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EQ @バランサー  作者: 院田一平
第1章
19/71

第19話 研鑽

挿絵(By みてみん)




頭元で鳴る6時にセットした目覚ましを止めた。

昨日の興奮せいでそれをセットしたのは3時だったが、

深い眠りでさっぱり目覚めた。


今日は春分の日で松田さんも休むとは言っていたが、

俺はその日から早起きが必要となっていた。


目覚めたベッドの上でストレッチをし

禅を(めいそう)み、庭に出て掃除をし、

目につく限りの場所を拭いて廻った。


応接室とそのダイニングではどこに何があるかを

絵にかいて、のこりの分量と順子さんへの

質問事項をメモした。


武山さんという65歳の無口な運転手さんとも、

俺が()れたコーヒーを飲みながら

ゆっくり話も出来た。



この家の見取り図もスケッチした。


Matsdaの門から駐車場とプールを来て玄関までが

108歩で横が21歩、家の構造は適当だが、玄関の

フロアーを1階と考えると、地上2階建ての

地下2階とした。


横幅はまっすぐ歩けなかったが大体150歩で縦の

向こうへは下の道路に下る崖になっていて測れない

ので不明。あと、下の道路際にも松田と漢字の

表札があり、コンクリートの壁の駐車場が在り、

車は止まっていないが4台は余裕で止められる

広さだった。来客用PK。


下から見上げればゴツイ建物。1番上の階には

松田さんが居るので上がったことが無い。

4階は不明とした。



腹が減ったと感じた時にはもう13時を過ぎていた。

順子さんが用意してくれたメモの昼飯を作って食べて

終えても松田さんは降りてくる様子もなく、

そのまま外に出てみた。


下る坂の上からは阪急電車の線路が見え、多くの

工事関係の人や車が出入りしていて、国道2号線まで

来ると町中がホコリっぽかったが、前には在った

マンションが解体されていたり、喫茶店や餃子の

王将が営業していたり、神戸の人の力強さを

感じれた。


阪神まで降りた時、フリーマーケットの様な

テントが立ち並んだショップで、まず自転車が

目に入ったが、まあまあボロイのに高かったし、

帰りのあの坂を想い出して買うのはやめた。

小綺麗な陳列がされた雑貨ばかりを出してたテントで、

コーヒーの豆を回して挽くミル器と、折りたためる

ステンレス製のドリッパーに注ぎ口が像の様な

ドリップポットと、高いと思ったが銅製のカップも

買った。もちろん、帰りに喫茶店で1杯のコーヒーを

飲んで豆も手に入れた。自分の部屋に置くつもりだ。


その後も、石屋川という川を渡って多分ヒンの家の

縦筋あたりまで歩いたと思うが、日が落ちそうだった

ので来た道を引き返すと、坂の上から見える力強い

夕日が見えた。いつもはどこか切なく想えた夕日が、

この頃の神戸がそう感じさせたのか、そう、夕日

なのに力強く、また明日なあー!と。




門をくぐると順子さんの車が有ったのでダッシュ。


「順子さーん!おかえりなさーい!」

と玄関を開けた。


「お帰りなさいはソン君でしょう!?

どこに行ってたのー?」



キッチンからの順子さん。



「あ・・買い物にー・・」


「そうー。もう食事にするー?

支度はできてるよー」


<松田さん食ったのかな・・>


「あのー・・松田さんはー?」


「出てったわよー。何か用があったのー?

