Grand Guignol with sizuki14
Grand Guignol with sizuki14
グランギニョルウィズシヅキ
ここでシヅキのもう一つの創造が完成した
シヅキが詠唱を唱え終えると背後から巨大な方舟が出現した
それこそがノアの方舟である
しかし、伝承に伝わる本当の方舟ではなく、シヅキの守りたいという渇望から創造されたものである
櫻井戒
こ、これは、、、、、
ベアトリス
いったい、何が起こっているの、、、、、
当然、櫻井戒とベアトリスは驚きを隠せない
そして、ここからがシヅキの本当の力が明らかとなる
シヅキ
戒の兄貴、ベア姉
櫻井戒
シヅキ、、、君は、、、
ベアトリス
シヅキくん、これはいったいなんなの?
シヅキ
これは俺のもう一つの創造だよ
櫻井戒
やはりか、、、
ベアトリス
す、すごいわ、、、ぐっ!
櫻井戒
ベアトリス!、、、ぐっ!
櫻井戒とベアトリスはもう後がない
このままでは消滅してしまうのだ
シヅキ
待ってて、2人とも、今から助けるから!
ベアトリス
ぐっ!、、、でも、、、どうやって、、、、
そして、シヅキは詠唱を唱えた
シヅキ
主よ、我が大切に想う人々を
Herr, die Menschen, die mir so am Herzen liegen
我が方舟に誘いたまえ
Lade mich in meine Arche ein
すると、方舟から一つの光が櫻井戒とベアトリスに照らされる
そして、次の瞬間、照らされた2人がまるで幽体離脱のように魂と身体が分離する形となった
櫻井戒
こ、これは!
ベアトリス
私たちの意識や魂、そして能力だけが身体から離れてるって事?
シヅキ
そうだよ、そして、戒の兄貴とベア姉は方舟にいる限り、消滅する事はないから安心して
そして、シヅキの創造位階により、現れた方舟に櫻井戒とベアトリスが乗り込んだのだ
シヅキ
ふぅー、なんとかなった、、、、、、
櫻井戒
シヅキ
シヅキ
うん?どうしたの?
櫻井戒
消滅しかけたけど、君のおかげで命を救われたよ、ありがとう
ベアトリス
ええ、本当に助かったわ、ありがとね、シヅキくん
シヅキ
うん!、本当に良かったよ!
シヅキはホッとした笑みを見せた
これで2人が消滅する事が無くなって良かったと
そう心のそこから思うのだった
そして、次の瞬間
シヅキ
、、、、っ!?、、、あれは!!
櫻井戒、ベアトリス
!?
櫻井戒とベアトリスが方舟に誘い終わると櫻井戒とベアトリスの身体は文字の消滅となった
次の瞬間、魔法陣のようなものが櫻井戒とベアトリスのいた所から光をまとい現れた
そして、その魔法陣から光り輝く柱のような閃光が天井に伸びていった
シヅキ
もしかして、あの魔法陣みたいなのが!
櫻井戒
ああ、そうだよ
ベアトリス
あれがスワスチカよ、シヅキくん
シヅキ
なっ!
櫻井戒
そう、黄金錬成に必要な生贄とその生贄が捧げられる場所で開かれる錬成陣だ
ベアトリスは握り拳をギュッと握り込んだ
ベアトリス
聖槍十三騎士団が目的の一つとしているものよ
そう、これこそが聖槍十三騎士団黒円卓の目的の一つである黄金錬成を成す錬成陣、ならびに黄金錬成のための生贄が捧げられる場所、つまり"スワスチカ"の一つが開かれたのだ
そして
・ヴィルヘルム、ザミエル、サチサイド・
サチ
あれは、、、、
ザミエル
ふん、ついに開いたか
ヴィルヘルム
ほぉ、て事はついに逝っちまいやがったか、"あいつら"
サチ
なるほど、私の"前任者"と第二位様が天に召されたと言う事ですね
ザミエル
ああ、その通りだ
ザミエル
そして、あの"馬鹿ども"のお陰で、第一のスワスチカが開かれたのだ
サチ
やはり、そうでしたか
ザミエルたちはシヅキたちが戦をしているところから少し離れたところにいた
ザミエルたちはベベルスブルグ城に帰還している最中である
そして、その合間に第一のスワスチカが開かれた時に現れる、光り輝く柱のような閃光が天井に伸びていったのを目撃したのだ
ヴィルヘルム
ふん、まあ、正直、あいつらは俺が殺してやりたかったがな
ザミエル
ふん、まあ、そう言うな、ベイ
ザミエルはタバコを取り出した
そして、火をつけ、一服した後続けて言うのだ
ザミエル
すー、ふぅー、貴様には目的の獲物がまだいるであろう?
