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モブ商人は生き残りたい  作者: わたがし名人


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第55話 モブ商人は縁日に挑戦する



 銭投げ屋と書かれた屋台に向かうヘンソンとマルコ。


「銭投げで射的をするのか…」



 屋台『銭投げ屋』は縁日でよく見る射的をおもちゃの銃ではなく、スキル『銭投げ』を用いて遊ぶお店のようだ。


「ヒノモトの人って皆銭投げ使えるんだ。知らなかったなぁ」


 屋台の様子を見ていると大人から子供まで老若男女関係なく遊んでいた。


 ここでまたヘンソンの知らない知識が増えた。


 どうやらヒノモトの人々は皆、スキル『銭投げ』を所持しているらしい。


 おそらくアトランティスの人々と同じように、国民の固有スキルみたいなものなのだろう。


 ゲーム時代この『銭投げ屋』は存在していなかった。


 なのでヒノモトの国民全員が銭投げを習得していることも分からなかった。




「せっかくだから僕もやってみようかな」


 ヘンソンも一応スキル『銭投げ』を所持しているので、屋台に挑戦してみることにした。


「すみません1回お願いします」


「おっ、あんちゃん異国の人なのに銭投げ使えるのか。珍しいね」


 屋台の店主から射的用の小銭を渡される。


 見た目はいわゆる古銭と言われるいわれる昔の日本で使われていた穴の空いた硬貨のようだ。


「そいつは縁日用の小銭だから気にせず使って大丈夫だぞ」


 どうやらこの小銭は普通の金銭とは違い射的専用に作られたものらしい。


 銭投げについてはそこまで研究が進んでいなかったのでとても参考になる。



 ヘンソンは景品に向かい構える。


「…へぇ、珍しい構えだな」


 店主が鋭い目でヘンソンを観察する。


「ふっ!」


 ヘンソンがスキルを発動する。


 ヘンソンの放った小銭は吸い込まれるように的へ命中する。


「お見事!あんちゃんやるな!」


 初発から成功するヘンソン。


「いつもより調子がいいかも」


 手応えを感じつつ次に挑戦する。


 ヘンソンの放つ小銭はどんどん的へ命中する。



「参った、降参だ。これ以上は勘弁してくれ」


 楽しくなったヘンソンは夢中で銭投げを楽しんでいると店主からストップがかかる。


「…あっ、すみませんつい楽しくてやり過ぎちゃいました」


 我に返ったヘンソンは店主に謝罪する。




 大量の景品を抱え屋台『銭投げ屋』をあとにするヘンソンとマルコ。



「…ふふっ、見ーつけた」


 その後ろ姿を見つける人影が1つ。




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