"The Road to Smart Cities"
下野たちの手配で別府へ出る週末になって、難波極東会で
池野に代わり旧システムを刷新し終えたボスが帰って来た。
池野のシノギを保全する詰めとして、今日からはランが
先頭になって公営競技(賭博)予想サイトの会員数を増
やすマーケティングに入っていた。
「ラン、お前さん達は明日もやるのかぃ?」
「いえ。ボスも池野さんもお疲れの様子ですので、
連休にします」
「おう。そうしなよ。俺達は予定通りなら来週の木曜帰り
なんだが、間が合えば鹿児島に寄って2、3日延びるかも
知れねぇ。まあ予定表に打込んどくからよ。後は頼んだ」
伊丹から大分に向かう機内で隣に座った下野が、
「会長、私、よぉーく考えてみたのですが・・」
「おぅ?何をよ」
「会長が仰った大きな声で堂々とっていう・・
今回の活動なのですが・・」
「ああ。んで?」
「何か党名というか、組織名はもうお決まりですか?」
「ううん。決めるも何も、そう言うのは創らねぇよ」
「ええ?・・いや・・普通は政治活動をするなら先ず
そこからじゃないですか?」
「フフゥン。だからそう言う事はしねぇから
要らないだろよぉ」
「はぃ? いや・・ええ?
私は何か勘違いをしてましたか?」
「そんな事、俺に聞かれてもよぉ・・
お前さんが何考えてるか俺らぁ判らねぇだろよぉ」
「いや・・ちょ・・ちょっと待ってくださぃ・・
もう一度だけ、確認してもよろしいですか?」
「ああいいぜぇ」
「えっと・・候補地とおっしゃる意味は
スモールシティーのモデル地、候補者というのはその
地方公共団体に送り込む議員・・
これであっていますよね?」
「おうそうだよ」
「ほッ・・ですよねぇ。それで、
そのモデルが現在は29の候補を計画している。
ですよね?」
「おう」
「はい。それで、最終的な目的がこの国を日本を変える
ということですよね?」
「おん」
「ならぁー!・・つまり・・議員を増やして政治を変え
てってことですよねぇー?」
「ううん。違うなぁ」
「はぁぃ? そこが・・えっ?・・」
「そんなモンで日本国が変えれるモンかぁ?」
「・・いや・・ええぇー?・・いっぱい政党名・・
考えたんですが・・」
「フフゥン。でもな、そんなモンで変えたいのよ・・」
「ええぇー? どっちなんですかぁ・・」
「フフゥン。準備するんだよ。今の制度の中で首長を
多く取って、そいつの町はそいつがら独自に
運営していく。衣食住は勿論、銭も稼ぎながらな。
その町のことを、取敢えずスマートな町って
言ってるだけだ」
「はい。それは分かっているつもりですが・・
あくまで、地公体だけということでしょうか?
国会には出て行かないということでしょうか?」
「ああ。意味が無ぇ事はしねぇよ」
「えっ?意味が無い事じゃ無いでしょう?国に出ないと
国を動かせられませんよ・・
その為の前段としてじゃ無いのですか・・?」
「うちの松田のオヤジがなぁ・・・・」
生前にオヤジ達仲間が集まって、当時、死に体だった
大阪を活性させるのだと、大阪の腐った政治にメスをと
首長を立て、変わり行く大阪ではあったが、
人もまた変わる者だという現実を話し、
ビックシティーの会計には似合った収益が必要であり、
その確保に懸命になったが、何事にも立ちはだかる
国家利権という壁。
打破の為にと国政に出るが・・
壁の向こうに君臨する途轍もない勢力を知り、
赤子である自分たちに気付く。
結果として、合致する処の目的の為に君臨側の掌で
躍らせれる。『地公体住民に幸あれ』という目的の手段
として『権力と金』だけを必要とする側に付いた結果、
街には金が飛び回る様になり、
長く続いた赤字の行政から脱して、
国際的プロジェクトも抱えるようになった。
彼らはそれを強調し、それこそが『幸せ』だと言う
現状に成り下がった。
という、俺らの識見を話した。
「・・つまり、大阪の様な・・いえ。
大きな自治体だったからそうであって・・いや・・
小さいスモールだから・・結局、どちらにしても
支配側には成れないという事ですか・・」
「無理だな。奴らが創り上げた仕組みの中で
成り立ってる世の中だからよ。今は・・な」
「今は・・ですか?」
