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VS勇者狩り−108の意志−  作者: カルイススキ
一章
4/180

3話 レッダと説明回 ※

今回の文字数は3560文字数です。(読了目安8分)


※後書きにキャラ絵あり(伊見言葉)

 「ーー私の糧となる為に恐怖をね?」


 女がそう呟いた。


 ドサッと脇に抱えていたラピスラズリ皇女を荷物のように捨てると、何かを考える仕草を取り始める。


 暗がりから見える彼女の姿は正に奇異だった。


「…ーーーーーー?」

 

 瞳の色は宝石のようなマリンブルー、金髪のショートボブに首筋辺りからイカの足のように枝分かれし、床につきそうなほど長い特徴的な髪先

 上半身に比べ、足はロングブーツで素肌が殆ど見えないが、ちらっと太ももが見え隠れしている。

 

 背後に死体の山があるというのに、一滴の血も服に付着せず女が立っていた。


 一瞬、この女がやっていない、別の誰か?と考えたが、地面に下ろされたばかりの少女を見るとやはりその考えは間違っていると改めた。


 -----どう考えてもこの女が殺人を犯したとしか、ありえなかった。


 ヒノキ達の悲惨な顏を他所に、女が楽しそうに提案する。


「と言ってもハイッ!瞬殺じゃ面白くないはよね!

折角皇女様が私達に隠れてこんな遺跡ダンジョンで勇者召喚の儀式を行ったんですもの?

…そうね、うん、こうしよかっ!」


 ニッコリとほほ笑む女。

勇者召喚された者達を一人ずつ確認するように、見渡し……


「何も判らないまま切り刻むっていうのは面白くないでしょ?

だってもうそんなの兵士でやっちゃったし!

そうねーーまず、あなた達は今、異世界に召喚された。

----ここまでは理解できる?」


 戸惑いながらヒノキ達がコクリと頷くと、目を細め…女が自分の胸にそっと手を当てた。


「私の名は、レッダ・ボイコット。

この世界で()()()()()()()()()()()()()()で、閃光の勇者よ。」


 あなた達の世界とは、また違う別の世界から召喚された人間だけどね?と付け足すレッダ。


「ふ~ん…、それにしても今回の召喚された勇者は、幼児以外皆同じ服を着て生活するのね?」


 レッダが不思議そうに生徒達が着ている学ラン、セーラー服を見て首を傾げた。


ビシッ!


「誰が幼児じゃぁぁぁーーーーーーーー!!

 そこまで身長縮んどらんわ!

 私は先生よ!

 この中で一番美しくて、ちょーーーードエロい大人の女性なんだから!

 夜もやばいんだからね!!めちゃめちゃのネロネロにするんだから!!!

----年長者!24歳!!24歳!!

 ニジュウヨンサァ~~~~~~イッ!フゥーーーーーーーーー!!!」



 伊見先生が即行で自分の事だと把握しキレた。


「あら?そうなの??別にあなたのこと言ったわけじゃないのに?」


 生徒より前に出てきた伊見先生、後ろで生徒達が青ざめながら呆れる。


(こんな時まで……強き過ぎるでしょ伊見ちゃん!?めちゃめちゃのネロネロってなんだよ!ダサッ!!)


「言っておくけど・・私、勇者の上位スキルのお蔭で今98歳ぐらいなんだけど?

そんな私からしたらあなたは幼児・・いえ赤子・・生まれてないぐらい下じゃないの?」


「ふぇ!?」


あぐっ!幼児扱いすらまだ上位だと!?と伊見先生が盛大に落ち込む。


「まっ、言わなきゃ判らないわよね?

私の見た目、若いまま老化停止作用が加わっているからってルフ君が言ってたし?」


んふふふ!と伊見先生をからかい、愛しい誰かを思い出して上機嫌になるレッダ。


「まぁ、冗談はさておき?

あなた達は、勇者として世界を救って下さい魔王からっ!

て感じで異世界から召喚されたルーティーンの最新更新てとこ?


 最初は、人間を苦しめ世界を破壊する魔王を討伐が使命だったんだけど、それも初期の召喚した勇者で駆逐されて今や残存勢力も微々たるもの……


 はっきり言ってこれ以上殺すと根絶やし状態。

今や天然の魔王、魔族なんて絶滅危惧種、保護動物扱いなのよね~~?」


 と語るレッダ……正直、ここまでの話しでもうついていけないと脱落しそうな生徒達。


(や、やべぇ……なにその説明……じゃあ、俺達何で召喚されたんだよ?)


「ふふふーーー面白いわよね?

今や魔王、魔族は家畜同然、数を管理され生かされている養殖。


 何故そんな事をしてまで根絶やしにしないで生かされているのか解る?

 簡単よ、理由は魔力核とドロップアイテムを定期的にぶち殺して採取できるから。


 ああ?話しがそれちゃったけど、それでね?

