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Grand Guignol with sizuki10

Grand Guignol with sizuki10

グランギニョルウィズシヅキ



現実に戻されたシヅキはとんでもない力を引き出していた。



シヅキ

形成 (イェツラー)

Yetzirah―


ヴィルヘルム

あぁ?


櫻井戒

っ!


ベアトリス

え?



シヅキから放たれた"言葉"、それは聖槍十三騎士団なら聞き覚えのある言葉だった。

そして、今"ここにいる3人"は"なぜシヅキが"と言う思いがよぎっていた。そして



シヅキ

ノアの方舟(アーシャ・ノア)

Arche Noah



その瞬間シヅキの状態が変化していく。

それは"形成位階"である。

天使のような翼が生まれ、吸血鬼の長に相応しい剣、"メトシェラ"が生まれる。

それはまるで、"旧約聖書の創世記5章21節から27節に登場する伝説的な人物であるノアの方舟で知られる祖父、メトシェラ"であるかのような姿である。



ベアトリス

し、シヅキ、、、くん?


櫻井戒

っ!?、シヅキ、君のその姿は?


シヅキ

"俺にもわからない"けど、これならヴィルヘルムと対等に戦える!



そして、シヅキは自身が生み出した聖遺物、メトシェラの矛先はヴィルヘルムに向けられた。



シヅキ

これでお前と俺は対等だ!


ヴィルヘルム

、、、、、、、、、、



ヴィルヘルムは戦闘卿であるが、ただ単に戦に突っ込むだけの人物ではない、彼は洞察力、観察力、そして戦略に優れているのだ。

だから、ここまで生き残ってきたと言える。仮にヴィルヘルムがただの戦闘卿であるならば、聖槍十三騎士団に入る前に死んでいるであろう。

そして、ヴィルヘルムは感じていた。シヅキがその姿になった時、"一瞬時が止まった"と言う事に。



ヴィルヘルム

てぇめ、、、、、まさか、、、、、



そう、このような芸当ができるのはヴィルヘルムの知る限りでは"やつ"意外いないと言う考えに至った。



"メルクリウス"



そう、ヴィルヘルムが知る限りメルクリウスぐらいしかいないのだ。



ヴィルヘルム

くっ!、くくくくくくくくくくくくくく


ヴィルヘルム

ふははははははははははははははははは


ヴィルヘルム

ひゃーっ!ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ



ヴィルヘルムはある一つの確信に行き着いた。

そう、メルクリウスがシヅキをそそのかして、"成長"させたのだと。

そしてシヅキも"メルクリウスの水銀の毒"に侵され創めたのだと言う事だ。

ヴィルヘルムは狂気の笑いと怒りが呼び起こされた。



ヴィルヘルム

そぉーか、そうだったよなぁ!、あの野郎(メルクリウス)、これも計算のうちってかぁ!あの時みたいによぉ!



それはあのデスゲームでヴィルヘルムは黒の剣士であるキリトと戦闘を行った時もメルクリウスの介入があったのだ。



ヴィルヘルム

はっ!だが、そんな事はもうどうでも良いっ!



 これで"てぇめ(シヅキ)とまともに殺し合い"ができる。あぁ、てぇめが成長してくれて嬉しいぜ、小僧と言わんばかりに、そして



ヴィルヘルム

おい、小僧、お前さっき言ったよな?


ヴィルヘルム

これで"対等だ"ってよぉ


シヅキ

あぁ!それがどうしたって言うだ!



そう、この状況下でシヅキは形成位階に到達した。

そして、それはシヅキがヴィルヘルムと対等に戦える状態になったとシヅキは考えている。



ヴィルヘルム

対等って言うんだったら、、、、、、、っ!



その瞬間、ヴィルヘルムの身体から生えている薔薇の夜が更なる能力を引き出した。



ヴィルヘルム

っ!この状況をどうにかしてみせろやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!



そして、死森の薔薇騎士による魂の吸収が増大した。



ベアトリス

くっ


櫻井戒

、、、、、、



そして、櫻井戒、ベアトリスは更に魂を吸われる。身体の皮膚や服などが、枯れ落ちる花のように脆くなるのだ。だが



櫻井戒

っ?


ベアトリス

シヅキくん?


ヴィルヘルム

へぇ〜



今のシヅキには薔薇の夜による魂吸収は無意味に等しいのだ。



シヅキ

言っただろ?これで対等だって


ヴィルヘルム

はっ!そう言う事か



ヴィルヘルムはどのような能力なのか理解した



シヅキ

そう、俺の形成位階は相手の能力を遮断するんだ。これでお前と互角に戦えるって事だ。


ヴィルヘルム

お〜ぉ〜、良いじゃねぇ〜か、最高だぜ!



そして、シヅキは櫻井戒とベアトリスの目の前に立った。

二人は思った。今までのシヅキとは違うと



シヅキ

ちょっと待ってて


櫻井戒、ベアトリス

え?


