第九話 基礎作り
大体ですが、ミウラは二才、スズキは0才、ナガサワは未誕生です。
バステを間に挟み、ラニャはナーギャやスリカと仲良く喋っていた。
それは、今までの彼女等にはない経験であったために、とても新鮮な事であった。
ラニャ「あの、皆さんはどういったきっかけでお子さんがお腹にいる事を知りましたか?実は私、お腹が大きくなっているなって思って、村のおば様に診てもらって身籠って居たことを知ったんです。」
ナーギャ「へぇー!私とは全然違いますね。寧ろ私は、危険日にかなりその、激しかったので、多分そうかな?と思ってそれから1ヶ月後に先生に診てもらったら出来ているのが分かったんです。その時はこう、嬉しいとかではなくて。」
ラニャ「そうなんですか?でも、嬉しくないって言うのはまたなんで?」
ナーギャ「いや、あまり言いたくはないんですけど、実はこのお腹の子は、望んで出来た子では無かったんですよ。なのでどうしても頭が追い付かなくて。」
ラニャ「......あまり良い旦那さんでは無かったのですか?...でも、ちゃんと育ててあげるんですね!」
ナーギャ「勿論です!望む望まないは関係有りません。産まれてきてからその子は生きてるんじゃないんです。お腹にいる時点でもうその子は人生を歩んでいるんですから。私がどうこうする問題ではありません。」
スラド「素敵な考えを持っているんですね、ナーギャさんは。ですが私達の場合は、出来たことには喜んだんですけど、如何せん金銭的な問題が有りましてねぇ。」
スリカ「もう、スラド?別にそんな壁が有ってもなくても、金銭に問題が来る日が有ったのではなくて?それならば別に大した違いじゃありません!」
スラド「なっ。何でそんな事を知っているんだいスリカ?!.........あぁ、そっか、年数契約で働いているのを付き合った初日に伝えたのは僕だったね、あはは。」
スリカ「あはは、じゃないですから!もう。」
あはははははははは!
ふふ、良いじゃないですか、どっちでも。
えぇ?そうですか?私は気になります!
まぁ、ラニャさんとスリカじゃ人間が違うんだと思うよ。
何ですか?悪口ですか?今のタイミングに。
ち、違うってば!僕はそんなつもりで言ったんじゃ...!
虐めないであげて、スリカさん。なんだか可哀想。
え、そ、そうですか?普段からこんな感じなんですけどね。
助かったよ、ラニャさん。
いいえ。だってこっちまで笑いそうになるんですもの、止めて頂かないと。
うっそ!?思ったよりもラニャさんって穏やかじゃないこと考えてるんですねぇ!
ナーギャさんは今のやり取りをどう感じたんだい!?私には辛いよ、この場は。
そんな楽しげな会話が、この日の夜を閉じた。
☆
バステ「皆さんーーー!!起きて下さい。もう朝の日が出ています。これから説明しなきゃならないこともあるので、今日から全員で行動していきますからね。」
そんな、目覚ましの声を挙げるバステのお陰で、時間で言うと8時位の時刻、部屋で眠っていた者達は起こされた。
説明はあまりしないが、あまりに仲良くなったので一緒の部屋で喋っていたいという要望が挙がってしまい、それにバステとスラドは反対したのだが、女性陣の鋭い目線に耐えられず、思わず許可を出してしまった。
よって現在、ベッドが一つ、テーブルが一つと椅子が二つの部屋に四人の人間が眠る状況であった。
尚、スラドは落ち着くことが出来ず結局部屋の外に離脱し部屋の壁にもたれ掛かりながら寝た。
そのせいで風邪を引いた。
可哀想である。
ラニャ「さぁ、皆さん起きましょう。
...そういえばお腹が空きましたし、食事も取りたいですね。」
ナーギャ「うーん、確かに。何か食べ物とか無いんですかね?」
スリカ「ふわぁ、はぁふっ、眠い。
......あれ!?スラドはぁ!?」
バステ「.........ッつ!あの~!!スラドさんは部屋外で寝てますけど!食事も今からしますので、黙って!付いてきてください!何なんですかもう、女学生じゃないんだから。」
「「「はーい!」」」
スラド「はっ、へっ、くしゃあっ!あぁぁぁぁぁ!!なんで私は風邪を引いているんだ!良く解らないが、腹が立ってきたぞ。」
バステ「.........スラドさん、同情します。」
そんな元気な朝の始まりであった。
わーわー言いながら部屋を出てくる三人は、改めて目新しさを感じる空間であることに少し感動していた。
人が横に4人は並べるような広さの通路。
綺麗に整えられた木製の床、壁。
そして上を見上げれば開放感を感じる程の高さがあった。
