転校生と大型アップデート
3話目です!いい感じ!(だと思う)
昨日なんと自分の友達である茜が大賢者だったことを知った私…凄く自信をなくしている。ず〜んと重い空気を纏っていると、先生がきた。
「おいお前ら全員席に着けー」
「はーい」
「みんな机が一つ増えているのでなんとなく察していると思うが…このクラスに転校生が来ます!いえーい!」
「やった!転校生だ!」
「イケメンかな?」
「美女だろ」
「入ってこい新塚ー」
「……」
スタスタと何も言わずに現れたのは…
(昨日の不良!!?)
マジか…転校生だったのか…どうりで見たこと無いはずだわ…
「自己紹介よろしく」
「………中国の北京から来ました……新塚澄春……よろしく…」
(((うわ無愛想…)))
クラスのみんなの心が一つになったことは黙っておこう。
(てか北京!?北京て!帰国子女だ…)
「えーとじゃあ新塚は波瑠咲の隣に席置いといたから、座ってくれ」
「……」
あ、茜のとこなんだ。やっぱり茜は主人公だったのね…!
「あの…俺女苦手で…」
「え」
すっごい青い顔で言った!
「おおそうか。じゃあ好きな所に机移動してくれ」
「うす」
澄春君が机を持って歩き出した。女の子苦手だったんだ…以外…あ!ぶつかった時目つき悪かったのって混乱してたのかも。
とか悠長に思ってたら私の後ろきたー!どうしよ!?え!?どうしよ!?(二回目)
「………」
無言で圧かけて来ないで怖い!
「……お前、昨日ぶつかった女だろ」
「ひぇ」
「放課後時間あるか?」
ひいいい!殺される!お父さんお母さん私を育ててくれてありがとう…
放課後
「その……わりぃ。横見てなくて…いやこんなの言い訳にしかならねえんだが…本当にごめん。ケガとかしてねえか?」
………あれ心配されてる?何故???
「もしケガとかしてたら責任取るから…」
というより…以外といい人?
「あ、いや別にケガなんて全然…前見てなかった私も悪いんだし…」
「そうか…良かった…」
ふーっと澄春君が倒れてしまった!
「新塚君!?」
〜〜〜〜〜
「ん…」
「あ、気がついた?」
「ん?」
「ん?」
「……!?」
「?」
………………やべえやべえやべえやべえやべえ!!どうすれば!?俺はどうなった!?え〜…ぶつかった女に謝罪して…それで緊張が取れた瞬間に眠気が襲ってきて…てかなんで俺はその謝罪した女に膝枕されてんだ!?俺はどうすればいいんだ…
「大丈夫?持病持ちとか?」
「………は?」
心配されている…初めてだった。人に心配されるのは。身を案じられるのは。母さんだって病気で死んで、父さんは酒に狂って自殺して…金髪にびびってだれも近づいてこねーし…つかこの金髪地毛だし…皆染めてると思ってるけどこれはフランス人のばあちゃんの髪が隔世遺伝しただけであって…あ、だめだ。また俺は言い訳ばっかり。それで結局遠い親戚の中国人に預けられて、最近日本に転勤になったからこっちに戻ってきたんだ。
「………」
女は苦手だ。昔病気で狂った母さんを思い出すから。罵倒を浴びせられたと思ったら優しく抱きしめられたり、人買いに売られそうになってギリギリで辞めたり……それに女は怖い。腹黒いし。大体の事件は女が被害者である場合が多いからか、世間は圧倒的に女を優先する。被害者のフリをしているかもしれないことにも気づかずに……
「ごめん…」
「え?なにが?」
「俺こんな金髪してるし…不良みたいに見えて怖いだろ?」
「確かに最初は怖かったけど…もういい人だってわかっちゃったからなぁ…」
「え」
「ん?」
「いい人…って、俺が?」
「うん。だって悪い人はわざわざ謝ったりなんてしないでしょ?ていうか世間一般的に見てもぶつかった位で責任取るとまで言う人滅多にいないし」
「マジか!?北京と全然違う…」
「日本は治安いいからね〜」
「忘れてた…」
「まあそれでも悪い人はいるけどね」
「うむ…」
「ところで、家帰らなくていいの?」
「家…あ」
「もう下校時間ギリギリだよ?」
「どわあああああ!!」
「びっくりした!でも急いで!」
「わーわー!」
「わーわー!」
わちゃわちゃと鞄やらなんやらを持ってなんとか校門を出ることが出来た。
「よかったー!間に合って…」
「ごめん俺のせいで…」
「またなんでもかんでも自分のせいにして…ダメだよ?そういうの」
「そうか?」
「うん」
「わかった。じゃあまた」
「うん!また明日ね!」
バイバーイ!と笑う彼女は夕陽よりも輝やいていた…と思う。なんというかこう…
かわいい
と思ってしまった自分を今すぐ殴りたい!
せっかく会えた優しい人に嫌われたくは無いだろ!そうだ!喝の入れ直しだ!!
その後叫びながら走る謎のイケメンを見たという通報が何件かあったらしい…
〜〜〜〜〜
アルオン内…
「よし!ログイン完了!」
「ティーア!」
「あ!シュナ!」
「ナイスタイミング!今から案内役のプリンセスからお知らせがあるんだって!」
「プリンセス?」
「アップデートやイベントのルールを教えてくれるNPCだよ!ですわ口調が可愛いんだ〜♡」
「ふーん」
『皆様〜!お集まりになって?街に行けない人もぜひ案内板から見て下さいな!』
「いかにもお姫様って感じだね」
「プリンセス可愛い〜♡」
「シュナプリンセスが好きなんだ…」
「だって可愛いもーん!」
「はいはい」
『では皆様に重大発表をいたしますわ…なんとこのアルライトオンライン…』
「「ごくり…」」
『超大型アップデートされることが決まりましたの!』
わああああああ!!とすごい歓声が聞こえる。ほえ〜…アップデートだけで…
『なんとなんと!この度、最高レベルが1600までアップいたしました!』
ワアアアアアアアアア!!!!
「………………え?」
おまけ
(澄春君は中国語で話しています)
「ただいま…」
パーン!
「!?」びくっ
「サプラーイズ!」
「誕生日おめでとう澄春くん!」
「あ、ありがとうございます…」
「はい!プレゼントよ!」
「?」
手渡されたのはゲーム機とゴーグルそして…
「アルライトオンライン…?」
読んでくださりありがとうございました!これからもどうか読んでくださると嬉しいです!