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第二十六回 この作品は何をする小説なのか?

 さっそく書き始めました。


 よく、指南書などで「最初に主人公が何をする物語なのかを見せる」というような事が書かれます。

 ……意味解かるひと、居ます?(苦笑


 指南書を書いている人はもちろん、理解しているんでしょう。

 けれど、たとえば私はまったく意味が解かりませんでしたよ。


 言葉の表面、言っている事は解かりますよ、もちろん。

 けれど、具体的にはどうすりゃいいのか、そこんところが解からない。(笑


 今回、ピクシブの方で開催される企画に参加しようと思いまして、新たな作品を書き始めましたが、これでようやく意味が解かったような感じです。遅すぎですね、ええ。

 ジャンルは「恋愛」、ちょっと変わった企画でして、イラストが先にあるんですわ。

 変わってるもんだから興味を引かれたわけでもありますが。

 で、ストーリー的なもんはほぼ出来てまして、さくさく書き進んではいるんですけどね。

 冒頭を、すでに三度、書き直しています。


 「恋愛」ですよ、読者は「恋愛」を求めているのに、最初に書いた冒頭部分はいきなり「陰謀」から始まっちゃった。こりゃイカン、てんで書き直しました。そしたら今度はまるで引き込まれないじゃないか、と。

 で、今、三度目の正直になったもんだかどうなんだか、自分では判断が付け辛いですが、冒頭を書いています。


 投稿条件として18禁のシーンがあること、っていうのがありましてね。

 これはアレですよ、主催は「ハーレクイン」あたりを狙ってるっていう明示でしょう。

 なもんで、ハーレクインを古本屋で2~3冊ほど買ってきまして、情報分析ですよ。

 で、その時に書いていた冒頭部分が、恋愛モノなのに陰謀から始まっている事のマズさに気付いたんです。


 ジャンルというものを以前に解説しましたね。二十二回でしたかね。

 『VRMMOと銘打ってあるなら、そのシステムやら細かいトコはメタだから解説不要』という事でした。

 これは、もう一つ、重要な意味を含んでいました。

 読者は、VRMMOと書かれてあるのだから、最初からそれを期待している、という事実です。


 VRMMOだと解説がし辛いので、「恋愛」にしますね。今から。


 恋愛ジャンルと銘打たれた作品ですので、読者は当然、恋愛を期待します。

 作者はもちろんそのつもりで書くのですが、これが例えば、冒頭に「陰謀」を匂わせてあったらどうでしょう?

 もちろん、作者はテーマを忘れたわけではありません。恋愛主体で陰謀を絡めようという意図なのでしょう。けれど、読者にはそんなの伝わらないんですよ。恋愛を期待して開いたのに、いきなり陰謀が書かれている……。これが、「最初に主人公が何をする物語なのかを見せる」の本当のところの意味です。


 恋愛ならば、最初に主人公とお相手が登場しなくてはならないわけです。

 恋心、人物の相関図がまず提示されねばならないって事なんです。

 それでいて、読者が興味を引かれる事柄もなくてはならない。


 単純に、ヒロインがヒーローの事を片思いしていますよ、という場面を書いても引き込まれない。

 いかに、ヒロインの想いとヒーローとの関係を匂わせつつ、それを興味深いエピソードに絡めるか、です。


 ちなみに私が読んだ二冊のハーレクイン小説では、両方、プロポーズ前夜から始まっていました。

 その相手が、ヒロインと対になるヒーローです。

 つまり、この二作品の場合は、「ヒロインが紆余曲折あってヒーローと結婚する話」なのです。

 ……私もそのつもりで読み進めていました。そして、その自分を解析して、驚いたわけです。


 なんと、冒頭というのは、こういう事柄を書かねばならないのか、と。

 今まで書いてきた作品ってのは、これが偶然出来ていたに過ぎないようなのが沢山あります。

 ビギナーのうちは、書きたいという思いが強いので軸がブレないってことでしょう。だんだんと小手先の技を覚え、読者を意識し始めると、この軸がブレてきます。

 そうなった時に、「きちんと理解して書いていたわけではない」から、どうしようもない冒頭で始めてしまうという事なんです。


 小手先の技に頼って本来を忘れた作品よりも、荒削りでも本来をそのまま出している作品の方が優れているのは当然です。しかし、小手先を使いこなした上で本来を出した作品がその上をいくのもまた当然なわけです。

 誰も、ビギナーの位置で立ち止まっていることなど出来ないんですから。


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