いつもの日常? 3
後のことを考えずとりあえず連投します。
荷物を部屋に置いてきてさっきの場所に戻ってきたわけだけど…
これは一体……
そこには、涙目で辺りをきょろきょろと見ている雪那さんの姿があった。
「どうしたんだ?」
声をかけた瞬間に目から涙がこぼれ始めた。え、どういうことなんだ…
「なんで、泣くんだよ。」
ちょっと口調が強いか? これじゃ、怒っているみたいに聞こえるかもしれないぞ。
もう少し、優しい口調で言わないと駄目だよな。
「どうして、泣いてるんだ?」
このくらいか? このくらいだろ。それより、本当にどうして泣いているのかわからない。
それに泣いてる人を慰めた事なんてないからどうすればいいかわからないし。
俺、どうすればいいんだ?
俺は何もできずにただ立っていることしかできない。
「ううん。なんでもないよ。」
首を横に振ってそう答える。なんでもないのに泣く事はないだろ…
原因がわからずとも何もできないとわかっていても目の前で泣いているのを見るのは予想以上につらいことだった。
それは、自分は無力であることの証明にしかならないからだ。
「ただ、嬉しかったから。」
嬉しかった? うん?
「嬉しかった?」
「…はい。」
んんん?
「だって、翔君が来てくれたから。」
…わからない。なぜ俺が来ることで嬉し泣きするんだ。
でも、大した理由じゃなくてよかった。
「よくわからないんだけど、とりあえずは泣き止んでくれてよかった。」
「ごめんなさい。恥ずかしい所をみせちゃって…」
「別にかまわんさ。それじゃ行くか。」
ここには居た堪れないため早くここから出たかった。
…だってここ、みんなが住んでる寮だぜ?
様々な目線を向けられながら俺はそそくさと寮から抜け出した。
寮から出たのだが、困ったことが1つある。
それは、今後の予定である。
はっきり言って何をすればいいのかわからない。あまり、外で遊ぶことなかったしな。
どうしようかな…俺は別にやりたいこととかないし。
とりあえず、雪那さんの意見を聞こう。
「雪那さんは何かやりたいことある?」
「私は翔君と一緒に居れれば…って違う違う。私の事より翔君のやりたいことをやりましょう?」
途中からしおらしい態度とのほほんとした口調から、姿勢を正して凛とした態度と口調に変える。
どうしてあたふたと態度と口調を変える必要があるのだろうか…
「雪那さん。自然体で話そう。」
「こ、これが自然体です。」
「今までは違かったよね?」
「…はい。」
雪那さんは叱られた子供のようにおとなしくなった。
やはり、キャラ作りをしていたようだ。
しかし、どうして今更キャラ作りなんてするんだ?
別に全く知らない仲ではないのだから無意味なのに…
「…その、軽蔑しますか?」
そのくらいで軽蔑なんてするわけないだろ。
雪那さんはちょっと考えが行き過ぎな所があるな。
「そんなことで、軽蔑なんてするかよ。」
「そ、そうですか。う、うれしいです。」
笑顔を浮かべて安堵する。その姿を見てやっぱりこっちの方が良いと思う。
それは慣れている姿だからかもしれない。
でも、ちょっぴり頼りなくてちょっぴり反応が変だけど、それでもこっちの方がかわいいと思える自分がいた。
あれ、雪那さんってこんなにかわいかったけ?
驚いている顔も泣いている顔も恥ずかしがっている顔も色々な表情を見てきたからわかった。
雪那さんには笑顔が凄く似合っていることに。
「本当は心機一転するつもりだったんですが、駄目でした。」
頬をかきながら少し落胆しながら言う。
でも、俺が見たいのは――――
「俺は雪那さんがどう思っているかわからないけど、今のままでいいと思うぞ。」
俺は――――――もっと、この子の笑顔を見てみたい。そう思った。




