始まり
神界にて。
「ゼロは一体なんなのなんでしょうか創造神様?」
「今言えることは、異常だよ」
「まずあの子の魂がいた世界は多分あの傍観者の世界だと思う」
「あの何もしないで眺めているだけの神ですか?」
「そう、ほんとどうやってこっちに来たのやら見当もつかないよ」
「それもあの子の魂に付いていた負は邪神の負の量を遥かに超えるものだった」
「皆んなはとても危険で手の施しようのできない魂を消そうと言っていたが私は消したくなかった」
「何度も私の力でどうにかしようとしたが無理だった」
「私は最後、魂を器に入れてみた」
「やはりダメだった」
「だから私は考えたそしてこの世界の神々に加護を付けてくれるよう頼んであの子の心をカバーしようと思いつきみんなに頼んだ」
「まあ、実際は予想以上に神が来て結果的に世界中の神の加護を貰っちゃったわけだけど」
「まさか落ちた神まで来るとはな」
「でもな加護を封印した今あの子の心が心配だよ確かに神にはなって欲しいけど無理はして欲しくないな」
「多分誰かしらの神はあの子に関わろうとするでしょうね」
「まあ禁じていないから大丈夫だよ」
「あの子に何を与えようと悪いものを渡そうとする神はこの世界にはいないよ」
「この世界にはね」
下界の丘にて
「来て早々助けられてしまった」
下界での弱い魔法を調べないとな。
「このままだと色々と大変そうだ」
「それにしてもあれが商業都市ミューゼリスタ」
「うわぁ」
「門にすごい人が並んでる」
「あれ?」
「門でお金を払ってる人がいる」
「入るためには金がいるのか?」
ゴブリンを倒してから他のモンスターとは会わなかったのが唯一の救いか。
う〜ん此処はいくらなのかな?
「あ!」
いくらかわかる中銀貨1枚か、爺ちゃんはピッタリ中銀貨1枚しかくれなかったのか。
「冒険者っていうのになりたいのにこれだと冒険者ギルドで払う金額がないな」
登録料は中銀貨2枚か。
そうなるとモンスターを倒して冒険者ギルドで換金しないとダメだな。
(硬化の価値)
小銅貨10円
中銅貨50円
大銅貨100円
小銀貨500円
中銀貨1000円
大銀貨5000円
金貨100000万円
大金貨1000000万円
一応ゴブリンの魔石を取っておいたけど売っても大銅貨一枚にしかならないしウルフなら小銀貨1枚にはなるかな。
だとするとウルフを2匹討伐してから門に向かった方がいいか。
確か索敵魔法っていうのもあるんだっけ?
どうすれば覚えられるんだろう。
でも似たのなら知ってるな。
「え〜と確か」
周りの音に神経を集中する。
サーーーーーァァァ
風の音、場所の音、虫の鳴き声
「よし! 」
<聴覚強化>
そう叫ぶとゼロの耳に簡易的な魔法陣が浮かび上がり耳に溶け込むように消えた。
「お!」
「すごい色々な音が聞こえやすくなった。」
トトトトトトトトトトトトトト
森の中を駆け抜ける音がする。
「う〜〜ん」
「なかなかいないな」
それにしても人間の体ってなんて使い勝手の悪い神界ではみんなに一切勝てなかったけどまだあっちの体の方が良かったな。
でも人間の体って確か爺ちゃんが作ったって言ってたしみんなも手を貸したって言ってたからそれなりにいいところまで成長できるかも。
ガサ
「グルルルルルル」
「警戒音?」
「フェンリル?」
ガルゥゥその音が左肩から聞こえたと思うと左肩には灰色の犬のような動物が噛み付いていた。
「痛いぃぃぃ」
「は、、、離せ!」
そういうとゼロは左肩の生き物を引き剥がした。
「なんだこいつ?」
そうかこいつがウルフか実際に見たことがなかったからわからなかった。
ゼロは右腕をウルフに向けるとこう叫んだ。
<ファイヤーボール!>
ゼロがそう叫ぶと手の平から小さな火の玉が出てきてウルフに当たる。
「クゥゥゥゥゥン」
当たったがダメージは入っていないようだ。
「な、、なんで!」
「すす、ステータス」
名前 ゼロ 年齢 15歳 性別 男 種族 人
レベル11
体力 35
魔力 0
筋力 25
俊敏 23
技術 17
器用 40
「ま、魔力が0?」
そうかゴブリンに使ったファイヤーボールと聴覚強化魔法で魔力がもう。
「どうしよう。」
「に、、逃げなきゃ喰われる」
そういうとゼロは来た道に向かって走り出した。
「ハァハァハァハァハァハァ」
「まだ追ってくる!」
「か、、<鑑定>!」
名前 なし 年齢 6歳 性別 オス 種族 ウルフ
レベル13
体力 60
魔力 0
筋力 32
俊敏 32
技術 5
器用 3
「な!」
「もしかしてこんなのがわんさかいるの?」
「こんなの俺に勝ち目ないじゃん。」
完全に舐めてた、皆んながまたピンチになったら助けてくれるってそう思ってた。
さっきはたまたまだったんだ。
どうしようどうしようどうしよう。
俺だと絶対追いつかれる。
「どうしよう!」