第三十回 企画作品その後
二十五回で、ピクシブコラボの企画に参加して作品を書いたと言ってましたが、アレの結果を。いや、結果発表はまだなんですけどね、まぁ、やっちまったなーな作品だったんでたぶんダメでしょう。(笑
どうにも私は冒頭が弱点。
続く二十六回の解説でも書いていたのに、カテエラな冒頭で始めてしまったんですよ。焦っていたのもあって。
いや、カテエラというか、勝負に出てみました、な感じ。
なんせ、最初に書いていた作品が決定的な失策でボツになってしまったもんでね。全編書き直し。イラストの、ヒーローの軍服は紺色だったのに、イギリスを舞台にしちゃったらあそこの軍隊カラーは赤ですよ。もうね。
10万文字ほど書いていた分が全部ボツ。それも、資料に当たって書いていたヤツが。
で、締切をひと月切ってしまったんで、もう資料の要らないファンタジーに変更。ここで、うっかりとカテエラな冒頭を組み込んでしまいました。
舞台背景の説明を先にやってしまったんだな。戦争シーンから始めちゃったぃ。(笑
なんせ、世界樹という特殊装置を持つワールドなんでそれの説明をしなくちゃいけなくなった。
で、冒頭戦略の方向を変えて、まずは主人公の印象付けから始めることにしました。これに舞台背景の説明をミックス。
ピクシブで色々と議論していて気付いたことの一つには、冒頭には大きく二種類があると。
一つは先に書いたような、カテゴリを明白にすることを優先した冒頭。
もう一つは、主人公をクローズアップしてそれに世界観を抱き合わせた冒頭。
他の何かの賞で受賞した作品は、冒頭で主人公がその特殊な思考を披露している作品でした。思考が8割、状況説明が2割。状況説明ってのは、クラブがどうの、というヤツ。
これの、なろうでの代表格を上げると、かの「ログホライズン」が上がってくるわけですね。
冒頭部、読み直してみてください。
最初に世界観と共に主人公シロエの性格的な事柄が描かれています。こんなヤツ、ていう。
読者にとって、世界観説明ってのは"つまんない情報"である事のほうが多い記述です。そして主人公描写は、逆に多くの読者が興味を引かれると答える部分の記述です。それを抱き合わせにする、ということです。
では、下記にピクサーのツイッター発言を保管してくれていた某スレから引用。
【2. 書き手として楽しいかどうかではなく、観客としてのあなたから見て何が面白いのかが重要だということを頭に入れておかなくてはなりません。この2つの立場は大きく違います。】
書き手としては楽しめるけど読者には必ずしもそうでないのが、「世界観説明」です。
くどくどと、その世界には何があって、どういうシステムで、というのを喋って楽しいのはそのワールドの持ち主だけですね。だから、情景描写で背景の描写というものをくどくどしくやらかすな、と言うわけです。
なろうに置かれている作品でも、そういう押し付け情報に力を入れている作品は少ないはずです。なろうに書いている方の8割は初めて作品を書いたという程のシロウトさん達ですが、彼等がほとんどそういう描写を書かないということ、その事実が、背景描写というものがいかに魅力がないかを物語っています。
彼らが書くものが、イコールで読者が求めるものです。
すなわち、「会話」「主人公」「ヒロイン」くらいのものが。
そして、この3つが書かれる時には、実際に期待されるものはその先である、という事です。
「主人公がこの先どうなるのか」です。
新しく書きなおした作品は、ここを重点で入れてみました。
「主人公の性質」「主人公のこの先:直近」「主人公のこの先:未来」+「世界観:世界樹という特殊装置」
そんで、企業秘密のスパイス。(笑
……あとはまぁ、結果待ち。
作品発表後、それまでは見受ける事のなかったオレサマヒーロー設定が増えたのは、それなりの収穫。(ニヤリ
あのヒーロー像がかなりキャッチーだった、という事の証左なので手応えは感じています。
問題は、あの冒頭が狙った通りの評価を貰えるかどうか。(ううむ、ダメなら一次落ち確定
結果発表が終わったら、こちらに持ってきて連載します。
もう一個、幻冬舎の方にも冒頭部だけ書いて送ったんだけど、こっちもそのうち持ってこようかなと。(笑
短編で3つほど参加して、3つとも掠りもしなかったんで、まぁ期待するだけね、うん。




