エルフの村
闇の精霊が完全にエルフの中に入ると男のエルフの目にまるで薄い黒い膜を貼ったかのような濁った目になった。
「う〜」
「憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い」
「アイツどうしたんだ?」
「闇の精霊に心の中に入られたんだろう」
「闇の精霊が生き物の心の中に入ると一番憎い何かを見つけ出してその憎しみを増幅、そして増幅したらその一番憎い何かを幻で仲間がその何かに見えるようにして襲わせる」
「ダークエルフめ!」
「よくもよくもよくも我が母、父、妹を手に掛けたな!」
「許さん許さん許さん許さん許さん許さん」
男は大きな声でそう叫ぶと全員をまるで仇を目の前にするかのような憎悪や殺意が込められた目で見てきた。
「あぁ」
「痛かったよな」
「今からお兄ちゃんがお前に痛い痛い思いをさせた奴らにお前と同じ苦しみをアイツらにも味合わせるからね」
そして腰に掛かった短剣を抜き近くにいたエルフに襲いかかった。
「許さん許さん許さん許さん絶対に許さん!」
「後方の奴らでそいつを抑えろ前方にいるのは今まで通り闇の精霊の相手をしろ」
「召喚魔法使うからあとは頼んだぞ」
「は!」
周りにいたエルフ達が一斉に返事をした。




