表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブ商人は生き残りたい  作者: わたがし名人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/7

第6話 モブ商人は見習い傭兵に新スキルを習得させる



「ミーナさん、今日もよろしくお願いします」


 ヘンソンはミーナと共に王都の外の森へやってきていた。


 目的は変異種の薬草採取となっているがそれは表向きの理由で、ミーナのスキル上げをこっそり行なうのが真の目的だった。



 ゲーム時代のミーナは短剣使いの傭兵でそれなりに強かった。


 しかしあくまでレンタルキャラなので育成できずレベルが上がらないため、終盤の戦闘には連れて行くことができなかった。


 だがこの世界にはそんな制限はない。


 ヘンソンはミーナをメインキャラにも引けを取らない位強くしようと考えていた。




「ミーナさん、これを使ってみて下さい」


 ヘンソンはミーナに2本の短剣を渡す。


「あのヘンソンさん、1本多いようですが…」


「いえ、2本で合ってます。試しに2本使ってみてもらえませんか」


 ヘンソンはミーナに双剣で戦ってみてほしいと頼む。


「ここでするのですか?練習でしたら訓練場に行きましょう。ここで試すには危険ですよ」


 森の中で不慣れな戦い方をするのは危険だとミーナは言う。


 全くその通りなのだが人目の無い場所で試さないといけない理由がヘンソンにはあったのでゴリ押す。



「ミーナさん大丈夫です。しっかり準備をしてきましたので安心して下さい」


 そう言うとヘンソンは『身隠しの香』というアイテムを取り出した。


 このアイテムを使用するとモンスターから身を隠すことができる。


 そしてヘンソンが用意したアイテムはもう1つあり、


「それとこの『スライムホイホイ』を使えば安全に訓練ができます」


 『スライムホイホイ』はその名の通りスライムのみをおびき寄せるアイテムだ。


 このアイテムで集まったスライムは『スライムホイホイ』に夢中になるため、反撃されることなく攻撃できる。



 『身隠しの香』と『スライムホイホイ』を使ったコンボはゲーム時代にヘンソンが愛用していたスキル習得方法だ。


 ヘンソンはこれを使いミーナに双剣スキルを習得してもらおうと考えていた。


 ちなみにこの2つのアイテムはビビに用意してもらった。




 数時間後。


「やりましたよミーナさん、ステータスに双剣スキルが出ています」


「まさかこんな簡単な方法で新しいスキルを習得できるなんて…」


 喜ぶヘンソンと戸惑うミーナ。


 ミーナは無事新たに双剣スキルを習得できたようだ。


 双剣スキルの習得方法は2本の剣を使い、モンスターにクリティカル攻撃で連続30回以上倒すこと。


 この世界では新たなスキルの習得にはダンジョンなどで手に入る『スキルカード』と呼ばれるアイテムを使うのが主流だった。


 しかし『スキルカード』は希少で市場に出回ることはほとんどない。


 その上自力で新たなスキルを習得する方法は確立されておらず、ほとんどの人は生まれ持ったスキルのみで生活していた。



 そんな中、ゲーム知識のあるヘンソンはあっさりとミーナに新たなスキルを習得させることに成功した。


 ゲームと同じ条件でスキルが習得できるかが懸念材料ではあったが無事成功したので一安心だ。


 それなら最初からヘンソンが試せば良いのではと思われるが、既に実行して失敗していた。


 ヘンソンは今回の方法とは別のアイテムなど必要としない簡単な戦闘スキルを習得しようと試してみたのがうまくいかなかった。


 NPCキャラだから戦闘スキルを習得できないのか、方法が間違っているのか、ヘンソンには原因がわからなかった。


 なので今回ゲーム時代と同じやり方でスキルが習得可能かをミーナで試した。


 結果は成功。ヘンソンのゲーム知識はスキル習得にも通用することがわかった。




「ミーナさん、この調子でどんどん強くなりましょう!」


 今後もミーナを強くすることに意欲を燃やすヘンソン。

 

「お、お手柔らかにお願いします…」


 そんなヘンソンに少し引き気味のミーナだった。




 その後もヘンソンによるミーナ育成計画は順調に進みミーナはメキメキと実力をつけ、本人が知らない内に傭兵ギルドでも上位の実力者となるのだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