人生初のバトルイベント〈一日目〉
いつもより長いです。
アルオン内
『皆様〜!ついに!この日がやって来ましたわね!』
街の広場にプリンセスが大きく映し出される。
『季節に一度のバトルイベント!夏戦、開幕ですわー!』
「「「いえーーーーーい!!!」」」
「いえーい!」
「なんか…盛り上がりがすごいっすね…」
「まあ、アップデートの時もこんなもんだったし…」
「マジっすか…?」
「マジマジ」
『では、夏戦が始まりますので、私の下にある魔法陣から、参加者の皆様は様々なエリアに飛んでいただきます!三日目からは特殊なミッションが発令される時もありますので、頑張ってくださいませ!』
「じゃ、行ってくるね。バル君」
「頑張ってください!師匠!シュナ!」
「ちゃんと私らの活躍見とけよ?」
「見とくに決まってんだろ!」
「よし!じゃ、応援ヨロシクー!」
「行ってきまーす!」
「いってらっしゃーい!」
シュウウウン…
魔法陣に乗った途端、二人は煙のように消えてしまった。
「精一杯応援します、師匠、シュナ」
バルはそうつぶやくと、広場に大きく映る参加者の映像を見つめた。
〜〜〜〜〜
ティーア
シュウウウン…
「ん?」
ティーアの目の前には、少し崩れた遺跡と、森があった。遺跡には、入れないようになっているらしい。
「ここが私が戦う所か…」
ズンッ…
「え何?」
「一日目から俺と当たるとはお嬢ちゃんも運が悪い…」
森からでてきたのは、いかにも強そうなとてもゴツい男だった。
「うわ怖!!」
「すまんがお嬢ちゃん、君の一日目はこれで終わりだ。君には俺の最初の餌食になってもらう…」
「え…」
(え、うそ、あんなでっかい斧で殴られんの?嫌なんだけど!やっぱ来なきゃよかった!バル君と二人でほのぼのとシュナの応援しとけば良かった!!)
「むんっ!」
男の斧がティーアに振り下ろされる!
「ぎゃあああああああああ!!!!」
カーン!
といい音がして、斧は跳ね返り、どこかへ飛んでいった。
「………あれ?」
「ん?あ、ダメージ受けてない!すごい!シュナに言われて攻撃と守備もMAXにしといて良かった!ありがとうシュナ!」
ティーアは泣きながらイマジナリーシュナに礼を言った。
「よっしゃー!斧が無けりゃこっちのもんよ!」
「ひっ!攻撃と守備がMAX!?何だそりゃ!!お前まさかチーター…それになんでシュナ様のことを…」
「うおりゃあああ!絵筆スイング!!」
そう、自分が適当に作った技を言った。といっても、自分の持っている絵筆を相手の頭に叩きつけるだけなのだが、攻撃力が限界まで高くなっているため、恐ろしい程高威力だ。
「ぎゃあああああ!!!」
と叫んだ男はデスポーンしていった。
「よっしゃ勝った!!」
そんなこんなで次々勝利を収めていき…
ティーアの一日目:全戦勝利
〜〜〜〜〜
シュナ
シュウウウン…
「ここは…草原?」
見渡す限りの草。よく始めの頃に歩く草原だ。
「げっ、シュナ様!?」
「ん?ちょっとやめてよシュナ様なんて…」
「だってあなたはアルオン内に二人しかいない大賢者の一人、炎の大賢者シュナ様だろ!?」
「そうだけど、様なんて言わないで!なんでみんなそういうのかしら…あー!もう!イラついてきた!さっさと戦うわよ!」
「は、はい!」
剣士の様なそのプレイヤーは、シュナにスキルを使ってきた。
「スキル、エナジーソード!おらああああああああ!!!」
プレイヤーの剣が向かって来る。だが、シュナは呆れてしまった。自分の力でもコントロールできないようなスキルを使って…
「はぁ……まあ、こっちもスキルで対抗してやんのが筋ってもんよね…」
「スキル、炎の世界!!」
「うわああああああ!!?」
シュナが叫んだ途端、相手は炎に包まれ、一瞬でやられてしまった。
「あー!つまんない!しばらくこれが続くの!?」
案の定、続いた。
シュナの一日目:全戦勝利
二日目に続く
次回はなにか新キャラを登場させたい…