弟子ができたけどこの声聞いたことある
6話目です!
新塚澄春。最近篠山に越してきた少年だ。引っ越しの手伝いが終わり、
「街の様子でも見ておいで」
と言われ、近くを散歩していた時、曲がり角から向かってくる女子に気づけず、ぶつかってしまった。やってしまった、と思った。その子は腰を打ったのかさすっている。思わず混乱してしまい、謝らなければ、いやまずはケガの心配か…といろいろ考えている内に、女子は逃げてしまった。ごめんなさいと叫びながら。いやこっちの方がごめんなさい…とそっと思った。それから次の日学校へ行くと、またもや驚かされた。あの時ぶつかった女子がいたのだ。近くだったら謝れるんだけどなあ…とか考えていたら、別の女子の隣に行かされそうになってしまった。慌てて自分は女性が苦手だと伝え、なんとかあの時の女子の後ろに行くことができた。そして放課後謝り、後は…3話でご存知の通りである。
「さて…ゲームを起動してみたはいいものの…」
ゲーム内の空間はとても不思議な雰囲気を纏っていた。そして性別、見た目、職業を選べという案内がされた。
「性別男…見た目…見た目?」
とりあえずゲームの中でくらいはいいか、と現実の自分よりやや盛った(つもり)の見た目にしてみた。
「職業か…うーん…」
しばらく迷った末…
「盗賊?特性…一つだけ他のプレイヤーのスキルを盗むことができる……盗むって…まあいいか。戦ってる時とかに使えば相手と同じスキルを使えるってことね。なるほどなるほど…よし、盗賊でいっか!」
ピロンッ
『あなたは盗賊です。』
「お、盗賊になった」
『お名前はどういたしますか?』
「名前…うーん…」
「スバル…はそのままだしな…スバル…すばる…すばる…うーん…よし、決めた!」
「俺の名前は、バルだ!…ダサいかな?まいっか…」
『バル様でよろしいですか?』
「イエス」
『了解しました。』
『ログインします。ゴーグルを外さないで下さい。』
「……」
『目を開けて下さい。』
パチッ
「お…」
「おお〜!」
とても美しい街並みが目に飛び込んできた。
「すげえ…これが今のゲームか…」
「よし!とりあえず楽しむぞー!」
と意気込んだは良いものの…
「ゲームが久しぶり過ぎてヘルプだけじゃわかんねえ!」
早速ゲーム初心者の壁、「何したらいいかわからない」が発動した。
「どうすりゃいいんだよこのゲーム…」
ピロンッ
「ん?」
『朗報:レベル1000になったプレイヤーがいます!』
と、情報掲示板?の様な光る板が浮かんでいた。
「レベル1000…ってMAXじゃねえか!?すげえ…この人…相当やり込んでる人に違いない!」
否、偏見である。
「よっしゃ!この人にゲームのあれこれ教えて貰おう!」
おまけにあった通り、こんな感じでティーアに弟子入りしようとしている。
〜〜〜〜〜
そして数日後、
ティーア達…
「いやー!楽しいねー!アルオン!」
「でしょ!?楽しいっしょ!?ゲーム!」
「うん!絵を描く次に楽しい!」
「なんじゃそりゃ…ま、いいか」
ガサガサッ
「え!?なんぞや!?」
「モンスター!?」
バッ!
シュナは杖を構えた。がすぐに下ろす。なぜなら…
「ティーアさん!弟子にしてください!」
「……へ?」
「は?」
「よくわかんないけど…いいよ!」
「本当っすか!?あざっす!!」
「ちょっ!?いいの!?」
「だってなんとなく信用出来るし」
「なぜ!?」
「………聞いたことある声だから?」
「ええ…」
弟子が出来たティーア!これで三人力だ!次回に続く!
読んでくださりありがとうございました!