ヴィルヘルム
ああ、そうだ、くくく
ヴィルヘルムはそう言い、ニヤリとした
ヴィルヘルム
はああああははははははははははははははは!
そして、狂気に満ちた笑い声が鳴り響く
ヴィルヘルム
待ってろよぉー、小僧ども!
ヴィルヘルム
次会った時は吸い殺してやるよぉおおおおお!
ザミエル
ふん、では帰還するぞ
ヴィルヘルム
へっ!
サチ
ヤヴォール!
そして、ザミエル、ヴィルヘルム、サチは聖槍十三騎士団黒円卓の本拠地であるベベルスブルグ城に帰還するのだった
・ヴァレリア、シュピーネサイド・
シヅキたちとヴィルヘルムたちが戦を行おうとした時とある人物達が風の刃に所属するリウビアを攫って行った
その名はヴァレリア、聖槍十三騎士団黒円卓第三位ヴァレリア・トリファ=クリストフ・ローエングリーンまたは聖餐杯と呼ばれている人物と第十位ロート・シュピーネである
彼はもまた、スワスチカによる黄金錬成の反応に気づいたのだ
ヴァレリア
おやおや、ついに第一のスワスチカが開かれましたか
ヴァレリアは自身がかけているメガネを人差し指で調整する仕草をしつつ、言葉にした
シュピーネ
ええ、そのようですねぇー、さてさて、いったいどのような御仁がスワスチカの贄となったのでしょうか
シュピーネはそう言い、ニヤリとしながら続ける
シュピーネ
ひぃーひひひ、まあ、わかりきってはいますがねぇ〜
ヴァレリア
ふむ、この反応から見るにトバルカイン(櫻井戒)とキルヒアイゼン卿でしょうね
ヴァレリア
彼らは元々、我々と敵対する反応を見せておりましたからね
ヴァレリア
結果的にハイドリヒ卿と副首領閣下に歯向かうと言う恐ろしい苦境に至ったと言うわけでしょ
シュピーネ
ええ、我々がベイ中尉の元を訪れた時には既に敵対している状況でありましたしね、いやはや、狂気の沙汰としか思えませんね
ヴァレリア
ええ、ですが、彼らのおかげで、第一のスワスチカが開かれたと言っても過言ではない
ヴァレリア
そして、我々も、"彼"を贄と選んでいる、この状況を見るに第二のスワスチカを開くのに近いのは私たちであると思いますがね
ヴァレリアたちが彼と言っているのは攫ってきたリウビアである
ヴァレリアたちはリウビアを贄とし、そして、贄となる場所を何処に選ぶか考えているのだ
リウビア
う、うーん、、、、こ、ここは、、、、、はっ!そうだ!シヅキ!?戒さん!?ベアトリスさん!?
そして、リウビアは目を覚ます
リウビア
っ!!、なんだこれ?、蜘蛛の糸?、なんで俺が拘束されているだ!?
ヴァレリア
おやおや、お目覚めですか、リウビアさん?
リウビア
!?貴方は!!
ヴァレリア
お久しぶりですね、と言っても数刻前にお会いしたばかりですが
リウビア
どうして、あんたがここに!?、はっ!そうだ、シヅキたちを知らないか?
ヴァレリア
いいえ、見ていませんね、そのお方とどうかなさいましたか?
リウビア
ああ、実は
そうするとリウビアは今までの経緯を話し始めた
リウビア
俺はヴィルヘルムと言うプレイヤーに質問していたんだ、そしたら、突然、吹っ飛ばされて気を失ったんだ、そして、今の状況になったんだよ
ヴァレリア
ほう、それは大変でしたね、ですが、心配はいりませんよ
リウビア
え?
