表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

もう止まらない

乃斗が目が覚めると太陽の光が窓から照らされる。深きものの気配は感じない。ひとまずは、休戦だ。

次の戦いで乃斗は死ぬかもしれないと言う狂騒に駆られているため直ぐに、ネクロノミコンの断片に目を通し始める。奴らの目的を見つけるために。


精神が焼かれながらその本を通して色々な魔術を学び、目的も判明した。奴ら深きものは大いなる邪神クトゥルフの復活を目論んでいる。そして本格的な基地はアメリカのアーカムの隣町インスマスにあるダゴン秘密教団なのだが、1920年ある4人組によって壊滅。残党がこの日本の東京にいるらしい。そして、かの邪神クトゥルフは星辰が揃う時封印されてあるルルイエが浮上し復活する。とのことそれを食い止めるにはクトゥルフを殺さなければならない。


「なんつーか、クソッタレだな。」


そして、クトゥルフは一応神なため神格の退散と言う呪文を唱えなければならない。その代償は詠唱者自身の魂。世界からして見れば安いものだが、乃斗自身はそれに恐怖し始めた。人は死ぬのが怖いのである。生物の本能が死そのものが恐怖の対象なため拒絶しているのだ。乃斗は選ぶ。こんな体験は二度とないから。生憎彼の家族、親戚は誰もいない。友達もいない。後悔は無かった。


「神格の退散。起動」


ネクロノミコンの断片。とても危ないものであった。その魔導書から得る情報は全ての常識を覆す物だ。だが、その代わりに人の精神力を蝕む。とてつもない禁書である。彼は今、知識量で言えばかの邪神ヨグ=ソトースに匹敵するものだ。


辺りが一瞬で夜になり、咆哮が響く。この咆哮は深きもののリーダー的存在ハイドラとダゴンだ。家に向かって進んでくる。ドスンドスンと足音も響き渡る。


「あと少し!」


乃斗はあと少しで詠唱完了し自分の命と引換えにクトゥルフを殺せるところだった。詠唱しているのと同時に自分の命の灯火が消えていくのを感じる。


「詠唱完了…」


ああ、終わった。全て終わった。さて、俺はどうなるんだか。死ぬのはもう止まらないよな。

そうして才賀 乃斗の人生は終わりを迎えようとしていたが、ここでは終わらないここからが始まりである

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