お話しなかったのー?あーほらぁ 

お給料のお話とかもー」


「いえ、それは昨日聞きましたぁー」


<出て行くことは聞いて無いし・・

車無かったかなぁ?順子さんの車しか

思い出さね・・>


「じゃーいいじゃないの。いつまでも

玄関に居ないで、こっちに来て食事に

しましょうよー」


「はーい!」


<順子さんと2人ッきり!・・・・よっし!>


急いで買い物袋を部屋に置き、手と顔を洗って、

パンツを履き替えて、


「お邪魔しまぁーす!」


「ああソンさんお帰りなさい」


<・・うそ・・武山さん・・うそ・・

ガックしぃ>


「武山さん!今朝は色々教えていただき

ありがとうございました」


「ほほほぉいえいえー」


「あらー武さん、お父様の悪事を

教えない方がいいですよー」


「ほほほぉー」


「いや・・いえ、武山さんはそんな事・・

家の事だけです。電気のこととか・・

水道の元栓とか・・あ、順子さんにも色々

教えてほしくて。俺、メモ取ってきますー」


「後になさいよ。いまはお食事よ」


「あ・・はい・・」


「ほほほぉー」



とまあ、晩飯の間は武山さんも一緒だったが、

お茶を一杯飲み終えるとすぅーと奥のご自分

の部屋に帰って行った。


「順子さんもう少しお話ししてもよろしいですか?」


「いいわよー 私もソン君に聞きたい事あるのよー」


<おッしャー!>


「えーと・・まずは順子さんのお母様の・・」


「なにそれー クスクスっ」


「いえ・・前にそこんところの話しで・・」


「そうだよねー 覚えてるよ。じゃこうしようよ。

後片付けをして、お風呂に入ってぇー、それから

お紅茶を飲みながらお話ししよう。どう?」


「あ・・はい。じゃ俺手伝います!」


「いいからー、ソン君は先に

お風呂に入ってください」


「あ・・はい・・じゃーお先です・・」



<先に風呂・・あぁ順子さぁ~ん・・>


ポワ~んと浮かぶ順子さんの

あんなところこんなとこ・・

今日ってもしかして・・順子さんと

あんな事こんな事と、

なかなか風呂場から出れなかった・・が・・


落ち着いたのでまたパンツを履き替えて

ダイニングで、順子さんの好きな『お』紅茶の

準備をして待った。


多分20~30分だったが・・

2時間にも3時間にも感じた・・


「お待たせー あらーお紅茶の

葉用意してくれたのぉー」


<すげぇ!すっぴんも普段と変わんねぇー!>


「あぁ・・はい。でも・・その押す器械の使い方が

分かんなくてすみません・・」


「簡単。ここに1杯1スプーンをいれてぇー、

うちのカップは130ミリだからこのメモリを

見てお湯を入れて、これを押し下げるだけぇー

 あと、少し、そうね

2分くらいかな・・このまま蒸らすの」


「ありがとうございます。

それも質問事項の1つでした!」


「質問事項ぅ?」


「はい。ノートにまとめてあります」


「クスクスぅ みせてー」



<かわいぃーー・・>



「あっはい」


「ほうほう・・ようしじゃー!次は? 

上から順番に説明するとしようかー」



パジャマ姿の順子さんとキッチンや洗濯機の

水周りから、松田さんの居る4階の全部まで

一緒に周り、外はまたという事で2杯目の

お紅茶を飲んだ。


「これからは何でも俺に言ってください。

俺がやりますので」


「そうねー 頼りになるわー」


「あのぅ・・俺、順子さんのとこが

もっと知りたくて・・

その・・」


「そっか。ママの話しね」


<いやあの・・それもそうだけど・・>


「あ・・はい」


しばらく無言だったが・・


「パパのお話はしたよね。お父様の部下ってお話

もしたよね。そうヤクザだったのよーパパも。

パパは北海道から横浜に出て、その時にお父様と

出逢ってそのまま神戸について来たらしいわ。

ママは広島人で気の強い人だったって・・」



やっぱり寂しそうに話す順子さんに耐え切れず、



「順子さんもういいです。話したくないこと・・

もういいです・・ごめんなさい・・俺・・」


「ううぅん。嫌じゃないのよー 逆に聞いて欲しいのー

 ママの話しはすることが無くなっちゃったしさー」


「ほんとうですか?いやじゃないんですか?」


「前にも言ったでしょう。もう居ない人を

恋しく思うの やめたって」


「あぁ・・はい、そうでしたね」


「もう簡単でいい?ママの事」


「あ・・はい」


「パパと一緒の車で出かけたけど、パパはその車の

中で撃たれて死んでたの。でもママはいなかった。

警察もお父様たちもずいぶん探したけど・・

行方不明のまま。お父様は、相手の組織にキツク

問いただしたんだけど、ママの事は知らないって・・

もう17年も前の事だよー もう会えっこないわね」



「会えますよ。生きていて欲しいです。

俺・・探します!」


「・・ばかねー・・そんな暇ないぞ!これから

どんどん忙しくなるんだぞ!・・でも・・

ありがとう」


<・・涙? えっ俺・・泣かしちゃったぁ・・>



「じゅんこ・・さん・・話しを、変えましょう。

あの、そう!松田さんは横浜で

何をしてたんでしょう?」



「・・うん・・そうね・・あー・・お父様も

パパも港の大きな倉庫会社が関係する仕事だった

って聞いてたけど、余り良く知らないのよー。

今度、聞いてみれば?」


「はい。そうですね」


顔を洗ってくるといい、洗面所へ行った順子さん

を待つ間に順子さんへ3杯目のお紅茶を押して俺は

コーヒーを淹れようとしていたら、冷蔵庫のあの

チャイムが鳴った。


出迎えに玄関を開けると目の前でタクシーを降りる

松田さんがいた。


「おかえりなさい」


「ソン君すまねえ、さっきの店に土産を忘れてなー。

追いかけて届けてくれるから、外で受け取って

冷蔵庫に入れといてくれや。頼んだ。

明日8時な!」


と、未だ君づけで・・そう言って上がって行った。


門を出たら直ぐに土産が届いた。

今日は武山さんを除いて、いろいろタイミングも

良くキレッ切れの一日だ。


もしかして!という(ヤマ)しい心で

ダイニングに戻るが、


『さきに寝ますねー♡ 今日はありがとう』

と、置かれたメモ・・・・


眠れるはずがないベッドの上で今日もオサライを・・

あれはこうだったし・・

あれもメモしたし・・あん?


えっ? えええー

確か17年前って順子さん言ってたよなぁ・・

この前たしか・・

中学の時にここへ来たって・・

中坊は13か14か15歳だから・・えっ 

いやマジ?


無い無いぃー



いやマジ30とかぁMax32なの?


ーーーーじゅんこ・・さん・・





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