非日常 3. 異常
戦いとか入れようと思ってたけど先になるな(遠い目)
学校に侵入した俺達だが…
「妙だな。静か過ぎる。」
「そりゃ、生徒達がいないから当たり前じゃない?」
「そうじゃなくて、教師達が後片づけしたり話してたりしてるはずだろう? だけど、何も聞こえない。」
耳を澄まして聞いてみてもやはり何も聞こえない。どういうことだ?
どこで事件が起きたのかわからないから池の近くの入り口から入ってきたため、事件現場に近いとは限らない。…つまり、距離がありすぎるのか?
「とりあえず移動しよう。現場を探しに行く。」
探し回るということは教師達と鉢合わせになる場合もあり、できる限り迅速かつ的確に動かなくてはいけない。さて、どのように移動するべきか?
無難に手当たり次第に近い所から順番に探していくべきか?
それとも――――
「………こっち。」
「? 雅何か言ったか?」
「僕は何も言ってないけど?」
「…………こっち。」
腕を何かに強く引っ張られる感覚がするが、腕にはついていない。そして何より誰かが俺を呼んでいる?
どのみち手段は何もないんだ。この呼びかけに答えてみるか…
「雅。こっちに行ってみよう。」
「そっちにあるの?」
「わからない。でも、俺のゴーストがそう囁くからさ。」
雅がわけもわからないって顔をしている。ああ。俺だってわからない。でも、この呼びかけに従えば真実にたどり着けるような感じがする。だから俺はこの声に従ってみよう。
謎の声に従って歩いて行ったらある教室の前に着いた。
どう見ても俺のクラスの教室じゃないか…
「忘れ物でもしたのかい?」
呆れたような声でそう言われると俺も謎の声に従ったのが間違いだったのではないかと思い始めた。
だが、どのみち総当たりで調べていくしか手段がない。なら、最初に調べるのが自分の教室だろうと問題ないだろう。
俺はドアに手をかけていつもやるように引いた。
ドアの向こうはいつも通りの教室。今日も昨日もそして明日も変わらないであろう教室。
…そう思っていた。でも、現実は残酷で非情であった。
教室の様々な場所が真っ赤に染まっている。教室の空気が荒んでいて重苦しく感じる。
あれ? 俺の教室っていつもこんな感じだったけ?
違う! 俺の知っている教室じゃない!
隣の雅を見ると必死に口を手で押さえている。目の前の惨状はそれほどまでに酷い。
謎の赤い液体が教室の様々な場所に付着している。教室の中央よりやや後ろ…俺の席付近には大量の赤い液体と動かない物体がいくつか落ちてる。なんなんだよあれ…? ここからでははっきり見えないが、その大きさや形で予想はできる。
あれは…人間か? 見るも無残な姿ではあるが人間に見えなくもない。
大きな塊が一つ。真っ黒に焦げているようで形しかわからないが人間みたいな形をしている。
その近くの場所には小さな物体が赤い水たまりの上に散らばっていてこちらも人間のような形をしているものが多い。
また別の所には大量の水たまりの上に服だけが落ちている。
どうなっているんだこれは?
事件を解決するって言ったじゃないか。
何焦っているんだよ。何恐れているんだよ。
このくらいの出来事を予想してなかったのか。
冷静になれよ。…そうだ、冷静になれ。
俺は冷静になろうと自問自答をする。
そもそも何で俺はこんな事をしているのだろうか?
それは―――日常のために。
…なんで俺は日常を求めるんだ? …日常なんて退屈でつまらないのに。
どうしてそこまでして守る必要があるんだ?
どうしてだ? 何故?
わからないわからないわからナイワカらなイわかラナいワカラナイ!
本当に俺は何がしたいんだ。日常を守るとか…事件を解決するとか…どうして俺はそんなことをしようと思ったんだ。事件を解決することが日常と何の関係がある。本当に日常を守りたいなら事件なんてほっといていつも通り過ごすべきなんだ。自分の矛盾には気づいてたはずだ。なのに何で俺はこんなことしてるんだ。…それは、俺がやらなくてはいけないから? どうして俺がやらなきゃいけないんだ?
「あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
これ以上考えてはだめだ。だってそれは――――
そして俺は俺の中で何かが崩れたかのように意識が落ちた。




