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狂気の始まり

初めまして皆様!


私、ニャルラトホテプと言うものです。


ここでは、注意事項を話します。


クトゥルフ神話に対する独自解釈がごさいます。


これらがOKだと言う人は彼の、いやクトゥルフ神話をお楽しみなさいませ。


それではどうぞ

―――――――――――――――――――――――――――――――


才賀乃斗さいが ないとは16歳の少年だ。東京の高校に通う彼は、同年代の少年たちとは少し違っていた。乃斗は、小さな頃から古いものに対して強い興味を抱いていた。特に、本に関しては格別の思いがあり、その魅力に取り憑かれていると言っても過言ではない。




乃斗の家には、祖父から譲り受けた膨大な量の古書があり、彼はその中で育ったと言ってもよい。両親は仕事で忙しく、家にいることが少なかったため、祖父母と一緒に過ごす時間が多かった。祖父は元大学教授であり、考古学と古典文学に精通していた。その影響で、乃斗も自然と古代の歴史や文化に興味を持つようになったのだ。




16歳の彼は、まだ若いながらも、希少な書物や文献を求めて古書店を巡り歩くことを趣味としている。大人びた言葉遣いや鋭い観察眼を持ち合わせており、同世代の友人たちとは少し異なる存在感を放っている。そのせいか、学校ではあまり目立たないタイプで、同級生たちとは距離を置いていることが多い。




そんなある日、乃斗はいつものように学校帰りに古書店を巡っていた。彼の足は自然と路地裏の奥にある「古書 斎藤」と書かれた店へ向かっていた。初めて訪れる店だったが、なぜか見覚えがあるような気がした。その違和感に一瞬立ち止まりながらも、好奇心に駆られた乃斗は扉を押し開けた。




店内に足を踏み入れると、古びた書物の香りが鼻をついた。埃っぽい空気が漂う中、カウンターの向こうに座っている初老の男性が目を上げ、乃斗を見つめてきた。




「いらっしゃいませ。何かお探しですか?」




その問いかけに、乃斗は軽く首を振った。「特に決まったものはないんですが、ちょっと見せてもらおうと思って。」




彼がそう答えると、店主はにやりと微笑んで棚の奥から一冊の本を取り出した。それは黒い革表紙に金箔の装飾が施された古びた書物で、その見た目からして尋常ならざる雰囲気を醸し出していた。




「『ネクロノミコンの断片』と言うんだ。ちょっと変わった本だけど、君には興味があるんじゃないかな?」




その言葉に、乃斗の心は強く惹かれた。何かに導かれるように、彼はその本を手に取った。ページをめくると、見慣れない文字や図像が目に飛び込んできた。意味はわからないが、その神秘的な魅力に抗うことはできなかった。




「これ、いくらですか?」




「値段はつけられない。だが、君には特別に譲ってもいい。ただし、読むときは十分に注意することだ。」




店主の言葉には何か含みがあったが、乃斗は気にすることなくその本を購入した。家に戻ると、彼はすぐに机に向かい、その不思議な本を開いた。




夜が更け、乃斗はいつの間にか眠りに落ちていた。そして奇妙な夢を見た。暗闇の中、無限に続く海の底を歩いている。冷たく重い水が彼の身体を圧し、息苦しさが全身を包み込んでいた。遠くに見える巨大な影がゆっくりと近づいてくるのを感じたその時、目が覚めた。




全身が汗でびっしょりになっていた。乃斗はベッドから起き上がり、机の上に置かれた書物に目を向けた。奇妙なことに、本のページがかすかに輝いているのが見えた。乃斗は思わずその本を手に取り、その光をじっと見つめた。




その時、耳元でかすかな囁きが聞こえた。




「我らは待っている……古きものの復活を……」




その声は彼の頭の中に直接響き、恐怖と興味が入り混じった感情が彼を支配した。




「これは……一体何なんだ……?」




乃斗は声にならない声で呟きながら、もう一度ページをめくった。そこには、彼の知らない世界が広がっていた。

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