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六名の守護者 episode plot  作者: マジキチスマイル
backstory
15/17

第十五話 読み合い


外出から戻ったその日の夜。


バステは、昼頃のアレが頭から離れず、悶々としていた。

何故そんな突然、あのような事を自分にされたのか全く理由が分からなかったからだ。


そもそもの話、スラドは既婚者である。

何故バステは、そんな既に相手の居る男性が、自分に対して愛情の様な何かを求めてくるのかが全く不思議でしょうがなかった。


だが同時、悪い気がしなかったのも事実である。

何でだろう、とてもスリカに対しての罪悪感を感じていた。

まぁ、当然と言えば当然なのかもしれない。

子供を設けている男性女性のカップに、故意では無いとは言え横入りで割り込んでしまったのだから。

この事については、何処かのタイミングでスリカさんに話してしまおうかと思っていた。


良し、そうしよう。

良くないもの、こんなこと。

それ以前に、幾ら私の認める男性像の方とはいえ、既婚の時点で論外ですから。

だったら、今部屋を出ているだろうスリカさんは話をするに都合が良い。

そうだ、ちゃんと話してしまわないと。


がたり。


バステ「さぁ、ちゃんと言わないと。」


スラド「何を言うつもりなんだい。」


がしっ。

後ろから急に肩を掴まれて裏側へと向かされたバステはあまりの突然さにひっ!?と吃驚していた。


目の前にいたのはスラド。

自分が今会いたくない人物であった。

頭がまだ纏まり切っていないが、肩に置かれた手を払い、直ぐ様距離を空ける。


バステ「は、はい?別に貴方には関係無いことだと思うのですが。」


スラド「いやいや、それならこうも嫌がらなくたって良いんじゃないかな。もしかして昼の事、根に持ってたりする?」


バステ「ばっ、馬鹿言わないで下さい。あれぐらい、何とも思ってませんから、私。」


スラド「え?別になんともどうとも思わないのが普通なんじゃないのかな、本当に気にしてすらいないならさ。」


バステ「...っ!う、うるさいですね一々。そう考えているかどうかは人次第ですから。私は貴方ではないので!」


そう言って流れで逃げようとする。

だが、少し走り始めた瞬間に、いつの間にか右手を掴まれてしまっていた。

気付かないほど静かな踏み込みであった。


何故だかハラハラしている心と頭に理性が納得せず、勢いで掴む手を振り払おうとするが、今度は左手まで掴まれてしまった。


え、と思ったのも束の間。

そのまま横に延びている人気がない通路にバステを連れ出すと、手を離した。


スラド「...............うん、此処なら静かに話ができそうだ。それじゃ、少し聞かせてくれないかな?バステさんが誰かにしゃべる予定だった話を。」


バステ「.........さ、先程から不愉快なので何を話すつもりだったか忘れてしまいました。残念ながら諦めて貰っても良いですか、良いですよね。では。」


ぱしっ。


スラド「ちょ、ちょっとそれは可笑しいと思うけどな、誰だって不思議に思うけどね。」


バステ「~~~ッ、さっきから馴れ馴れしいわ!私は普段から人に体を触らせる習慣は有りませんので、あしらかず。」


流石に普通の方で苛ついてきたのか、口調が若干乱れはじめて来ているバステ。

それには敢えて言葉を飛ばさず流し、再び言葉を掛ける。


スラド「まぁまぁ、そんなに嫌がらないでも良いでしょう。どうしたんですか?今日は。」


バステ「......あ、貴方には関係あ、有りませんから。本当ですからね。」


スラド「うん、そうだと信じる。だから、話してくれても問題なんて無いんじゃないのかなって。」


バステ「そ、そうはなりません!一応話の内容がプライベートな事だったりするかも知れないでしょう?男の貴方には話しても無駄なだけです。」


スラド「うん、成る程。[男]の僕には確かに関係無いのかもね。」


バステ「...何やら含みが有るようですが、何か?」


スラド「確かに、見方によってはそうとも言える内容なのかも知れないね。けど、[男]ではなく[関係者]だったり他の何かで僕と連結する内容であったら、少し気になるからさ。」


バステ「へぇっ!?あ、え、ぇ。」


スラド「もしかしたらバステさんが知らなくても、その話の相手が僕を知っていたり、或いは僕が知っていたりするかもしれないから、どうかな?此処は一つ、教えてくれないか?」


上手くはぐらかそうとしたが、話の相手が転換が巧く、元の流れに変えられてしまった。

だが、此処でバステも閃く。


バステ「......じゃ、じゃあ私にも一つ気になることが有ります。」


スラド「ん?どうぞ。」


バステ「気のせいかもしれないんですけど、私に対しての口調、というか一人称が、私では無くなっていませんか?普段はそこらの人間に僕なんて言わないと思うんですが。」


スラド「...う、うん、確かに。」


バステ「それは何故?教えていただいても?」


スラド「え、ま、まぁ、駄目...ではないけど。う、うーん、どうしたものか。」


バステ「ほら!言いたくないでしょ!私だって言いたくないので、これで相殺と言うことで。 」


スラド「いやいやいや!それは待って!」


流石にこの切り返しは想定していなかったのか、少し乱れてしまったスラド。

好機。


バステ「待ちません。ではまた。明日の朝来ますので。」


全力で走り始める。


顔に当たる風は何だか清々しかった。


くっ。

何だか思っても見なかったな。

私が知らぬ内に、無意識でバステさんとの口調が僕になっていたなんて。

これは、やっぱり昼の出来事が原因なのか。

それに、バステさんが喋ろうとしている相手、それと内容には、何だか危険な感じがしたんだ。

止めなければ。


有る夜のやり取りであった。



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