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新・小説の(多分に独断な)書き方講座(脱皮中)  作者: まめ太
第一章 読んでもらう努力
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第五回 強力な武器”差別化”

 さて、フォロワーの回でも書きましたが、シェア拡大に有効な手段は、競合他社との差別化です。

 同じような作品群の中で、あなたの作品だけの特異点がないかどうかを探してください。

 似たような要素を持つ作品ももちろんあるでしょう。

 けれど、その要素を前面に打ち出している作品がほとんど見当たらないならば、これは儲けものです。

 特異な要素をさらに強力に打ち出すアイデアを捻りましょう。


 以前の講座でも書いたはずです。

 テンプレで始まってもいいけれど、途中からは独自路線に切り替えなければならない、と。

 それがすなわち、フォロワーからの脱出過程なのです。

 いつまでも本家作品の代替えという地位で甘んじてはいないぞ、という意思表明です。

 それをするにはタイミングを測らねばなりませんし、準備も必要です。


 本家との違いを明確にすること。

 読者が不満とする点を掬い上げているという実績。


 この二点が揃って始めて、フォローではない、本命作品として見てください、というメッセージを発することができます。その頃には、不満を解消してもらえた読者は黙っていても付いて来てくれます、ご心配なく。


 これが、双方向の商品戦略、というモノの考え方です。

 大事なのは、自身の作品のどの要素を読者は求めてきたのか、です。

 それを炙り出す方法は、競合作品との相違点を調べること、です。

 テンプレ作品を書いているというなら、相違点というのは恐らくストーリー展開ではないでしょう。

 読者の感想に目を通してみてください、ヒロインの名が頻繁に出るならそのヒロインが特異点である可能性が高い、という事です。


 そしたら、次回更新でヒロインをピンチにしてみたりして、読者の反応を探ってください。

 普段は無言の読者ですら、なんらかのアクションを起こすかも知れません。

 匿名で、ポチするだけで答えられるアンケートレンタルなどもあります、そういうツールも利用してみましょう。

 読者のニーズがなんであるのか、そこにアンテナを張っておくわけです。


 ただし。

 くれぐれも、たった一人の熱烈なファンには引きずられないよう、ご用心。


 貴方自身、その作品を書き始めた当初に立ち戻って思い出してみてください。

 どういう思惑をもって、その作品の概要を決めましたか?

 テンプレートを埋める間にも、標的となる作品の幾つかは頭にあったでしょう?

「あの作品のこの部分はこうした方が面白いと思う!」

 その動機が、果たして今付いている読者の心を掴んだものだったのかを確かめるわけです。

 ピタリと射抜いていたのなら、さらにそこを強化すればいい、ということです。

 これがマーケティングです。



 さて最後に、テンプレ及びフォロワー産業からの脱出までにかかる期間ですが。

 石の上にも三年という言葉がありますが、三年程度で芽が出るなら早い方だと思ってください。

 逆にいうなら、一作、二作のフォロー作品連続生産など、良いも悪いも微々たる影響しかないと。


 差別化の為の努力は、マーケティングの技術を磨くことそのものです。

 小説はもとより、実社会において、仕事の上でも役立つはずです。


 あなたには、読者と向き合うだけのパワーがあるのです。

 読者のニーズを探る、という事は、誰にでも出来ることではないんです。

 根気と忍耐、奉仕の心、サービス精神が必要です。




 それらの欠けた作者は、ニッチを目指すのが精神的に安定するでしょう。(笑


「手に取ってくれた人が、面白いと思ってくれる作品を作りたいんだ!」

 それがスベテで作品を作るなんて、ニッチの作者には不可能です。読者より作者優先。


 フォロワーとニッチャーは真逆の存在です。

 読者のために努力するのがフォロワーであり、作者のためにしか努力しないのがニッチャーです。


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