これが俺の道
う~ん。偶に布石を回収し忘れる…
一章終わったら後で全体を見直します。
そんなことよりお気に入りが二件になった。やったぜ!
部屋に戻ったのはいいが、胸のもやもやは消えなかった。
これは一体何なんだよ。
思い出さなければならない気がして思い出そうとするが、やはり思い出せない。
「あ~やめだやめ。きっと疲れてるんだ。寝るか。」
ベッドに横になるが考えることはこの違和感の事だけ。
全然寝れやしない。
これじゃあ、横になった意味がないな。
その後もいろいろと考えたが結局めぼしいものは何も思いつかなかった。
考えに考えて何も思い浮かばず、眠くなってきたその時ぱさりと何かが床に落ちる音が聞こえた。
部屋の窓は開けておらず、玄関のドアもちゃんと閉めたため風によって落ちたわけではない。
なのに何かが落ちる音がしたのだ。俺の意識は自然と音のした方に向けられた。
「なんだこれ?」
そこには、見たことのないものがあった。
「マフラー?」
どうしてこんなものが俺の部屋にあるんだ。近づいて手に取って、よく見てみると手編みで作られていることがわかる。
俺はこんな物作った事ないぞ。なら一体このマフラーは……
『…実は、私からもプレゼントがあるんだけど受け取ってくれるかな?』
『これ、手編みなんですけど…よかったら使って下さい。』
脳内に知らない風景が映りだす。
「くっ、なんだこれ。」
俺の知らない記憶が次々と蘇ってくる。
『………か、翔君。さ、…さよ…な…ら。』
俯きながらもいつも帰りに挨拶をしていた彼女。
『か、翔君。き、今日は一緒に帰らない?』
少し恥ずかしそうにしながらも俺に声をかけてきた彼女。
『そ、そうですか。う、うれしいです。』
満面の笑みを浮かべながら一緒に歩いた彼女。
『よ゛か゛った、…ほ ん゛とうによ゛か゛っ た。』
涙を流しながら俺を心配してくれた彼女。
『……………さよなら、翔君。』
そして、最後の憂いを帯びた声で言われたあの言葉。
「さよならじゃねぇよ。また明日って俺は言ったよな?」
ふざけるなよ。今日学校で会わなかったじゃないか。
彼女の笑顔を見ていたいと思った。彼女に涙は似合わないからずっと笑顔にしてやりたいと思った。
俺の隣の席の彼女。彼女の名は―――
「なぁ、そうだろ? 雪那さん。」
俺は彼女のすべてを思い出した。
あの夢の選択肢はこういうことだったのか。
何が、何にも不自由をしなく今まで通り安穏とした日常を送れる天下太平の道だ。
今日過ごした日常が不自由ない? 安穏? だと。
確かにそれらは大切な物なのかもしれない。だが、今の俺にとって真に大切なものはそんなものじゃない。今日という日常を過ごしても物足りなかった。何かが足りなかった。
だったら、苦難や困難、挫折や屈辱を味わっても、一筋縄ではいかなくても、全てを失うかもしれなくても、それでもその行く先に俺の欲しい未来があるなら俺はその道を選びたい。
「俺は選ぶ。修羅の道を。」
何かが砕ける音が聞こえた。
それは、日常という名の鎖。
ただ、平然と過ごす楽しい日々。
そんな日々を捨ててでも俺にはやりたいことがある。
だから、俺は今から自分のためだけに動く。
誰かのためだとか、見返りが欲しいからとかではなく、ただ俺がそうしたいから。
時々感じた使命感はもうない。
それに、このまま何もせずに部屋で過ごしたら俺は一生後悔する。
だから、
「今、行くよ。」
彼女がどうして自ら名乗り出たのか大体予測がつく。
だけど、俺は決心したんだ。彼女がなんて言おうと俺は一緒にいる。
例えこの道が間違いでも、俺は進む。自分の信じた道だから。
俺はマフラーを首に巻き着け部屋から出た。
選択は大切ですな。




