親友が大賢者だった件
連続投稿です!ごゆるりとお楽しみください!
アルライトオンライン。そのゲームは、世界初、レベルの頂点を1000にすることを発表した。その後、モンスター、NPC、沢山のスキルや豊富な職業の数々に、皆心を奪われた。そして、1年が経ち、未だ現れたことのないレベル1000には、一体誰が最初に登りつめるのだろうかと皆待ち遠しく思っている。そして、最もレベル1000になる可能性が高いのが、聖剣士、大賢者、竜使いの三つだ。これらの職業は、神の御業と言われ、それぞれ剣士、魔法使い、動物使いの職業が進化することで、手に入れる事ができる、本当の才能あるゲーマーが持つ職業。それが神の御業なのだ。
「今日学校行きたくない…絶対茜にレベルMAXになったことバレたらそれこそめんどくさくなる…」
昨日、1年かけてもレベルMAXにすることが出来ないらしいアルライトオンラインをお試し感覚でやった結果、絵描きが思った以上にぶっ壊れ性能であり、初日でレベルMAXにしてしまった。森の中で絵を描いていただけだったのに。娯楽を楽しんでいただけだったのに。今更後悔してももう遅い。あの時その場のノリで山程あった経験値をステータスの全てに均等に振り分けた(つもり)結果、ステータスまでぶっ壊れ、レベルもぶっ壊れ、もう何がなんだかわからない。
「まあ、仕方あるまい。登校は高校生の宿命よ!」
そう自分に喝を入れ、家を出る。食パンは加えない。流石にね…そんなことを思っていると、
ドンッ
「「いって」」
誰だ前も見ずに…と目の前を見てみると、妙に顔の良い不良?がいた。やっちまったと私は心の中で叫んだ。
「ご…ごごごごめんなさーい!!」
そう叫び、私は全速力で走った。正直ああいうタイプは本当に無理だ。怖い。
絵真の通う高校にて
「はぁ〜…」
「どしたの絵真?ため息なんてついて」
「めっちゃ怖い人とあった…」
「マジか。極道的な?」
「いや。不良的な…」
「そっちか〜」
「マジ怖いー!」
ひええと怖がっているところを慰めてもらうと、
「どうしよう…二重の意味で…」
「ほんとにどしたん?牛の世話嫌なら変わってあげるよ?」
「いらん配慮…」
「あ、アルオンどうだった?」
「あるおん?」
「アルライトオンラインの略語!」
「ふ〜ん」
「で、どうだった??」
「そんな食い気味に来ないでよ…まぁ…ボソボソ」
「え?」
「色々あって…レベル1000になっちゃった…」
「え!?マジか!スゴ!」
「いやなりたくてなったわけじゃ…」
「昨日は誘えなくてごめんねー!名前聞くの忘れてたからグループ作ろうにも作れなくて…」
「名前?」
「え?設定の時ヘルプに聞かれなかった?」
「……あ」
昨日
『お名前はどうされますか?』
「え?えー…適当で」
『かしこまりました。』
〜〜〜〜
「ってことはあった…あれか〜…」
「名前一回だけなら変えれるよ」
「ほんと!?」
「うん」
「ヨッシャー!」
放課後家にて
「準備完了!」
『ログインします。ゴーグルを外さないで下さい。』
「はーい」
またあの感覚だ。まあ楽しいしいっか。
パチッ
「あ、昨日の森だ」
昨日ログアウトした所から始まるようだ。
「えーと名前は…あこれか」
ステータスの中に改名のボタンがあった。押すと、
『この機能は名前を一度だけ改名することが可能です。』
貴方の現在の名前:テキトウ
「マジの適当だ!そんなことある!?」
『改名しますか?』
「イエス!百パーイエスううう!」
急いでイエスのボタンを押した。すると、新しい名前を入力してください。という文と、五十音表?みたいな物が出てきた。
「えー…エマ?いやいやそのまますぎ…絵描きだしアーティスト?長いな…うーむ……」
しばらく考えた結果…
「よし!ティーアにしよう!」
アーティストからストを抜いて、ひっくり返しただけだが…まあテキトウよりはマシだろう。
「ティーア…っと!」
ピロンッ
貴方の現在の名前:ティーア
「ふう…」
一旦ゴーグルを外すと、
〈名前はティーアです!〉
と、茜にメールを送った。すぐに既読が付き、了解スタンプが送られてきた。
確認した絵真は、すぐにゴーグルを付け、アルオンの世界に戻った。すると早速
『シュナからグループ要請が来ています。グループになりますか?』
「イエス」
イエスを押すと、いかにも魔法使いな格好をした髪の長い少女が立っていた。
「茜〜!」
「絵真〜!と言いたいところだけど」
「おっとっと、なんじゃそりゃ」
「茜じゃなく、ここではシュナって呼びなさい」
「シュナね?わかった!シュナ!」
「私も貴方のことティーアって呼ぶから」
「はーい!」
「でで?職業何選んだの?」
「絵描き」
「だよね~…」
「でもどうやって絵描きでレベル1000になったの?」
「えっと…絵描きの特性?みたいなのがあって、それが、一枚絵を描くごとに、想像力が1.5倍になるんだって」
「想像力ぅ!?あれに経験値入れてる人なんていないわよ?」
「え!?まあいいや…それで30枚位描いたあとにステータス見たらなんか娯楽分の経験値が
27000も入ってて…」
「27000!?何そのふざけた量は!!」
「よね!?意味わからんよね!!」
「………で、全部にぶっ込んだと」
「そうゆうこと☆」
えへ、と笑うもシュナは何も言わない。
「シュ、シュナ?ごめんね?なんか私もよくわかんなくて……」
「凄い…」
「???」
「凄すぎる!!私やっぱりティーアと友達で良かった!」
「シュナ……もちろん!私もシュナが友達で良かった!」
二人で凄く笑いあった後、
「あ、そういえばシュナは職業何なの?魔法使い?」
「私?私はね〜…大賢者!」
「大賢者?大賢者……大…賢者…」
昨日
「剣士、魔法使い、猛獣使いは極め続けると進化し、とても強くなります。それぞれ聖剣士、竜使い…」
〜〜〜〜
「大賢者ぁ!!?」
「うん!」
「シュナ…あんた私よりずっとすごいわ…」
「?」
読んでくださってありがとうございました!