ヴィルヘルム

あぁ?、おいおい、どうした?まさかこれで終わりじゃねぇーだろうな?


シヅキ

ああ、ここでケリをつける。戒の兄貴、ベア姉、今、この状況を打開するから



その瞬間、シヅキは詠唱を唱えた。



シヅキ

かつてどこかで、私は全ての存在から愛される者となった

Irgendwann in der Vergangenheit wurde ich von allen geliebt


幼い頃から光のみを得て、咲き誇る薔薇のように美しい恋に落ちた

Seit ich jung war, hatte ich nur Licht und habe mich so schön verliebt wie eine blühende Rose


そして、光を持ちし者となり、恋焦がれる存在となり

Und werde derjenige, der das Licht hält und derjenige, in den man sich verlieben kann


汝を救済する天空の吸血鬼

Himmlischer Vampir, der dich rettet


影になりし存在を光によって、滅せられ

Wesen, die zu Schatten geworden sind, werden durch das Licht ausgelöscht


己の慈悲深さを知り、やがて、全ての存在を救済する

Erkenne deine eigene Barmherzigkeit und rette schließlich alle Wesen


故に恋人よ、恋焦がれ落ちろ

Deshalb, Liebhaber, verliebe dich


生きる意味を我に示せ!

Zeig mir den Sinn des Lebens!


創造!(ブリアー)

Briah―


聖森の薔薇騎士!

(ローゼンカヴァリエ・シュヴァルツヴァルト)

Heilig Rosenkavalier Schwarzwald



その瞬間、シヅキの羽から薔薇の杭が生まれる。そして、シヅキの周りは白き薔薇の花とその杭が生まれ、咲き誇れる。



ベアトリス

これは?ベイから吸い取られているはずなのに?


櫻井戒

そうか、シヅキ、これが君の"創造位階"なんだね。


シヅキ

うん、そうだよ


シヅキ

俺の創造位階は周りの人間を"癒す力"を持っているんだ。そして、ヴィルヘルム



すると、ヴィルヘルムの死森の薔薇騎士による魂吸収の威力が弱まっている事に気づく



ヴィルヘルム

こいつは、、、、、、


シヅキ

この事から、俺の創造位階はだいたいわかるだろ?


ヴィルヘルム

ああ、だいたい察しがつくぜ



ヴィルヘルムはニヤリと笑いながら言葉を発する。



ヴィルヘルム

てぇめー、"俺の薔薇の夜"と似たようなもの持ってるだろ?


シヅキ

ああ、そうだ!


ヴィルヘルム

くくくく、ひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!



ヴィルヘルムは高笑いをしだす。

そして、ヴィルヘルムは高揚感に満ちた声で叫ぶ



ヴィルヘルム

はっ!なかなか良いじゃねぇーかぁ!だが、まあ、あの野郎(メルクリウス)の手のひらの上って言うが少し癪だがなぁ!



そう、シヅキの聖森の薔薇騎士はヴィルヘルムの死森の薔薇騎士の対となる創造位階である。

そして、この事から"シヅキがヴィルヘルムと対等の立場にいる"と言う事がすぐにわかるのだ。



ヴィルヘルム

だが、これだけで俺の創造を止められるとは思えねぇ、だとすると。



ヴィルヘルムの目の奥が狂気に満ちた気配を感じる。



ヴィルヘルム

てめぇの"創造"で周りに"癒し"を与えて、それが、俺の"創造"をかき消すようになってるんだろ?


シヅキ

ああ、だから、今、ここで



自身の聖遺物である剣の矛先をヴィルヘルムに向けて



シヅキ

お望み通り、スワスチカ(黄金錬成を成す錬成陣のための生贄)を開いてやる!ヴィルヘルム!お前を使ってな!



ヴィルヘルムの死森の薔薇騎士による周囲の空間を夜へと染め上げ、範囲内に存在するものから力を吸い取る、そして、シヅキの聖森の薔薇騎士による広範囲にいる者は常時回復状態となる。

そして、シヅキの聖森の薔薇騎士は敵である者へは回復ではなく、魂を吸い取ると言う能力を持つ。

これにより、シヅキはヴィルヘルムの死森の薔薇騎士による魂吸収を妨害する状態になり、代わりにシヅキがヴィルヘルムから魂を吸い取る形になる。

つまり、ここに一つの無限ループが完成しているのだ。



ヴィルヘルム

おもしれぇー事抜かしてんじゃねぇーぞ!下等種族がぁ!



その瞬間ヴィルヘルムの薔薇の杭がシヅキに向かって飛び出す。



櫻井戒、ベアトリス

させるか!

させない!


櫻井戒

ふっ!


ベアトリス

はっ!



だが、その薔薇の杭は櫻井戒とベアトリスによって跳ね返された。



シヅキ

戒の兄貴!ベア姉!


ベアトリス

心配しないで、シヅキくん


シヅキ

でも!