ヴァレリア
なぜなら、この状況を作ったのは私たちと言っても過言ではないのですから
リウビア
な、何を言って、、、、、
リウビアは突然何を言ってるんだと言う表情をしていた
シュピーネ
ひぃーひひひひひひ、おやおや、気がついていないのですねぇ〜、この糸が私から出ているものだと〜
リウビア
っ!!、まさか、お前たちが、、、、、
そう、リウビアは気がついたのだ
リウビア自身を吹っ飛ばされたのも、このような誘拐じみた状況を作り出したのも、全部、ここにいる2人である事に
ヴァレリア
ええ、その通りですよ
ヴァレリアは不敵さがある優しい笑みからメガネの位置を整える、そして、リウビアに改めて名乗るのだった
ヴァレリア
さて、それでは戯れ遊びも終わりです。改めて自己紹介をいたしましょう
ヴァレリア
私の名は聖餐杯、聖槍十三騎士団黒円卓第三位、首領代行、ヴァレリア・トリファ=クリストフ・ローエングリーン、あなたがご存じである情報屋様である我が師からは、"邪なる聖人"などと"祝福"(呪い)を賜った男ですよ
リウビア
俺が知っている情報屋?、、、、それに、聖槍十三騎士団黒円卓って、、、!!!
"聖槍十三騎士団黒円卓"
櫻井戒とベアトリスから教えてもらった、ギルド名
そして、ヴァレリア・トリファが気になる言葉を言っていた
"あなたがご存じである情報屋様"
リウビアが知っている情報屋
アルゴなどの情報屋の仲間、そして
警戒しなければならない男、"メルクリウス"
誰なんだ、、、、、俺が知っている情報屋って、、、、
リウビアは不思議な感覚だった
自身が確信を持って言える怪しい情報屋が頭に浮かぶがすぐにモヤがかかったような感覚に至っている
これではまるで
"それ以上は知る事は許されないと言われているみたいだと"
そして、もう1人のプレイヤーが自己紹介をする
シュピーネ
さて、聖餐杯猊下が自己紹介を済ませましたので、私も自己紹介といきましょう
シュピーネ
私の名前はシュピーネ、聖槍十三騎士団黒円卓第十位ロートシュピーネ、以後お見知り置きを風の刃に属する情報屋殿
色白で手足の長い痩躯の男性である
リウビアは思った
口調は丁寧だが言動の端々に下卑た感性が滲み出ており、弱者を一方的に弄り殺す事を好み、自分の好きな時に好きなように殺し犯す事を望む快楽殺人者であると感覚的に感じたのだ
シュピーネ
貴方の事は色々と調べさせていただきましたよ、なかなか興味深いですねぇ〜貴方は
リウビア
なに?
シュピーネはニヤリとしながら続けていく
シュピーネ
貴方は近接戦闘では細剣を使用し、中距離戦闘では槍を使用するようですねぇ〜
リウビア
っ!
シュピーネ
そして、アクロバティックに動き回り、相手を分析し、安全マージンから攻撃すると言う、うぅ〜ん、なかなか良い心がけですねぇ〜
リウビア
くっ!
シュピーネ
そして、幻想の英雄に所属するシヅキと言う方と幼馴染であるという、なかなか羨ましいとしか思えませんねぇ〜
リウビア
お前!なんでそんな事まで知ってやがる!!!
シュピーネが言い終えるとリウビアは驚きを隠せないままだった
シュピーネ
私は"元々"そう言う事を専門分野の一つとしていますからねぇ〜、これくらいの事は当然知る事ができるのですよ
リウビア
、、、、、、、、
シュピーネは元々ヒトラー政権時代に情報監察官及び科学者であり、武装親衛隊髑髏師団トーテンコープの肝入りとして収容所に勤めていた経歴があり、こう言う事はできて当然と言う事なのだ
しかし、リウビアはその情報を知らないので驚きを隠しきれなかったのだ
一番驚きを隠せない事はリウビアとシヅキの関係についてだ
これはリアルで合っている事を知らない限り、知る事ができないのだ
だが、リウビアはこれ以上、ヴァレリアたちに油断を与えないためにリウビアは冷静に答えた
リウビア
俺をどうするつもりだ?
ヴァレリア
おや、案外冷静に対応するのですね、リウビアさん
リウビア
当たり前だ、俺は情報屋だ!
リウビアは怖いと言う想いを押し殺し、ヴァレリアとシュピーネに強気な姿勢を見せる
リウビア
目の前の"現実"から逃げないし、目も背けない!
リウビアは蜘蛛の糸で縛られ、拘束られ、身体が蝕まれていく中、ヴァレリアたちに言葉を発する
リウビア
俺は前へ進むって決めてるからな!