今は魔王を倒さなくて良くなったんだけど、それでも()()()()()()()なったの…ある仕組みのお蔭でで、そう、もう()()()()()()()()のにもかかわらず、追加の勇者が召喚され続ける仕組み。素敵でしょ?


 …----そしてね、誰が最初に手を出したか判らないけど()()が始また。」


 ここまで言うと……獲物を狙う狩人の様な質の違う微笑みを生徒達に向けた。


「そう、勇者狩りがね」


ゾッとなる生徒を他所にスッと表情を和らげ、突然右手を顏の位置ぐらいまで翳すレッダ


「ふふ、なんて?-----ステータスオープン」


 半透明の17インチぐらいののパネルが展開される。


「これが私のステータス値を提示するクリアスクリーン。

ステータスウオープンって唱えれば、貴方達も自分のステータス値が見れるから確認してみて?」


 生徒達が覚束ない様子でオロオロとそれぞれのステータスを確認し始める。

一番後ろの端にいたヒノキもレッダの説明に驚きながらも、ステータスを確かめようとパネルを開こうとする。


 ……が、そこで気付く。


 大地が()()自分のグラタンパンを一緒に握っていた。


「…………(汗)」


 思わずじぃ~~と大地を見るヒノキ……。

 大地は気付かず、レッダの話しが難しかったのかソワソワと霧花に質問していた。


(………後光さん、無意識でグラタンパンを掴んでいるのか?(汗))


 大地がステータスオープンと、ヒノキより先に唱える。


 後光 大地  17歳 レベル1

 極光の勇者

 HP100/100 成長☆  

 MP100/100 成長☆

 EXP 15% 

 攻撃力 207

 防御力 58

 回避力 マイナス16

 耐久力 218

 特攻 90

 補足 物理攻撃有効/魔法攻撃耐性弱体

 習得スキル オーロラウェーブ 成長☆


 大地のステータスが開示されたが……如何せん、ゲームをやらない大地には解らなかった。


「よ、よく解らない・・・」


 大地が自分のステータスをマジマジと見ながら唸る。

 大丈夫か?……と心配に思いつつも~自分のステータス値を開ヒノキ。


 椎名ヒノキ  17歳 レベル1

 コントローラー

 HP76/76 成長☆  

 MP MAX/MAX 成長MAX

 EXP 7% 

 攻撃力 41

 防御力 35

 回避力 98

 耐久力 37

 特攻 18

 補足 物理攻撃弱体/魔法攻撃耐性弱体

 習得スキル ???


ヒノキも自分のステータスをマジマジと見ながら唸った。

思った以上の初期レベルな上に、謎な表示ばかり…………はっきり言って


「よ、よく解らない!!・・」


大地とまったく同じ台詞を言うはめになった。


「さあ、皆~~なんの勇者だったかなぁ?

 レベルの後に○○の勇者って表示されてたでしょ?

 それが召喚された者にのみ与えられる個人専用固有スキルなの、これはいわゆる勇者のみしか保持できない特別な能力でね。

 戦闘を経験していけばいくほど連理の木の如く枝分れして、そこから分岐スキル、奥儀、秘奥義に進化するから、ガンバってレベル上げしてね?」


 ニコッと随時補足するレッダ、へー、ほぉ~と素直に生徒達が頷く。


「因みにこれが私のステータス値、ブロック解除・開示オープン」


ブンと突然音が響き、レッダの傍に開示されたステータスパネルが生徒達にも見えるサイズに拡大、反転する。


 レッダ・ボイコット 98歳 レベル234

 閃光の勇者

 HP27899/27899 成長☆☆☆☆☆☆☆☆  

 MP37687/37687 成長☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 EXP 279% 

 攻撃力 25973

 防御力 25698

 回避力 53492

 耐久力 28993

 特攻 カンスト

 補足 物理攻撃拡大有効/魔法攻撃耐拡大有効

 習得スキル 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否

 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否 

 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否

 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否

 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否 開示拒否


 生徒達全員が驚いた。


「まあ~~これで大体解ったかな?それでさぁ?


ここからが本題なんだけど……


 自分以外の勇者を殺すとね、不思議な事に()()()()なら習得スキルを略奪できるんだぁ。

 本当はある程度スキルが育ってから狩るのがいいってルフ君言ってたけど、私~~待つの苦手なんだよね~~

 だから、あなた達が召喚されるの兵士(ザコ)を殺しながら待ってたんだよ?

この世界に着てくれてありがとうね。


 ああそれと、私の取得スキルが開示拒否なのは乙女の秘密?」


 レッダが人差し指を内緒と唇にあてウィンクした。


 

 次第に事の成り行きに気づき始めたヒノキ達………



「じゃあ、状況も理解してくれたみたいだし狩りの時間といこうか?」


 シュン!!!


 どこからともなく取り出した大剣を片手にレッダが宣告する。



「さあ、始めよっかーーーー勇者狩りの時間だよ」

挿絵(By みてみん)

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