第三十五回 プロット作成方法
まず、ルーズリーフを大学ノート一冊分ほど用意してください。
そして、作品の構想を練り始めます。
自分でも書いて楽しそうなテーマを考えてください。
主人公をどうしようかとか、絶対書きたいシーンだとか、思いついたアイデアだとか。
書き殴ってください。
整理しようとしてはダメです。思いつくままに、メモしていきます。
後で整理すればいいだけなんで、まずはアイデアを出し切りましょう。
私はプロットなど作らないと豪語してましたが、上記の事なら普段からやっていたんですよ。
トリ頭ですからね、アイデアは即記録しないと消えますから。(笑
最初は取り留めない思いつきの羅列、そこから発展してシーンの記述になったり、決め台詞が浮かんだり、そういうものを順不同に書き留めます。
私の場合はここからは脳味噌がフル回転で廻り始め、勝手に映画再生で起承転結まで出来上がります。
そうなるのは慣れですが、最初は難しいでしょう。
思い付きが沢山溜まったら、チェックしてみましょう。
1.まず考えるべきなのは、この作品で作者としては何を伝えるのかです。メッセージといいます。
アイデアの山を見て、それらを使ってどんなメッセージを発しようか、という点をまず真っ先に決めてください。まずは一つでいいです。
「主人公の成長を、」なんて漠然としたものを持ってくると大変な目に遭います。もっとシンプルに、決め台詞として主人公に言わせるなら? という形で考えてみてください。
「戦争は虚しい、俺達はこんなモノの為に生きてるんじゃない!」でもいいです。散々殺しまくった挙句にそれでも、ぜんぜん構いません。
その台詞が出てくるには、どういう思想を見せようとするかが定まってなければ出てきませんからね。
思想が決まれば動き出します。
2.根幹が決まりました。「戦争反対!」がコレです。主人公や世界がどうであろうが、作者が言いたいことはコレ。
では、その理屈をこねくり回してみてください。幾つかのアイデアはあるはずです。それを一つずつ、理屈に絡めるとどういう現象になるかを考えてメモしてください。バラバラのままで大丈夫です。
主人公はこういうヤツ、というメモがあったら、それに「戦争反対!」を絡めて考えてみます。戦争反対と唱えるまでに性格が変わるよなぁ、という風に考え付いたら、それをメモります。あるいは、戦争反対にならないだろうなぁ、それはこれが原因になるよな、という具合。
あとは芋蔓式に、思いついた事柄をまた延々と書き記していきます。
3.ついでに、メモしていくうちには、取材が必要だなと感じる箇所とかも出てきます。赤ペンで丸でもつけてチェックしておきます。そこは保留。
疑問点とかも出てきます。これもチェックだけして保留。
4.もうそろそろ頭の中にはストーリーの簡略な道筋が出来ているんじゃないですか?
漠然と、起承転結の大まかな形は出来ているでしょう。あとは書き殴ったメモを、一つづつ、どれとどれが組み合わさりそうかと、ペアにしていく作業です。
いきなり全部つなげようとしても無理がありますんで、まずは隣り合いそうなパーツを見つけてくっつけておいてください。
パーツ同士で、こっちが先だろうけど真ん中がないな、という状態も解かってきます。ひとまず保留でもいいですし、適当に新しいパーツをその場で作ってもいい。
5.新しい紙に、今までに決めたことを整理して、清書してみましょう。箇条書きでもいいし、図形でもいい。だからパソ上でなく、紙の上が便利です。
ぜんぶ詰めこまなくていいです。決まった道筋だけでも書いておこう、程度の心構えで。
大まかな起承転結がこれで出来上がっているはずです。突っ込みきれなかったパーツもゴロゴロしてるかも知れませんが。
6.メモ状態、図案状態のうちに、セルフツッコミを入れていきましょう。(笑
全体を俯瞰して見ながらの作業なので、矛盾とか疑問とかも見つけやすいはずです。友達がいるなら、構想を話して疑問点を聞いてみるのもいいですが、Webの相談所などに持っていくのは止めた方がいいですね。おとといきやがれ、の状態で見せるのは酷です。
起承転結、それぞれのパートで20個づつは疑問が見つかるものだそうです。因みに。
この作業の時に、他人の作品のダメ出しをするという訓練が役に立つわけですね。
他人の作品で出したダメ出しを、そっくりそのまま、自身の作品でもチェックしてみるといい。
他の誰かが出したダメ出しも、自身の作品のチェック項目に入れてみるといいんです。
あるいは、こういう書き方指南のエッセイ記事なども。
7.ざっと、あらすじらしきモノが出来上がりましたか? 大きな矛盾さえ見つからなければOKです。
最初に決めた「メッセージ」は、よほどの事がない限り、変更のないように。これは根幹になっているはずなので、ここが変更されるという事は、全体が変更されねばおかしい、つまり大きな穴が開く原因になるからです。
足したり削ったり、肝心なのはまだ書き出さないこと、です。
満足がいけばノートはひとまず閉じます。
次にはカードを用意して、取材および資料集めの開始だそうです。
ここからはまた現在読んでる本を読了後に。




