死
セイは怪我人の中に2人がいないことを確認し急いでいる1人の医者を呼び止めた。
「ティオと赤髪の男を見なかったか?」
「あ?知らん!!」
「死んでれば遺体安置所にいるだろう生きていればとりあえず家に戻っているはずだ」
「もういいな!俺は急いでるんだ」
「とりあえず家に行くか」
セイは家に居なかったらの事などを考え不安を感じながらティオの家に向かった。
家の前に立ちゆっくりドアを開ける。
中には。
誰も居なかった。
「ま、まさか」
「そんな」
セイは辺りを見渡すが人は歩いておらず門まで走った。
「お?」
「どうしたんだ?」
「し、死体安置所ってどこ?」
セイは不安感を滲み出しながら門番に聞いた。
「死体安置所は…」
セイは場所を聞くと死体安置所に走った。
死体安置所に着くとセイは近くにいたスタッフらしいリザードマンに顔を見ていっていいか聞き了解を得ると1人ずつ布を退け顔を確認しては被せを繰り返した。
一枚一枚ドキドキと鳴るはずのない心臓のドキドキという鼓動を感じながら布を退けては被せを繰り返して最後の2人でセイの手は完全に止まった。
もしこの2人が。
セイは様々な想像をした。
まずここまで見てきた死体からかなりひどい状態である事は明らかでその酷い死体がティオとイフリートの2人だったらと考えると恐怖で体が動けなかった。




