第50話 モブ商人はヒノモトの地を踏む
「みんなー、見えてきたよー♪」
アクアの指差す先に陸地が見える。
ヘンソンたちの目的地、ヒノモト。
「エメ様、いつもの場所までお願い♪」
アクアの指示でエメ様が進路を変える。
「アクア様、港に行かれないのですか?」
シノブが質問する。
「うん、あっちの港は船がいっぱいだから。それにエメ様が行ったらみんなびっくりしちゃうでしょ♪」
アクアによると人魚やエメ様が停泊できる専用の船着き場が別の場所にあるそうだ。
「そういえばそのような場所があると聞いたことがあります」
どうやらその場所はシノブにも心当たりがあるようだ。
そして移動したのはこじんまりとした入り江。
「はい、とうちゃーく♪」
ヘンソンたちは小さな船着き場に降りる。
「ようやくここまで来た…」
ヘンソンは感慨深くヒノモトの地を踏みしめる。
思えばここまで来るのに色々あった。時には命の危険を感じた時もあった。しかしもうそんな苦労はしなくていい。あとは事件が起こるまでここで過ごすだけ。
「ようやく来たか」
「お久しぶりですトモエ」
やってきた着物姿の女性と親しげに話すシノブ。
彼女の名はトモエ。ヒノモトに仕える武家の娘でシノブの従姉妹だ。
おそらくヘンソンたちのことはアトランティスから伝わっていて、到着に合わせ出迎えに来てくれたのだろう。
「みんなー、またね〜♪」
アクアとエメ様はアトランティスへ帰っていく。
無事ヘンソンたちを送り届けたアクアとエメ様とはここでお別れだ。
「では参ろうか」
トモエの案内で街へ向かうヘンソンたち。
ヘンソンはついにヒノモトの地に辿り着いたのだった。