その瞬間、ヴァレリアは不敵に笑い出した
ヴァレリア
ふはははははははは
ヴァレリア
ふはははははははははは、はあはははははははははははははははははははは
ヴァレリアの笑い声は響き渡るほどの声であった
ヴァレリア
はははは!これはなんとも勇ましい事ですね
ヴァレリア
ですが、安心してください、リウビアさん
ヴァレリア
ここで、貴方を殺したりなんてしませんよ
リウビア
どうだかな、お前たちは信用できないね
ヴァレリア
ほう、それはなぜです?
リウビアは一呼吸をおき続けて言葉を発する
リウビア
お前たちが俺の知っているギルドに所属する"奴"(メルクリウス)と同じぐらい信用できないからな
そう、リウビアが最も警戒している男は"メルクリウス"だ
ヴァレリア
おやおや、そんな方と"お知り合い"とはなかなか大変な思いをしていらっしゃるのですね、ふふふ
ヴァレリアは表情を変えずに、微笑んでいる状態だった
リウビア
それに
リウビア
お前たちと同じ仲間の櫻井戒とベアトリスから教えてもらった!
ヴァレリア
ほう、それはいったい何を教わったと言うのです?
リウビア
決まっている!お前たちの事だ!
そう、リウビアはシヅキと一緒に聖槍十三騎士団の事を櫻井戒とベアトリスから教えてくれたのだ
ヴァレリア
なるほど、それであの場所にいたのですね
リウビア
ああ、そうだ!
ヴァレリア
しかし、なぜ、その方々のことをそこまで信用なさるのですか?
ヴァレリア
彼らもまた、"我々の仲間だったはず"
ヴァレリア
リウビアさん、我々の事が信用ならないのならば、彼らの事も信用できないのではありませんか?
ヴァレリアはリウビアに問いた
そして、シュピーネもその後に続いた
シュピーネ
確かに、普通ではそう考えるのが"万物の理"であり"真理の一つ"というもの
シュピーネ
ですが、情報屋殿?、あなたは"そうならなかった"
シュピーネ
つまり、あの2人(櫻井戒とベアトリス)に洗脳されたとしか思えませんねぇ〜
ヴァレリアとシュピーネはリウビアに挑発にも見える、言い方をした
その瞬間リウビアはその挑発に乗ってしまったのだ
リウビア
それは違う!!!
リウビアはヴァレリアたちに怒号を迸らせて言う
リウビア
彼らはシヅキの"友達"でもある!
リウビア
あいつが信用している人を見限るような真似できるわけないだろ!それに
リウビアは櫻井戒とベアトリスが言った言葉を思い出す
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ベアトリス
少なくとも私と戒は、あの時君たちと一緒に過ごした日々はかけがえのないものよ
櫻井戒
ああ、君たちに出会えて本当に嬉しかったよ
by.Grand Guignol with sizuki 6
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リウビアは櫻井戒とベアトリスの話を思い出し、その勢いでヴァレリアとシュピーネに言いつけた
リウビア
俺たちと一緒に過ごした日々はかけがえのない日々だったって
リウビア
俺たちに感謝もしてくれたし、俺たちと一緒にヴィルヘルムやお前たちと戦うって言ってくれたんだ!
リウビア
そこまでしてくれる人たちを信用しないなんて俺にはできない!
リウビアはそう言いきり、想いを伝える
それは"お前たちだからこそ"信用はできないと
ヴァレリア
ふふふふふふ、ふはははははははははははははは
ヴァレリア
ふはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
ヴァレリア
なるほど、それはそれは彼らも随分と慕われたものですね
そう言い、ヴァレリアはメガネの位置を整え、不適な笑をする
ヴァレリア
ですが、残念ながら"彼らと共に私たちを倒す事などできないのですよ"
リウビア
な、なに?
リウビアは驚きと言うより、唖然としていた
それはそうだ、ヴァレリアが言ったのは櫻井戒とベアトリスと共に倒す事ができないと言う事だ
リウビア
いったい、、、何を言っているんだ、、、、、、
ヴァレリア
おや、わからないのですか?ならば教えて差し上げましょう
ヴァレリアはそう言いきり、リウビアが聞きたくない言葉が聞こえたのだ
ヴァレリア
"彼らなら死にましたよ、、、、、第一のスワスチカを開くための贄としてね"
リウビア
っ!?
つづく