第39話 モブ商人は討伐の準備をする
クラーケン討伐に参加することとなったヘンソンたち。
クラーケンをどうにかしないことにはヘンソンたちも先に進めないので特に断る理由がない。
それに元々ヘンソンたちだけでクラーケンをなんとかするつもりでいた。だがオケアノスと人魚たちが主導で動く話になった。
それなら便乗してしまった方が自分たちの負担が減り楽ができるし、目立つこともない。
話を終えたヘンソンたちは建物を出るとアクアを海に送り返す。アクアはオケアノスからの返事を持ち帰るために一度海に戻る必要があるからだ。
「みんな、またね♪」
アクアを見送ったヘンソンたちは宿に戻った。
翌日。
ヘンソンたちは早速クラーケン討伐に向け準備を始める。
ビビは必要な魔具やアイテムの作成に取り掛かり、ミーナとシノブは海での戦闘の訓練に出かける。
ヘンソンはというと、アラヤに呼び出されてた。
「なるほどな。バンバからただの商人じゃないとは聞いていたがここまでとはな」
ヘンソンはクラーケン討伐に使えそうな情報の他、オケアノスの人々の強化案などを話した。
ヘンソンはクラーケン討伐ではなるべく矢面に立ちたくない。
なのでオケアノスの人々にはできるだけ頑張ってもらいたいというのと、オケアノスは王都やイージスと並ぶ重要拠点なので強化しておくに越したことはないという理由もあり、必要な情報を惜しみなく提供した。
ヘンソンは気付いていないが、オケアノスの街では今ヘンソンたちは噂の中心になっていた。
ヘンソンは権力者に会う機会が多く感覚が麻痺してしまっているが、本来街の代表者と気軽に会うことなどできない。
来て早々代表者であるアラヤと会い、直接呼び出されたりすることなどないのだ。
他にもオケアノスの外から来た人間が人魚に気に入られていることも話題になっていた。
本来人魚は警戒心が強く、オケアノスの人間でも気軽に話せるものは少ない。
なのにオケアノスの外から来たヘンソンたちは初対面であろうアクアと仲良く街にやってきた。
アクアは人魚の中では友好的な性格ではあるが、いきなり初対面の人物と会うことはない。
どういう理由がわからないが、少なくともヘンソンたちは人魚からの信頼を得ているらしいという話が広まっていた。
そんな人物がクラーケン討伐に参加するとあってヘンソンたちはオケアノスの人々から注目を集めていた。
自身を普通だと思っているヘンソンだが、目立ちたくないからと人目を避け過ぎて、周囲から自分がどのように見られているか分からなくなっていた。
その後はミーナたちの様子を見に行き、アクアがやってきて一緒に遊ぶことになったり、オケアノスの街を回り物資を調達したりなど準備を進めていった。
そうして、一週間後。
いよいよクラーケン討伐の日を迎える。