「そうだ。今はだ」
「仕組みが変わるという事ですか?近い将来に」
「もう変わってるじゃないかよ。まあ手掛けてるって
言った方が正確な言い方かぁ」
「あれですか?グレートリセットって・・」
「なんだぃそりゃ?」
「ええぇー・・」
「冗談だ。あいつぁいつ発表されたか覚えてるかぃ?」
「はい。2021年です。コロナが出たの翌年でしたから」
「フフゥン。あんなモンもそんなモンもあっちが手掛
けた内の1つよ。下野、俺がベトナム人で中国も
ロシアも、まあ勿論UK,USAにも深い事は知ってんべよ」
「はい」
「そんな連中の情報と金融を見てりゃな、
バタバタとした現状が視えるんよ。
外で言やぁ中国にロシアはもうしっかりと
支配構造が変わったって判る。金融市場も株・・
いや、チャート見てりゃ解るのよ」
「はい・・なんとなくですが仰る意味は解かります」
「そうかぃ?なら、準備する意味も解るだろぉ」
「準備・・ですか?・・あぁ!スモールシティーの
ことですね!? でも・・それとこれと・・」
「フフゥン。動こうとする方向へ備えて待つのよ。
俺らじゃ大局は変えられ無ぇ。でもよ、
世の中捨てたモンじゃねぇ。『民の幸せ』ってモノ
に命懸けで取組む連中もいるって判ったんよ。
ならよ、そいつらを信じて
その日が来る前に、俺らは俺らが出来る
備えをするだけだろよ」
「はぁ・・仰ることは分かりますが・・
このスマートシティーがその備えである・・
というか・・正直すみません・・なんか・・
無駄な努力に思えて・・」
「フフゥン。まぁな。お前さん日本には、江戸時代から
『三方良し』っていう精神が有んのは知ってるかぃ?」
「はい!売り手良し買い手良し、世間よし。ですね!」
「おうよ。典型的な協調を意味する精神のことだ。
無ぇんだぜ、他の国にはよ。仲を持つ、辛くてキツイ
立ち位置っていやぁ、お前さんらは解んべよ。
協調ってのそれが出来てこそ成り立つモノだろよ。
違うか?」
「いや・・はい。間違いないですよね」
「この意味を解ってもらえない奴ならここに居ない
わなぁ。下野君よぉ。フフゥン」
「はい。私は人の間に立つのが趣味ですから!」
「プっフフゥン。悪い趣味だな。でも俺もそうよ」
「それで会長、備えと強調とはどんな関係が・・?」
「ああ。そうだな・・北と南、西と東みたいな争い
は思考の争いだと考えててな、それは違うんだ今の
殺し合いは。間違いなく、エリートと大衆のどっちが
勝つかが近年のその動きと視てんだよ。
大衆はエリートに運ばされてた金の流れを、
そんな仕組みを知ってしまったからな」
「はい。ホントムカつきます」
「ムカつくかぁ・・不幸だな。知るって言うのもよ。
知ら無きゃそれなりに幸せなのにな。
だろう?違うか?」
「はぁ・・まぁ・・」
「隠し続けて上へ上へ権力も金も流れる仕組みを
、公にした連中こそが、権力図の書き換えを
図っているんだろうよ。まあそっちもこっちも
大衆を無視できないって事だろ。違うかぃ?」
「はい・・そっち?は、民から金を巻き上げたり、
民という下僕ありきの権力というか・・こっち?
は・・その構造とかを広く知らしめることで、
金の流れを変えたり、
あっ!現状の仕組みでの選挙に優位に立ったりですか」
「フフゥン。まあそんなとこだろうよ。でもよ、
こっち側もよ、ただ単に自分たちが権力図の頂点に
立ちたいだけかも知れねぇぜ。
蓋が開かなぁ
わからへんでぇ~」
「・・なんでチョット関西弁なんすか・・」
「争いってよ。何でもそうだろよ。
最後は落し所で落ち着くモンだろよ。
そのな、落し所に参加したいのよ」
「はぁ? っそれはまた無茶苦茶な・・」
「なんでよ? 状況視て、モノ言えばいいじゃないか」
「いや・・すみません・・私にはまったく
会長が理解できません・・」
「もう着陸だからよぉ。話を着けるけどよ。
俺らがしたいことは、民が100%の幸せ度な町ってモデル
を世界に広めたいのよ。そんな街を創ったんだって、
そっちにもこっちにも話して、
両方に相乗りさせてぇだぁー!
どうよぉーー」
「かか会長―・・やめてくださぃ・・大きなお声で・・
会長らしくないです・・恥ずかしいっすよぉ・・」




