岩石砂漠
セイ達は歩きながら時々跳躍し木の上から岩石砂漠が見える辺りまで近づきそこに野宿をした。
そして一日経ちまだ陽が出ていない時間に岩石砂漠へと向かった。
「まだねむいよ〜」
「俺も眠い」
2人はほぼ同時に欠伸をした。
キョウとシキ以外は全員眠そうにしているなか森を抜けた。
セイ達が森を抜けると同時に朝日も顔を出し始めていた。
「岩と砂ばっかだな」
「これ買って正解だったかもな」
セイ達は全員マントを装備していた。
耐熱耐性の魔術が掛かってあるマントと砂場で移動しやすい靴などなど。
「魔道具系買いすぎてもう金ねぇよ」
「また今度ギルドでクエストを受けて稼ぎましょう」
「そうだな」
セイは少し落ち込んだような声でそう言った。
そうだ必要経費だ!
気にしちゃダメだ!
「セイ様これを」
キョウが懐からトゲトゲの小さな宝玉を出し渡してきた。
セイは手のひらにあるその宝玉を見て何か渋るような顔をしたが決意の表情に変え握りつぶした。
セイは握りつぶした瞬間目に少し涙を浮かべた。
それは痛みで浮かべた物ではなかった。
大銀貨12枚飛んだ。
「あっちだ」
セイは砂漠に指を指しそこに向かってみんなで歩き始めた。
セイが握りつぶした物は岩石砂漠にある国から来た商人が売っていた道標の宝玉という物である。
宝玉自体魔術的価値がある物で基本的には宝玉に道を示す魔法は付与されない。
なぜなら地図などを買って使ったほうが安く済むからだ。
だが岩石砂漠にある国に行くためにはそうもいかない。
もともと地図は大雑把な物であり街道もなく目印になる物もない岩石砂漠の国に行くのは地図では不可能なのだ。
結果的に行き方を知る者が宝玉に魔法をかけた物を使うもしくは知っている者に案内してもらう以外では運しかないのだ。
そしてセイ達は大銀貨12枚で道標の宝玉を買ったのだった。
「よしみんな行こう!」




