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EQ @バランサー  作者: 院田一平
第1章
13/71

第13話 運転

挿絵(By みてみん)





貝貝のこと、順子さんの事、松田さんのこと、

契約の事などを考えていたがいつの間にか

寝入っていた。

時計が見当たらない部屋・・時間が

気になったが、分厚いカーテンの隙間から

日が差している。

俺の部屋いや・・貝貝の部屋の俺が寝た

Bedルームからもあの噴水が見えた。

水は止まり丸いプールが凍っていて、

朝日がその氷からの反射で眩しい。


昨夜には15~20人は居たであろうアーミー

ジャケットは見えないが、代わりに揃いのダウン

を着た男女が白い粒の様な物を道路に撒いている。


<あれなんだろう?何を撒いてるの?>

と気になり、窓を開けて見ようとした時、


「ソーぉーン どこやぁー おーーーぃ」


<やべ・・貝貝さんの部屋で

寝たなんか言えねぇ・・>


「ここだよー 外だよーー」


<とっさに窓の外に向かって言った>


バタバタとズボンと上着を着てリビングに

飛び出ると、


「どうしたの?なにかあった?」


貝貝が不思議そうな顔をしている。


「あーいや・・ヒンが呼んでて・・俺・・

外に出なくちゃ」


「外へ?あーならそこの階段から出れるわよ。

ヒンと一緒にレストランへ行って朝食をたべてねー。

わたしも後で行くからー」


指差すキッチンの奥に扉が見える。


<お!ラッキー・・そこから出れば

バレないかも>


「ありがとう!じゃまたあとで」


鉄の階段が滑って転びそうだったが、美術館(玄関)

からヒンが外に出てくるのとほぼ同時に

建物の角に出た。


「こっちこっちー ヒン こっちー」


「おお なんやー何しとんねん?部屋もキレい

にしてぇー何時に起きてん?」


<・・部屋・・使ってないし・・苦笑>


「いや・・外であの人たちがさぁー 何 

撒いてんだろうって見に来たのさ」


「お ホンマやなぁー これなんやぁー?」


俺たちの足元にもその白い粒が撒かれていた。


「sodium chlorideよー!氷を取るのー」


真上から貝貝さん。


「そーでむこーらいど・・?氷を

取るのですかぁ?」


「あぁー!塩や塩。前に松田はんの家に行く

道にも撒いてあったわー。道が凍ったら

登られへん言うてたわー」


「そうなの 塩かー すげっ」


<化け学に普通に感心したし、スッきりした>


「ヒンいま何時?」


「もう8時やでぇー あそやそや、テイはんが

今日中に予定を決めてくるから、それまで

どこでも行っとけぇー言うて出て行きはったわぁー

 どっか行こやぁー」


「つまり?・・」


<ヒンの関西弁が今日は聞き取りにくい・・>


「つまりて なんやぁ どっか行こう 

言うとるんやん」


「・・どこ行くよ? てか俺らだけでどやって?」


「だいじょうぶや!だいじょぶダイジョブーー 

ハハハハハあぁ」


<・・こいつ・・テイさんに似てきた・・>


「いや 何が大丈夫よ・・どこにどうやってさー」


Maiマイが案内したるぅー言うとるし 

早よ行こやぁー」


「まい?my?だれそれ」


「おれの女やなぁいかい!まあとにかく用意

して行くでぇーー」


<・・たぶん昨日の彼女かな・・Mai(梅)

ちゃんかな?>


バックパックリュックを置いただけの部屋に帰って、

シャワーを浴びてパンツを履き替え、ベットに

はじめて横になっていた。


ドタドタとした瞬間、


「まだかぁー?」


「ノックくらいしろよ・・もういつでも

出れるよ・・」


「Chào bạnおはよう


<・・いたのね一緒に・・こんな子・・

だったかな?・・>


「Bạn là Mai phải không?

(あなたはマイさんですね?)」


「U Da(そうよ)


Daの発音で南部の子だとわかる>


「Bạn đến từ miền Nam phải không?

Bạn đến từ đâu?(南部の人だね?どこの出身?)」


Saigonホーチミン


「Vũng Tàu (ブンタウ)いう海べの子らしいぃわー 

ブンタウいうても誰ぁれも知らんからホーチミン

言うとるねん。もーそんなんどうでもええやん!

