。
ティオがボロボロの男を連れてきたんだ。
そして男を看病するティオはどこか昔のティオを感じさせた。
そしてティオはとうとうここを出て旅に出た。
あの目は確かに父親が生きている時のティオの目と同じだった。
あの子が昔みたいに楽しんでくれるなら此処じゃなくても良い。




