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転生特典は「生物学」でした。~バンドメンバー&生物教師と往く異世界冒険譚~  作者: 片想い崩壊's
第一章:再会の時、冒険譚の始まり。
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第二十二話「情報交換」

「さて、話を聞かせて貰いましょうか。」


有無を言わせないキーラの態度に、二人は頷きで答える。

今までに見た事が無いような真剣な表情でキーラは切り出した。


「まず最初に確認したいのですが…倒したんですよね?」


「はい。倒しました。」


「二人でですか?」


「えぇ、まぁ、そう…ですね、二人で倒しました。」


祈光の頭に一瞬りえりえ先生の事が過ぎったが、

実際スライムに攻撃をしたのは祈光と悠誠なのでそう

答える。


「ここまではステータスプレートからも分かる通りですね。じゃあ、お二人について質問です。あなた方は本当に、

今まで戦った経験も殆どない駆け出しの冒険者ですか?」


「はい。嘘偽りなく駆け出しの冒険者…だと思います。」


そういった風に質問は続く。スライムについてや、

どうやって倒したのかについて、あのスライムと戦うに

至った経緯などを事細かに聞かれ、二人はそれらに正直に

答えていく。


すると、キーラは何か本のようなものを取り出して話し始めた。


「貴方達が倒したのは、知っての通り、突然変異個体のスライムです。

貴方達の話によると、恐らくは適応度はⅢ程度。

…Bランク冒険者が、二人がかりで倒せるかどうか

というような強さの魔物だと言われています。」


その言葉に、二人は心から驚いた。

祈光達は紛れもなく二人で奴を倒したのだ。


「段々分かってきたみたいですね。現状、貴方達は

Eランクの駆け出し冒険者です。ですが、貴方達が

二人で倒したのは、Bランク前後と推定される

突然変異個体のスライム。

……あえてハッキリ言いますね?これは異常ですよ。」


未だ唖然とし続ける二人にキーラは続けた。


「取り敢えず、恐らく貴方達は直ぐにCランクまで引き上げられます。

Bランクへの昇格は、今後の活躍を見て、という事になるでしょう。

ここまでで、何か質問はありますか?」


「いや、多分無い…です。」


「では、そちらはそういう事にしておきましょう。」


本題なのですが…と言い出したキーラに祈光達は

今のは本題じゃ無かったのかよ!とツッコミそうになったが

我慢して話を聞く。


「突然変異個体には、当然ですが…魔石、ありましたよね…?」


「あ、はい。それを破壊して倒しました。」


「やっぱりそうですよね…。」


「どうかしたんですか…?」


「実はここ数ヶ月の事なのですが、魔物が魔石を取り込んだ

状態で倒されるケースが、この街の周辺で激増しているんです。」


「え…?」


祈光達の脳内に過ぎったのは怪鳥の事だ。

アイツも確か、魔石を取り込んでいたはず。


「何か、思い当たる節があるんですか?」


「はい。実はこの街に来る途中で大型の鳥の魔物を

倒してきたんです。それで、その魔物も、魔石を

取り込んでいたんです。」


祈光がそう説明すると、キーラは数秒悩んでこう言った。


「口外禁止なのですが…守れますか?」


当然頷いた二人にキーラは続けた。


「ギルドとしては、魔石持ちの激増は、人為的に起こされたものであると考えています。」


「え…?」


「根拠となる点が幾つかあるんです。

一つはその量の多さです。数十年単位で一度発生するか

どうかといった程に希少な存在のはずの魔石持ちが、

ここ数ヶ月の間に、報告されていた分だけでも、

お二人が倒した変異種を含めて9回も現れているんです。」


「そんなに出現しているんですね…。」


「えぇ、これが自然のものなら天変地異レベルの事ですよ。さて、次に二つ目の根拠としては、魔石持ちの魔物の

分布があげられます。」


「分布、ですか?」


「はい。鳥の魔物と戦ったのは何処か覚えていますか?」


そう聞かれ、滝があった事や、街からの距離、

周辺の地形などを伝えると、キーラは頷いた。


「恐らくそこも同じ方角にある場所ですね。

20年前に魔族の被害を受けたメルの街…それと関係が

あるかどうかは置いておいても、魔石持ちの魔物は全て

同じ方角から発見されています。

単なる偶然と言うには、稀有な事ではありませんか?」


「確かに…でも、魔石持ちのスライムとかは俺たちでも

倒せたんですし、あんまり問題は無いんじゃないですか?」


「まぁ、Bランク冒険者もそこそこ居ますし、

シルヴィアさんも居ますから、今のところは目立った問題は

無いかもしれませんね。ですが、これが人為的なもので、

かつ魔石持ちの魔物がまだ沢山潜んでいるとすれば…

それらが一気に街に訪れたとすれば、話は別です。」


「………。」


「凶暴化・強化された魔物が街を一気に攻め立てる…

暴魔現象(スタンピード)が発生する可能性があります。」

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