第59話 モブ商人は主人公を見つける
状況を把握したヘンソンは家を出た。
ビビやミーナに会いに行くとやはり彼女たちも記憶操作を受けており、ハリソンに聞いた話と同じ内容の話をしていた。
ちなみにビビとミーナも学園への入学が決まっていた。
同い年のビビはわかるが、ヘンソンより年上のミーナも学園に来ることになっていたのは予想外だ。
その後ヘンソンは自身と交流のあるメインヒロインたちに会いに行く。
マリア、リリィ、エリカ、フィーナ。
他にもシノブやエミリーといったサブヒロインたちも王都に集まっていた。
意外だったのはアクアとトモエ、フェリスまでいたことだ。
彼女たちは本来ならまだここにはいないはず。
おそらくヘンソンの行動によりイレギュラーが発生したのだろう。
学園の入学準備は既に終わっていた。
記憶にはないが自分のことだから、おそらくそういった事前行動は早めに済ませていたのだろう。
ヘンソンはオウリュウの意図を確認するためとある人物を探していた。
ヘンソンの予想が正しければ既に王都に来ているはずだ。
そして、
「見つけた!」
ヘンソンの視線の先にいたのは1人の黒髪の少女。
彼女はこの世界の主人公こと、ユウキ。
どうやらこの世界では女主人公らしい。
ゲーム時代、主人公の性別を選択できる。ヘンソンは男主人公を使っていたが、女主人公を使用するプレイヤーの方が多かった。
「そっか、女の子か…。上手くやれるかな?」
ヘンソンは少し不安になる。
これからヘンソンは彼女と仲良くならなければならないからだ。
ヘンソンの役目とはおそらく主人公を導くこと。
ヘンソンはそう解釈した。
ゲーム時代にはそんな存在はいなかったが、ゲームシステムではナビゲートや解説があった。
ヘンソンは自身にその役割が与えられているのではないかと考えたのだ。
ユウキの姿を確認したヘンソンは声をかけずにその場を後にする。
事を進めるのは学園に入ってからだ。
そうして翌日。
ヘンソンは学園の入学式を迎える。




