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EQ @バランサー  作者: 院田一平
第2章
53/71

Flashback・・

挿絵(By みてみん)





「そんなに自分ばかり責任を感じちゃぁダメよぅ。

ソンはねぇ使命感が強ぃ過ぎなのよぉ クスクスぅ

ねぇソン、約束してぇ。 無理はしないってぇ」


「やらなあかん事なんか、どうでもええやん。

そやけんど、やりたい事には俺らぁ

命 賭けよやぁー なぁソン! ハハハハハあ」



順子との契りとヒンとの誓いが・・


未だに俺を惑わす・・


<順子、俺はまた・・

無理をしているんだろうか・・

使命に拘り過ぎかなぁ・・でもよ、

俺らがやらにゃ誰が

正すよ・・あっ!すま無え・・

またやっちまってっかもなぁ・・

遣りたい事だが、やらにゃならんって・・

ヒンの言う

「やらなあかん事」になっちまってるわ・・

俺さぁ順子、今回の事さぁ・・

チィと嫌な予感がすんだぁ・・もう止めて、

銭で話し付けっかなぁ・・

どう思う?順子・・>



御影の家なら順子も松田のオヤジも遺影から・・

話しかけてくれそうなモノなんだが・・



So wake me up when it’s all over・・

目をつむって独り反省会をしていたのだが、

カオル(ヒン)からの着信音・・


「おい竜司、大丈夫かぁ?博多ぁエラい事になっとる

やんけぇー!そっちの長崎のんが関係しとるんかぁ?」


鬱陶しいスマホを、腕を目いっぱい

伸ばしても聞こえるその声・・


「ああ。大介って支店長を傷つけてしまったんよ・・

さすがに辛えわな・・まだ意識が戻ら無えんだ・・」


「そうか・・あの沖縄に出るぅ言うとった子やなぁ。

頑張り屋さんなんやろうなぁ・・

そやけどしゃーないやんけぇ。済んでもた事やぁ。

んで、何せぇ、今から俺もそっち行くからなぁー

プゥープゥープー」


「いい・・から・・」


<ん?・・くそっ・・もう切ってやがる・・>




結局、連絡が取れないままの北川を含め、

念の為にと、佐久間さんを含めて桜井会長一派の

13人が、それぞれ工場と田中邸に

張り付いてくれている。


俺は甘えてホテルに入り、部屋からメールと

チャットを各所へ飛ばしていた。内容は、


1978年を境に悪化した中越関係時に、

ベトナムを出たボート、ランドピープルのリストの中から、

佐久間さんが手に入れた警察情報の6人の名前を

辿らせる事を中心に、1975年の戦後直後にアメリカ

政府関係者と共に渡米したリスト更に、1980年以降での

合法出国者リストに加えて、反ベトナム共産党

(在米を中心)リストも洗わせた。これらの理由は、

うちらが監視する不良にも多い傾向である事と、

大陸ではなく台湾が上がって来た事からだ。


日本と台湾をターゲットにした連中には

米国発信が通常だからだ。

そして、うちらが掌握できている5000余りの

コミュニティと、仕送りと送金も追わせた。

出来れば、家系と金の流れの両方が判れば、

この森の中に潜む虎にかなり近づける筈だ。


経験上、今回の20人ほどのこのグループは末端に過ぎない。

だが、凡そのそういう中核は把握しているのだが、

もしかすると、この1グループだけなのかもと

期待もしつつ。もしそうなら・・対応は比較的簡単だ。

Việt Kiều(越僑)の強力な中には入れていないという事

なのだから。


しかし・・あの国には完全に隠れ通す虎が存在する。


万が一また・・・・



焦る気持ちはあったが、あとは待つしか無え。


一通りの連絡を済ませ、佐久間さんが張る工場へは

コンビニで買った差し入れを置き、さっきからの

パトカーや消防車のサイレンを気にしながら

桜井会長が居る田中邸へ向かった。

聞いた住所をタクシーに伝えたのだが、

この丘の上だと言う運ちゃんが、



「あらこりゃイカんですばい・・」



前にはパトカーだの救急車で道が塞がっていた。


「降ります!あそこが住所ですね・・」



坂道を駆け上がると嫌な予感がそのままの状況・・



ポツンと建つその家が燃え上がっている・・



1台また1台と救急車が来るが人影が見当たらない。




「会長―! 田中さーん ・・・・」




駆け寄って来た警察官に掴まれながら前には

行かせてもらえない・・



「中は?どうなってんですかー」



「あんたはこの家の人ね?」



「そうだ。どうなったんだぁー」



「今は中は入れんですば、外の人達は

病院に運びましたぁ・・何ごて、

こんな大勢が居たとですか?」


「何人だい?何人どこへ運んだんだー」


「9人です。中央病院と医療センターに

分かれて行きましたぁ」


「生きてるんだな?どうなんだい」


「いや・・3人は息がありましたがぁ・・」


「あとはー あとの6人はぁーー・・」


「はい・・死亡確認は2名です・・

あとは不明ですけん・・」


「畜生おぉーーー ・・・・」


まだ炎から散り吹く火の粉の中、

口惜しさと怒りで只々泣き叫ぶしかない・・


この状況の中での自分の無力さにも苛立ちながら・・





<順子・・俺またやっちまったんかな・・>





体中が、目の前の炎と熱風、それに怒りで

熱くて燃えそうだ。そう・・


あの時の様に・・・・








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