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モブ商人は生き残りたい  作者: わたがし名人


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第21話 モブ商人は街に入る



「そろそろ街に向かいましょうか」


 シノブを仲間に加えたヘンソンたちは当初の予定通り街に向かう。




「身分を確認できるものをお見せ下さい」


 街の入口の検問所までやってきたヘンソンたち。身分証の提示を求められる。


「シノブさん、お願いします」


「はい、こちらを」


 代表としてシノブが前に出る。


「拝見します。はい、問題ありません。後ろの方々は同行者でよろしいでしょうか?」


「はい、そうです」


「後ろの皆様も身分証の提示をお願いします」


 ヘンソンたちも身分証を提示する。


「確認しました。どうぞお通り下さい」





「まずは宿を探しましょうか。シノブさん、騎獣が泊まれる宿ってありますか?」


「はい、何軒かございます」


 無事に街に入れたヘンソンたちはまず最初に宿を探す。ヘンソンは以前この街に来たことがあるというシノブにマルコも泊まれる宿があるか聞く。




 ひとまず検問所を問題なく通れて一安心だ。


 まだ王都から近いこともあってか検問はそこまで厳しくなかったが、今後先に進むにつれ検問が厳しくなっていくと思われる。


 その予行練習としてシノブには集団のリーダーとして出てもらった。王女に仕えるメイドのシノブの身分ならそうそう止められることはないだろう。


 ヘンソンが懸念していたのは、子供だけで旅をしていること、ビビの例の変装の問題だった。


 結局ビビの変装時の姿は貴族令嬢のままになっていた。ビビも特に気にしていなったので無理に変える必要はないと思っていた。


 正直ビビの姿を変えても騎獣の豚を連れたヘンソンがいるので、結局目立つことには変わりないからだ。



 実は検問に関してはそこまで危惧していた訳ではなく、街に入ってからのことをヘンソンは心配していた。


 街はある程度治安が維持されているといっても悪人はどこにでもいる。子供だけの集団に貴族令嬢がいたら確実に狙われるだろう。


 いくらミーナが強くてもヘンソンたちを守るには限界がある。不要なトラブルはできるだけ避けるに限る。そういった理由もありヘンソンは街にできるだけ寄らないようにしていた。


 一応対策などは用意していたがあまり使いたくなかったのでシノブが仲間に加わってくれたのは正直有り難かった。


 王女のメイドであるシノブなら街の管理者にもある程度の融通は利くだろうし、更に護衛としても優秀なのでミーナとシノブの2人がいれば旅の安全は保障されたも同然だ。


 それにシノブが一緒にいることで、シノブが王女か王家の指示で貴族令嬢(に見える)のビビを護衛するために旅に同行している。というストーリーをでっちあげることができたのもよかった。


 『ヒノモト』へ行くという旅の目的を素直に伝えても信じてもらえない可能性があったからだ。




 ちなみにヘンソンが用意した対策とは身を守る防犯アイテムの他、マーリンやバンバから持たされた書状があった。


書状の内容は簡単に言うとヘンソンたちのバックにはマーリン、バンバがついているということが書かれていた。


 王都を出たことのないヘンソンにはイマイチ実感が湧かないが、マーリンとバンバのネームバリューはかなりのものらしく、国で2人を知らない者はいない程だという。


 そのマーリン、バンバの両名の庇護を受けていることは凄いことらしい。これを見せたら確実に騒ぎになると思われるので、できれば使いたくないとヘンソンは思っていた。


 防犯アイテムに関しても似たような理由で、ビビが作成したことで過剰な効果が発生することが判明し、人への使用はなるべく控えようという話になった。



 ひとまず旅の懸念だった問題が解決しホッとするヘンソンだった。






「シノブさん、ありがとうございます。まさかマルコを部屋に入れられるなんて思わなかったです」


「恐縮です」


 シノブが紹介してくれた宿はマルコと同部屋できた。


「これから僕は用事があるので出ますが、皆はどうしますか?」


「ヘンソン君、私はマルコと一緒に休んでるね」


「自分は街を少し見てきます」


「私めも寄るところがありますので少し席を外します」


 ヘンソン、ミーナ、シノブは外出、ビビとマルコは部屋で留守番のようだ。




「すみません」


「いらっしゃいませ、ご要件は何でしょうか?」


「王都で仕事を頼まれてきました」


 ヘンソンは手紙を店員に渡す。


 ヘンソンは街にある魔具店にやってきていた。その目的は、


「お待ちしておりました。お噂は会長から聞いております。早速で申し訳ありませんがお仕事をお願いします」


「はい、わかりました」


 ヘンソンが訪ねた魔具店は王都にある魔具店の支店で、魔具店の会長から商品の鑑定を依頼されていた。


 ヘンソンは王都の魔具店と関わりを持つようになって以降、定期的に魔具店から商品鑑定の依頼を受けていた。


 王都を出発する際には魔具店の会長から道中にある支店に立ち寄ることがあればぜひ商品鑑定をしてほしいと依頼されていたのだ。


 ヘンソンが今回この街に立ち寄ることにした理由の1つが、この街にその魔具店の支店があったからだった。


 ヘンソンにとって『鑑定』は息をするのと同じ位の感覚なので仕事といっても大した労力にならない。その上、報酬の内容がとても魅力的なのも引き受けた理由だった。


 金銭に関してはさほど困っていないので、ヘンソンが探している素材やアイテムがあれば報酬として譲ってもらえるというものだった。


 ヘンソンの『鑑定』スキルはもはや王都どころか王国でも上位のものとなっており、高位の鑑定魔具でも鑑定できないような代物まで鑑定できるようになっていた。


 ヘンソンは1時間ほどで仕事を終え宿へ戻っていった。




 ヘンソンが宿に戻るとミーナとシノブも帰ってきており、全員で夕食をとった後はそれぞれの部屋に戻り就寝した。






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