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六名の守護者 episode plot  作者: マジキチスマイル
futurestory
1/17

プロローグ

今回から書き始めます。

あんまり前書きとか後書きは書きません。


「---おい、今日のクエストはこれか?」


回りが湖で囲まれたちっぽけな一軒の家から、そんな言葉が聞こえる。

先程の言葉を発したのは、全体を短く伸ばしている黒髪の少年、

[スズキ]。


[うん、どうにもそうらしいよ。にしても、今までにない難易度だけど、これ、勝てるのかな?]


自信無さげな発言をしているこの目元まで髪の掛かっている暗そうな少年は[ナガサワ]。


「まぁ、どうにかなるだろ。逆にこれで負けたらヤバイのは俺たちじゃなくて人類だし、越えなきゃなんねぇ壁だ。」


少し暗い雰囲気にした長澤の発言を吹き飛ばすかのように言葉を入れたボサボサの髪の少年は、[ミウラ]。


ガタガタガタガタ。


「まぁまぁ、楽しくやろうよ!いざってときは俺に乗って走り逃げればいいんだしさ!」


そんな呑気なことを口にする人間とは到底欠け離れた存在のこれは、戦車型の魔物[タテノ]。


「君達、少しは戦う相手の事を知ろうとしないのか?まぁ、僕の能力で対象の情報詳細なんて一瞬だけどね。」


そんな自信満々の言葉を発しているのは、眼鏡を掛けた少年、[マツバラ]。


どしんっ、どしんっ、どしんっ。


「まぁまぁ、皆さん落ち着いてやろうっすよ。案外大したこと無いかも知んないっすし。」


異様な規模の足音を立てながら集まって居た一行へと近付いてきた巨人は、[ダンジョン]。


この物達は、力なくただ倒されるのみの人類に授けられたギフト券とも呼べる存在であった。

到底魔物なんぞ手に負うことなど出来ない人々を危険な魔物から守る役割を担わされたこの四人と一台と一巨人は、たった六名で1億近い全人類を守り抜いている守護者であった。


別に当人たちはそこまでのやる気なんて無いのだが、やらなくてはいけないっぽいのでやっている状況である。

そう、やんなきゃ人類が危機に瀕するのだ、やるしかない。

それに、力の有るものが弱者を守るのは当然の事だろう。

だったらもうやるしかない、という事で絶賛人々守り中。

大体毎日依頼便の願状が来るので、ローテーションを組み日々面倒事を片付けている。

今日の担当は月の日なので、スズキとナガサワだ。

......と行きたいが、今回の依頼はどうにも異様だ。

今までのちょっとした魔物退治とは明らかに違った雰囲気の滲み出ているクエストである。

文章はこうだ。


『自分達の力で倒せず本当に申し訳ありません。

実は此処最近、私達の居る町のすぐ横に歩い廃鉱の中から3日に一度のペースで真っ黒の鎧を着込んだ[何か]が顔を出すのです。

探索部隊として組ませた10人部隊は、誰一人帰ってくることは有りませんでした。

これは恐らく我々のような者には手に負えぬ存在だと思います、どうか、お手伝い頂けませんか?

お礼に油100Lと米4Kg、それと干し肉が1Kgに漬け野菜が500g程です。

お願いします、どうか、どうか。』


毎日依頼が来るが、その度に幾らかのお礼は出る。

が、流石にここまでの礼品の量は相当な気持ちである筈だ。

この六名の住みかとしている大きな家は、人類を囲むように作られたとても大きな高さ100M近い岩砦の内側のど真ん中、人類生存エリアの中心にある湖の真ん中に作られている。

しょっちゅう各方向から送られてくる情勢報告で全体の魔物の危険性がどれ程なのか普段から把握しているのだが、どうにも今回は可笑しい。


一体何があると言うのだろうか、気合いが嫌でも入る。

さて、という事で今回は特別に......


「「全員で行くか。」」


こうなった。

そして今から数日後に改めて事前準備をしていざ向かってみた。

...............

............

.........

......

...

..

.



数の暴力であった。

それはもう本当に見ているだけで可哀想になってくるほどの光景であった。


まず、仕掛けてきた敵に高速で背後を取ったスズキのスキル[連打]を決め体制を崩したところに、


ずしゃり。


そんな音を経てるような斬撃をミウラが敵の首元に入れ込み、


ばごぉぉぉんっ。


そんな擬音が聞こえそうな魔力の砲撃、スキル[拡散大砲]をタテノが撃ち込んで、


じゅばぁぉぁぁっ。


まるで鉄が焼け溶かされるような音を上げるスキル[黒炎]でナガサワが対象を燃やし、

最後に。


「行くっすよーーー!!」


そんな気の抜けそうな掛け声を上げながら走って勢いを付けてきたダンジョンが、


-----ばぎゃぁぁぁぁんっ!


まるで建築物が崩落したかの様な音と共に大剣でダンジョンが鎧の魔物の胴体をたったの一撃で.........。


ナガサワ「何だよそれは!?僕達要らなかったんじゃないのか?あ!?」


スズキ「てめぇダンジョン、俺達スキル使ってんのにお前だけ生身でスキルみたいな威力なの、本当どうにかしてくれ。」


ダンジョン「え?倒せたから良いじゃないっすかぁ、もー。」


ミウラ「馬鹿野郎、これじゃ俺の面目丸潰れじゃねぇかよ......。同じ剣使いで此処までの差を見せ付けられてよぉ。」


マツバラ「流石に酷いな、これは。せっかく僕が先手で使ったスキルで見つけた弱点部位の位置情報が、一切の効果を発揮してないなんてね。」


そう、実は先手を仕掛けてマツバラのスキル[観察]とスキル2[解析]によって相手の思考と出方を既に知ることができていたのだが、もうそんなもの必要ないじゃないかという一撃を披露してくれたダンジョンのお陰で、オマケでマツバラの面目も丸潰れであった。

だが、この魔物との戦いは、実はこれが初めてではない。

本当はこれと似たタイプの魔物と過去に一度戦闘を行っているのだが、毎日押し寄せる依頼のせいでその事などすっかり忘れているのだ。

まぁ、覚えているからといってどうというわけでもないのだが。


ミウラ「......ま、帰ろうぜ。今日は干し肉祭りだ。」


ナガサワ「うげぇ、固くて嫌いなんだけどなぁ、あれ。まぁしょうがないかぁ。」


ダンジョン「え、固いっすかね?自分は少し歯ごたえがあって大好物っすけど。」


スズキ「じゃあてめぇが半分喰ってろダンジョン、割りとアレの在庫消化すんのに時間かかるしよ。」


ダンジョン「え!?いいんすか!?やったぁぁぁ!」


タテノ「俺には影響なくて本当助かるな~!だって俺動力源油だもん。1日10Lで動く神の燃費!感謝してくれよな~。」


ミウラ「だな。帰りは舘野の背部ホールの中で一切歩かず帰ってるからな。」


さて、これは本来よりも大分後のお話なのだが、先に伝えておいても問題はないだろう。


はぁ、こうして俺達が依頼を請けるようになったのも、やっぱりアレが原因なんだろうなぁ。

確かあれは、今から結構前の............



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