目線を奥に定めれば、鎧を着た人が何人も建物内を歩いている。
そして何処からか食事の準備をしているらしい音も響いてくる。
何故だかとてもワクワクとした気持ちで一杯であった。
ラニャ、ナーギャ、スリカの三人とも、年齢はバステと然程変わらない。
大体24位であろうか。
だが大きく違うこととして、同年代の者達と集団生活をしたことがない事が挙げられた。
まだ6才の頃から近しい年齢の者と生活をしていたバステには、この三人のはしゃぎ様が小さな子供を見ているようで段々腹が立ってきていた。
だがこれでも自分とは違って母であることに、妙な屈辱、敗北感を感じていた。
だがそんなのは置いておく。
バステは、スラドも合わせてこの四人に伝えなくてはならない事を教えることにした。
がやがやがやがやがや。
バステ「うるさいです!お母様方!!」
ラニャ「え?あ、すみません。その、なんだかはしゃいでしまいました。」
ナーギャ「ごめんなさい。」
スリカ「みっともない姿を晒してしまいました!すみません!」
スラド「あらあら、やっぱりこうなるのか。私の勘はどうにも当たったみたいだ。」
スリカ「何ですって?」
スラド「あ、いや!な、なんでもないよ!」
バステ「.........良し。先ずは皆さんの中でお子さんが居る方ですが、基本的には別の部屋に集まってそれぞれで生活してもらいます。」
突然のその言葉にえ、という感じであった。
子供から離れるとはどういうことだ、と。
だがそれについて聞こうとしたらバステは手を翳してそれを制止させ、続きを語った。
バステ「理由ですが、3つあります。」
スラド「ふむ、3つ、か。なんとなく解るぞ。」
バステ「一つ、育成!1日中べたべたと引っ付かないでください!普通の村や街の子ならばあまり関係はありませんが、此処は学校!本来ならば国内での平均的な育成が行われた子の入学する場に、他の場所での育成は通用しません!」
バステ「二つ!負担!只でさえ貴方達だけで生活出切るだけの状況にしなければいけないというのに、共同で子供の面倒なんてとても見れません!そもそも、子供を育てるための場所になるであろう家なども、今貴方達には一切ないのですから!」
スラド「うんうん。」
バステ「最後!三つ!面倒!貴方達三人を何時までも見ていられるほど私は暇でもなければ世話好きでもないのです!私には私なりに騎士としての仕事が毎日有りますので、そちらに回す時間の方が多くなってしまいます!そんな中で貴方等に構うタイミングは少ないんです!」
「「「ぐっ。」」」
スリカ「な、なななんですか?!さっきから聞いてれば、まるで子供扱いじゃないですか!ちょっと失礼じゃないですか?!」
バステ「うるさい!うるさいうるさいうるさーい!実際子供みたいなものでしょう?書類作成欄、文字が書けた人は何人いますか?答えは零でした。私が学校の座学教師ならば半殺しです!寧ろ、そんな頭で良く此処まで辿り着けたなと言う感じです!」
ラニャ「......確かに、村や街の人は教育を受けずに育っている人が大半ですよね。」
ナーギャ「何も言い返せないですね。」
スリカ「んーーーんぅもうっ!字くらい書けるようにしておけば良かったわ。」
バステ「と!いうわけで!皆さんは職探しをしなくてはなりません!ですが最低条件として国の人間のレベル程の学がなければなりませんから、私が直々に勉強を教えます。これも、皆さんを心配しているからです。」
スラド「何か色々とすみません。」
バステ「いえ。それと、スラドさんは皆さんと違って確り字も書けましたし、一人で書類も纏められました。先ずは目標1!自分で書類を書けるようになること!以上!因みに、ちゃんとした住民証書は私が既に作りましたから心配は要らないです。皆さんは安心して私とスラドさんから文字の書きを教わりましょう。」
ラニャ「何か、何か嫌よ。助けてライガァ!貴方は文字が書けましたけど私は書けませんよ!?」
ナーギャ「駄目、私の回りに文字が書ける人は居なかったわ、終わりよ!」
スリカ「スラドォォォ!!私には優しくしてね?ね?」
スラド「あぁ、勿論君の事を心配しているよ。だからこそ厳しく教えてあげよう。」
きゃぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!?
そんな、女性の悲鳴が挙がった。
それと、ちゃんと1日の朝、昼、夜で子供に問題は無いという事で三人は安堵した。
キャラが崩壊してるんじゃないですから(真面目に)
テンションが高いだけです。