行くでぁ~」


俺はブンタウにも行ったことがあった。HCMC

(ホーチミンシティ)から高速船でくねくねと

川を下って着く港町だ。海岸は漁港やホテルで

にぎわうビーチリゾートでリオのイエス像の様な

おおきなキリスト像が目立っていた。おふくろの

育ったPhan Thiết (ファンティエット)と

よく似た所だった。



「OK行こう! んで?どこいくよ?」


「とりあえず街に出てぇなんか喰おうやぁー」


<あちゃ・・貝貝さんとレストラン・・

朝めし・・>


「ああああー朝飯だー」


「なんやぁ?」


「レストランで貝貝さんが待ってるぅー」


「はぁぁ? あさめし ここで喰えるん

かぁいなぁー?ええやん!ほなここで喰うて

から行こやぁー」


<・・ったく・・ヒンは目的は早い方が優先で

品も質にも関心なし・・こうゆ時にはいいもんだ>


俺たちがあのキッチンが見渡せる個室に入って

間もなく貝貝も席に着いた。また円卓に続々と

料理が運ばれたが、魚の一夜干しに湯豆腐、

小鉢が沢山とダシ巻きに梅干しや味付け海苔まで。


日本の温泉の朝めしが忘れられないと貝貝の

オーダーだった。



「さぁて じゃどこに行く?わたしが運転するわ」



普通に真顔で貝貝さん・・


「・・一緒に・・いくの?」


「いくわよー だって遊びに行くのでしょー 

車だって必要でしょ」


「おお!おぉきにぃー(ありがとう・・)」


想像もしなかったが・・とにかく貝貝含めて4人で

車を走らせた。最初は変なフェラーリの様な

ロシア産の真っ赤な車にエンジンを掛けたが、

後ろの席にあと2人はキツく・・多分、貝貝の

普段乗り用なのだろうが・・迷いに迷って結局

日本が誇るトヨタランドクルーザーをchoice。


10分も車を走らせれば判る貝貝の運転能力と

その人柄。血液占いにハマったことのある俺の

結果はAB型だ。



「貝貝さんBlood typeはABでしょ?」



「Wow!そうよ!ソンってわたしのこと何で

もわかるのねー!」


「いや・・車の運転とかその・・」


「パパが言ってたわ。日本からくる2人は

優二sanの若い時と同じだって。でも

2人を足してね」


「えぇーそんなこと言ってたの?」


「優二おじさまがそう言ったのよパパに」


俺の血液診断がそんな展開になるとは思い

もしなかったが、松田さんが俺たちの事を

どう思っているのか強烈に知りたかった。


「松田さん・・貝貝さん松田さんのこと、

よく知ってるの?」


「多くは知らないわ。でも解るの。わたしね

 ほらCanadaに留学したでしょパパのチカラで。

でも合わなかったのカナダ。3か月で

日本に行ったわ。大阪の日本語学校に入って

おじさまのステーキハウスで仕事をしたの」


<ステーキハウス・・もやってたんだ・・

知らないことが大過ぎる・・>


「大阪に・・日本にいたんだね!」


「そう。おじさまとは数回会っただけ。

でもみんながおじさまの話をするから、

私の中で優二おじさまの画がハッキりできたの。

まだ日本語がわからない時だったから・・

そう以心伝心の言葉ね」



<すごくよく解る。言葉がわからない時のそれって

・・わかる>


「言葉じゃなくて相手の気持ちを理解して、

自分も相手にそれを伝えるのですよね」


「そんな人少ないわ。でもそうよ。ソンも

そういう人なのよ」


<同類・・そう貝貝さんはそういう人か・・>


「・・俺なんかぜんぜんダメっすよ・・」

<とりあえず>


「すきよソンのこと」


「・・・・・・」



松田さんがテイさんやホビスさんに俺たちの事を

どう話したのか?それをどう受けたのかとか・・

まだまだいろいろと貝貝から得たかったが

車が止まる。



「お買い物したいの。行きましょ」



Манежная площадьと書かれた工事中の

広場の前だが、買い物?お店の様な建物も

市場も見当たらない。


「うぅん・・なんやどこやぁ?ついたんかぁー」


Maiの膝枕で寝てたヒン・・


「買い物だってさぁ・・降りるぜ」


「ほぉーぃ」


「買い物ってどこで・・?」


先先へと俺の手を引き歩く貝貝さんに。


「そこの階段の下よ。このマネージュはね

地下にショッピングモールができるのよー。

パパも投資してるの」


工事中の広場を指差してそういうが・・

デカい広場だ。赤の広場の北西に在り、

Hotelモスクワ(現フォーシーズン)が在り

博物館やアレクサンドロフスキー庭園に

囲まれた場所。間違いなく一等地・・

に投資・・


階段を降りると日本の駅地下のほど整理されて

いないが1坪ショップ的な屋台が並んでいた。


その中にMobile Teleghoneという大きな看板の

下に電話機が並んでいた。携帯でんわだ。



俺の周りでは松田さんとヒンの親父さんくらい

しか持っていなかったそれに目が行き、何やら

話しかけてくる店員さんのロシア語は聞き取れない。

そんな時、



「キャー!Cyka Blyat (スーカブリヤー)!」


貝貝が大男に平手打ち・・



あっという間に仲間らしい男たちに囲まれた・・と、




「おどれらぁーこらぁーー!」





ヒンの声が地上まで響き渡る。









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