櫻井戒

こんなのかすり傷さ



だが、その際に櫻井戒とベアトリスに薔薇の杭が刺さってしまった。



ヴィルヘルム

はっ!そう来ると思ってたぜ!


櫻井戒

なに?



そう、その瞬間、ヴィルヘルムの詠唱が謳われる。



ヴィルヘルム

形成(イェツラー)


闇の賜物クリフォト・バチカル


ベアトリス

なっ!ぐっ、ぐぁぁ!


櫻井戒

くっ!



ベアトリスと櫻井戒は苦しみ出す、これがヴィルヘルムの策略だった。



シヅキ

戒の兄貴!ベア姉!


ベアトリス

くっ!身動きが!


櫻井戒

これは少しやばい状況になってきたな


ヴィルヘルムの放った薔薇の杭、それはある特殊な杭である。それはクラウディアの能力を加えているからである。

よって、櫻井戒はクラウディアの力に抑え込まれる状況で動きを封じられ、ベアトリスはヴィルヘルムの能力により、ベアトリスの身体から杭が突き出すような状況で身体にまとわりつき、動きを封じられると言う状況になる。



シヅキ

二人とも待ってて、今、助け、、、、、


ヴィルヘルム

よそ見してんじゃねぇー!


シヅキ

なっ!ぐっ!



その瞬間思わぬスピードで蹴り飛ばされるシヅキ

そして、ヴィルヘルムの追撃が繰り出される。



ヴィルヘルム

おぉーーらぁーーーー!


シヅキ

くっ!はっ!



ヴィルヘルムの手刀に思わぬスピードで対応できているシヅキ、これにはヴィルヘルムも驚いている。



ヴィルヘルム

はっ!そぉーだよぉ!その調子でもっと攻めてこいやっ!!!


シヅキ

くっ!負けてたまるかぁ!



そして、シヅキの剣捌きとヴィルヘルムの手刀が何発もぶつかり合う。



シヅキ

はあああああああああああ!


ヴィルヘルム

らあああああああああああ!



互いに剣と手刀が混じり合う。

何度も何度も、混じり合い続ける刹那、両者は深傷を負いながら、互いにぶつかり合い、互いに再生する。混じり合う刹那、片腕が吹き飛び、片足が吹き飛ぶ、または胸部が串刺しになり、再生が行われる。もちろん、HPが変動する事はない、あくまで己の魂を消耗させるだけであり、どちらかの魂がなくなれば、消滅する。

そう、これが"聖遺物"を与えられたものが行き着く先の姿である。

つまり、聖遺物を所有している者は身体に"自身で殺した魂"を溜め込む事で、その魂を使い"回復"あるいは"再生"すると言うものである。

 そして、幾度となく手刀と剣が混じり合った瞬間、その反動で両者は吹っ飛ばされる形で離れる事になる。シヅキは左足が切断され、ヴィルヘルムは左腕をもがれると言う状態になった。



シヅキ

ぐっ!



シヅキは落下地点に着陸するが、片足でバランスを取るのは難しく、転ぶ形で着陸し、即座に立ち上がった。



ヴィルヘルム

くくくっ!、どぉーだ!初めて味わう感覚だろ!?


シヅキ

くっ!まだまだ!



そして、シヅキとヴィルヘルムは互いに魂を消耗し、再生する。



ヴィルヘルム

おぉ〜おぉ〜、良いじゃねぇ〜か、だがよ、何か忘れてんじゃねぇーか?


シヅキ

くっ!



そう、シヅキは創造位階まで達成できたが、さっきの創造でヴィルヘルムから魂を吸い取った分だけしか魂を蓄えていないのだ。



ヴィルヘルム

くっ!きゃきゃきゃきゃ!、俺から吸い上げた、魂大切に扱えや、でぇねぇーと魂が底を尽きて、お終いだぜ!


シヅキ

あぁ!わかってる!



シヅキは剣を構えた状態でヴィルヘルム宣言する。



シヅキ

だったら、また、お前から魂を吸い上げるだけだ!


ヴィルヘルム

はっ!



ヴィルヘルムはその言葉を聞き、殺気を漂わせながら



ヴィルヘルム

上等だぁ!その意気でせいぜい楽しませろやぁ!小僧!!



そして、幾度となく、シヅキとヴィルヘルムはぶつかり合う。



ベアトリス

す、すごい


櫻井戒

、、、、、っ!



櫻井戒は創造の力で、自分たちに刺さっている薔薇の杭を腐らした。



ベアトリス

戒?


櫻井戒

僕たちも加勢するよ、ベアトリス!


ベアトリス

ええ!私たちだって負けられない!


櫻井戒

ああ、今ここで、ベイを倒す。


ベアトリス

ええ!



そして、櫻井戒とベアトリスの創造が増幅する。そして、次の瞬間



???

ふん、やはり貴様らは、こちら側(聖槍十三騎士団黒円卓)ではなかったか


櫻井戒、ベアトリス

っ!?



その瞬間、櫻井戒とベアトリスに炎の竜巻が襲いかかる。


つづく

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