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暗闇の中で
暗い、暗い、闇の中。
聞こえるのは車輪の重々しい金属音。
鞭の乾いた残酷な音。
どこかですすり泣く誰かの声。
聞きたくない。
耳を塞いでも聞こえてくる。
怖い。
足元から這い上がってくる恐怖。
助けて。
差し伸べてくれる手なんて無い。
ここから出して。
重い枷が手足の自由を奪う。
ここには光も届かない。
目の前にあるのは絶望の闇。
外の世界を想い、呼吸を続ける。
それが唯一の生きている証。
いつか・・・・・・きっと、外の世界へ。
「ねえ」
声がした。まっすぐで澄んだ、キレイな声。
見上げると目に映ったのは、琥珀色の髪と、空色の瞳。
「だ・・・・・・れ?」
掠れた小さな私の声に、その瞳は答えた。
「ボク?ボクの名前はね―――――――――――――――」
はじめまして、枢木きぃです(´ω`*)
のんびり書いていこうと思ってます。
よろしくおねがいします(´`*)