表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生特典は「生物学」でした。~バンドメンバー&生物教師と往く異世界冒険譚~  作者: 片想い崩壊's
第一章:再会の時、冒険譚の始まり。
27/40

第二十六話「ちょっとぶりの…」

私用で相当投稿期間が空いてしまいました!

本当にごめんなさい!

翌朝、二人は街外れの薄暗く静かな森へと来ていた。

言わずもがな、その目的は魔石持ちの大量発生の原因調査だ。

僅かな緊張が二人の表情を固くすると同時に、アイテムボックスに詰まった

複数のアイテムがその緊張を多少なりとも和らげている。


簡易魔法石インスタント・マジック、HP回復ポーション、野営道具、薪束、などなど…

これらは二人を心配してギルドから…正確にはキーラから二人に渡されたものだ。


道具を確認し直して覚悟を決めた二人は、それぞれスキルを展開して

森を奥へと進み始めた。

2人が発動したスキルは≪走力強化:Lv1≫と≪体力上昇:Lv1≫だ。

知らないうちに習得していたので、ステータスプレートでそれらを見つけた時は

面喰らったものだが、固有スキルではない、誰でも習得できるものであることと、

名前通りの有用なスキルであったことから、二人はそれらを使用する事にした。

因みに現在、これらのスキルに加えて、祈光は≪跳躍力強化:Lv1≫を、

悠誠は≪視界補正:Lv1≫を手に入れた。

≪視界補正:Lv1≫は頭を揺らした時などで視界を安定させるものらしい。

ヘドバン飛行で身についたんじゃないかと気づいてから、

祈光は五分近く笑いが止まらず、悠誠に叩かれた。


閑話休題


時々休憩も取りながら進んでいると、それなりに魔物にも出会う。

しかし魔狼程度では、万全の二人には傷もつけられずに葬られていく。


「祈光ー、そっち殺って。」


「おっけ。」


容易く倒せていたからだろうか。二人の心には、僅かな気の緩みができていた。

夕刻、そろそろお腹が空いてきたな、と二人は夕食の準備をするべく、

辺りの枯れ枝を収集していた。


その時、一つの影がナイフを掲げて悠誠の背後に飛び降りてきた。

外敵の襲撃に、咄嗟に気付いた祈光が悠誠に叫ぶ。


「悠誠、避けろっ!」


「!?」


瞬時に反応して屈んだ悠誠の背中に、しかし刃先は届き、その身を浅く切り裂いた。


「ぐぅっ!」


「悠誠! 」


駆け寄って回復ポーションをかけようとした祈光の眼前に、

臙脂色の皮膚で、頭部に二本の角を生やした二メートル程の異形が立ち塞がった。


「ゴブリンっ!?」


驚く祈光を他所に暫定ゴブリンは突進を繰り出した。

それに落ち着いて向かい合った祈光は、≪走力教化:Lv1≫、そして≪跳躍力強化:Lv1≫を発動して

横っ飛びに避ける。

突進の勢いのままゴブリンは目の前の木に衝突し、仰け反った。

その隙を逃さず、悠誠は弦を構えて放つ。


「《空震(レゾナンス)・三弦》!」


それはゴブリンの背を強かに打ち、皮膚を割いてその奥の

赤黒い肉にまで達した。


「グギェァア!」


苦悶の声をあげるゴブリンに、祈光は蔓を向ける。


「《生物学(プライモーディアム)》!」


祈光は、その先端を鋭利な形に変えた蔓をゴブリンの

腹目掛けて放つ。


「くっそ…流石に対応されるか…。」


ゴブリンは眼前にまで迫った蔓を剣で叩き切る事で、

その先に齎されるはずの死を回避する。


自らの攻撃が防がれてしまった為に、次の攻撃を考える祈光に、久しく声が届いた。


『久しぶり、祈光くん!』


「うぉありえ先生!」


『ごめんね、忙しくて話しかけられなかったんだよ!』


精神から語りかけてくるだけなのに忙しいとはこれ如何に…

と思いつつも、祈光は大丈夫ですと返す。


『おっと祈光くん…来るよ!』


「分かってます!」


「ギャァウッ!」


今度はその手の剣を振るい、攻撃を仕掛けてきたゴブリンの足を、ただ冷静に祈光は蔓で払い、ゴブリンを転倒させる。


「やるやん!」


当然ヘイトフリーの悠誠が転倒の隙を逃すはずもなく…

放たれた弦音波によって、ゴブリンは死を迎えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