鬼の休暇1/2
はじめまして 松取の嫗と申します
初投稿となります
拙い文章ですが読んでいただければ幸いです
私は鬼である。名は『赤彦』。
名のとおりの赤鬼だ。
本来、鬼の名に色つけることは無いのだが最初に生まれた赤鬼として色の名を閻魔大王より頂いている。
大王の下で地獄の獄卒として長いこと働いてきたが、大王からこの度休暇を頂いた。
獄卒に休暇など得られるのかと思うかもしれないが、もちろん最近までそんなことはなったのだ。獄卒はいくらいても足りないからだ。
獄卒とは現世で罪を得た者たちを苦しめ痛めつけ罰を与えるもの達だ。
罪の大小はそれぞれとはいえ、現世で罪を1つも得ていない者などほとんどいない。
つまり人が死ねばそれと同じ数だけ地獄に来るのだ。
日本の医療技術は高いし、そのおかげで寿命が延びたとはいえそれは伸ばしているだけでいずれはあの世へと送られる。地獄へと送られてくる人が止む事など無い。
なので獄卒たちはい年中働きづめであるし休憩などほとんど取ることもできない、現世で言ういわばブラック企業というやつだろう。
しかし地獄の獄卒たちも最近の世の流れだろうか自分達が働きづめであることに不満を覚え初めたのだ。働きづめであることが当然であったのでこれまで誰も不満を覚えていなかったのだが現世で労働環境についての問題が注目されるにつれて地獄内でも話題になり始めた。
そしてついに地獄の鬼達によるストライキが発生してしまった。
大王もどうする事もできず、1年に数日休暇をとることができる権利を与えたのだ。
まぁしかし私は別に休みたいとも思わないしむしろ自分の仕事に誇りを持っているので休むつもりは無かったのだが、なんでも古株の私が休んでいないのに休むのは気が引けるという理由で強引に、休暇をとらされたのだが・・・
(急に休めといわれてもなぁ・・・暇だ)
これまで休みというものを考えもしなかった私にとっては正直することも無く言ってしまえば暇であった。
(ふーむ。そうだな久々に現世へといってみるのも良いかもしれないな。はて何百年ぶりになるかな?)
ふと思いついた私は、現世へと赴いてみることにした。
現世へと行くことは問題を起こさなければ禁じられていないし、最近の現世の発展を
他の鬼たちから聞くことがあるが目を見張るものがあるらしい。
(では早速行ってみるか)
そうして私は現世へと昇って行った。
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