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新・小説の(多分に独断な)書き方講座(脱皮中)  作者: まめ太
第五章 パーツごとの注意
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第二十一回 冒頭部分の留意点

 さて、ざっと基礎の注意を書き記してみましたが、いかがだったでしょう?

 以前の講座で詳しく書いたことのおさらい、プラスアルファですが。

 で、これからは起承転結それぞれで注意のおさらいをしたいと思います。


 まずは冒頭部分ね。「起」にあたります。


 えー、これもやっぱりメタと濃厚な関係を持つわけですが、最初の数行でもっとも大事な事を書かなきゃいけませんってのは何度も繰り返しで言ってきたことです。


 最初の一文。これによって、読者は読むテンポを調整するものと思ってください。

 ここでちょっと気取った言い回しを使えば、読者はその後も気取った空気で読み始めます。

 純文学はスローテンポになる高尚な言い回しをここに置きます。

 ラノベは逆にアップテンポになる文章で始めるはずです。

 作品の根底に流れる空気はここで決定される事が多いのです。


 で、世界観の説明を初期のうちにしなくてはいけない、という事を以前の講座では書いたと思います。

 しかしながら、ポピュラーな舞台であれば、必ずしも世界観解説は入れねばならないという事もないです。

 よくある魔法世界、剣と魔法とエルフなど、メタとして認知されているような世界が舞台であれば、ほとんど説明の必要はありません。


 最初に、作品をUPする時にジャンルが提示されていますね?

 あれの【ジャンル:ファンタジー】が代わりに世界観説明をしてくれているようなものだからです。

 ファンタジーと銘打たれているものに、時代劇世界とか現代とかを最初から当てはめてくるような読者は居ないってことです。で、真っ白、まったくの先入観無しに作品に向き合ってくれるような玄人な読者はさらに数が少ないです。

 ジャンル:ファンタジーとくれば、多くの読者は「指輪物語」だの「世界名作童話」だののあの中世ヨーロッパの世界をイメージしてから飛び込んでくるってことです。

 だから、それに近しい世界観であるなら、そのままズレた部分だけを後々必要に応じて訂正していけばいいだけのことなのです。


 ですから、例えば砂漠の国が舞台だったりすると、工夫が必要です。

 もっとも有名なのはアラビアンナイトですが、それでも題名ですぐそれと解からせてきます。

 主人公の名前だって、間違えようがなくアラビアンですし。


 ですので、小説のジャンルというのは、そういう役割もあるって事を覚えておいてください。

 コテコテの中世ヨーロピアンな世界でのストーリーであるというならば、大事な冒頭部分に、世界観説明の為の情景描写を導入してくるなんてのは、まったくもってナンセンスなのです。


 また、舞台を中世ヨーロッパ以外に設定する意味を、まずは吟味してみてください。

 必要ですか? その舞台がポピュラーでない理由は重要なものですか?

 そうでないなら、中世ヨーロッパから始めて徐々に違うものに摺り寄せましょう。冒頭が勿体ないです。


 冒頭に持ってくるべき事柄の優先順位は変わります。

 舞台がポピュラーなものなら、順位は下がります。

 主役が普通タイプなら、順位は下がります。

 いきなりエピソードでも書いたほうが、こんな優先順位の低い項目を書き連ねるよりもよほど読者の目を引きます。


 逆に言えば、舞台や登場人物は、一見しては普通のほうが何かと都合がいいという事です。

 インパクトあるエピソードから始まったほうが、だんぜん読者の興味を惹くに決まっているからです。


 インパクトある人物を主役にした方が読者の興味を惹くと思って、アクの強い主役を作るとエライ目に遭います。特に、一人称にすると読者は選ぶわ、思考は普通にならないわ、共感は得にくいわで、マイナスが後からぼろぼろと出てきます。

 難しいもんだから、どこかで読んだどこかのインパクト主人公を引っ張ってくるなんて事になります。


 テンプレ主人公になってしまうわけですよ。

 最初は普通の人のフリをして登場させ、徐々に個性を発揮させればいいんです。

 エピソードの中でインパクトある発言やら思考を小出しで見せればいいわけです。普通の人をベースに。


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