Sランク冒険者の講習
「はぁはぁはぁ」
俺とセルの2人で攻撃しても一発も当たらなかった。
闇の中は息が出来るだけで他は水の中と同じだ。
だから普通なら動きは鈍り攻撃も遅くなる筈なのに何故あんなに俊敏に動けるんだ?
闇の中で闇の濃さは俺の思いのままだ。
闇を最高の濃さにして戦ったのだからアイツには何も見えず何も聞こえてなかったはずなのに。
ネロが息を切らしながら考えに耽っているとセイとテンガがテネットに話しかけていた。
「ダメだな美しくない」
「やたらめったら複雑にすればいいって訳じゃねぇんだよ」
「これはただ複雑にしまくってそれっぽくしただけだ
やり直しだ」
「結構時間かかったのに…」
「まあ頑張ろうぜセイ」
「そうだな」
「また出来たら見せに来い」
セイとテンガがテネットから離れると冒険者達が近づいてきた。
「あのテネットさん」
「俺達の膜はどうでしょうか?」
冒険者達はそれぞれ違う場所に膜が作ってあった。
「どれどれ」
「君は合格君は不合格君も不合格君は合格」
テネットは冒険者達の膜を見て合否を言った。
「よし!合格を貰った奴は次に膜を揺らす練習をしろ」
「不合格の奴は合格を貰った奴の膜を見せて貰って再び膜を作り俺に見せて合格を貰えると思った奴はまた俺のところに来い」
「ライオン君そろそろ休憩は終わりでいいかな?」
「いいに決まってんだろ」
「次は蛇君のスキルも使っていいよ」
「クソが!」
「覚悟しやがれ!」
「<闇渡>」
再びネロとテネットは自身の影の中に沈んでいった。




