人生初のバトルイベント〈四日目〉
12話です
前日、雷の大賢者ライズに敗退したシュナは、バルと共にティーアの試合を観戦していた。
〜〜〜〜〜
現在ティーア
「うーん…暗い!」
今ティーアがいる場所は光無き谷。その名の通りとても暗い。普通は光魔法を使って進むエリアなのだが、ティーアは光魔法など持っていない。なので手探りで進んでいる。
「こんなところで敵にあったら絶対勝てないよお〜!助けてシュナ〜!アオ〜!バルく〜ん!」
そう叫ぶとティーアはぴぃぴぃと泣き始めた。
「泣いてるよあいつw」
「中身幼児なんじゃない?」
他のプレイヤーがティーアを笑う。
「ったく…あいつは…」
呆れるシュナ。
「頑張ってください!師匠!」
空気を読まないバル。広場は今やティーアの笑い話でいっぱいだった。
〜〜〜〜〜
その頃ティーア
「暗いよー怖いよー私オバケとか無理だよ?ほんと無理…」
その後も涙目で暗い谷の中を進んでいく。すると、いきなりピロリン、と可愛らしい音がなった。アルオンの通知音だ。
「ひぃっ!?なになに!?オバケ!?無理っ!私オバケ無理ぃぃぃ!!…ってなんだ公式からの連絡か…」
取り乱し過ぎている気もするが、仕方がない。とりあえず公式からのメールを開いた。
『こーんにちはーっ!ですわ!』
すると突然ホログラム状態のプリンセスが飛び出てきた。
「おわっ!プリンセス…」
『ごきげんよう!ティーアさん!ミッションをお伝えに来ましたわ!』
「?は、はあ…」
『んもぅ!そんなに怖がらないでくださいな!私はプリンセス!…と言うことはご存知ですわね。アルオン夏のバトルイベントでは、三日目からミッションが発令されるかもしれないとお話したでしょう?』
「そー…だったかな?うん。そうだ。たぶんそう」
『ですので、そのミッションを伝えに参りました!』
「おっけー!それでそのミッションはなんなの?」
『では発表いたします!ティーアさんのミッションは〜?だらららららら〜…じゃん!』
(自分でドラムロールやるんだ)
『〈倒せ!エリアボスモンスター!〉ですわ〜!』
「えりあぼす…?」
はて、ティーアが首を傾げると、プリンセスはエリアボスモンスターについて説明した。
『アルオンのエリア内には、倒すと沢山の経験値や、激レアアイテム、とってもお強い武器、装備などが手に入る、とぉーってもお強いボスモンスターさんのことですわ!』
「へー…とりあえずわかった!んじゃ場所教えて!」
『私はあくまで一プログラムですのでそういうことは致しませんわ!では頑張ってくださいねー!』
するとホログラムは消えてしまった。
「ちぇー…まあいいや!流石にすぐに出会えるなんてことはないだろうし!てかそもそも倒せるかもわかんないしね〜」
そうつぶやきながら歩いていたティーアの上から大きな石が降ってきた。だがティーアは気付かない。
〜〜〜〜〜
その頃シュナ達
「あの女死んだなw」
「あーあ。やっぱりシエル様に勝てたって噂はデマね」
「シュナ様と一緒にいたのもどうせごますってたんでしょ」
他のプレイヤー達がティーアを野次る。シュナとバルの二人はそんなことには気づかず、
「師匠ー!どうしようシュナ!師匠が!師匠が死んじまうー!お前魔法使いなんだから箒かなんかで飛んでいけねえのかよ!」
「やったらティーアが失格になっちゃうでしょ!そもそもバトルイベント中は参加プレイヤーがいるエリアには立入禁止よ!」
「嘘だろぉぉ!!?」
周りなど見えていなかった。
『うーん…こっちかなー?』
ティーアに落石が直撃した。バラバラになったのはティーア…ではなく落石だった。落石は、ティーアの頭に当たった途端にバラバラに崩れてしまった。
「「「……………」」」
広場に沈黙が流れる。長い長い時間が過ぎ、一人が口を開いた。
「なあ、あの落石、相当デカかったよな…?」
「俺行ったことある。ダチが即死した」
「ええー…」
プレイヤー達が驚愕していると、シュナが得意気に言った。
「忘れたの?あの子のレベル」
「あ…そうだった。でもステージギミックとステータスって関係あんのか?」
「あるある!守備力高かったらステージギミックのダメージもその分減少するわ」
「そっ…か…よかっったぁ…」
バルは自分の師匠の無事に安堵し、ライブ映像に目を戻すのであった。
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